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IARP根府川ヨーガ道場での断食体験記

先日、小田原市にある「IARP根府川ヨーガ道場(以下、根府川道場)」で
人生初の断食を体験してきた。

以前から断食による健康効果(ダイエット、味覚向上、毒素排出)に関心を抱いていたものの、断食は自力で挑戦すると危険かつ成功しないという声を聞いていた。なので挑戦するからにはきちんとした断食施設で体験しようと思い、関東エリアで初心者向けの断食施設を色々調べた結果、根府川道場が最適だと判断。料金は3日間で20,000円+燃料費400円。コロナ禍のせいでロクな旅行もできなかった夏休みの代わりになるかも、との期待も込めて参加することに。

▼参加1日目

朝9時に東京駅から出発。快速アクティーに乗り込み80分後、
道場最寄りのJR根府川駅に到着。

根府川駅

駅に降りると目の前には海が。ちょっとした小旅行気分を味わえる。

根府川駅周辺のサル注意

「根府川駅周辺には野生の猿が生息しています」の注意書き。
実際に猿を見ることは残念ながら無かったが、それだけ田舎だということ。期待感が高まる。

無人の駅改札を出ると道場主が車で出迎えてくれた。
コロナ禍の影響で参加者を絞っている(従来は最大20名参加→現在は最大5名に限定)らしい。また施設側も現在は道場主1人だけで対応している状態であり、すき家も真っ青のワンオペ状態。そんな話を聞いていると10分ほどで道場に到着。

根府川道場入り口

HPにも書いてあるが、根府川道場は宗教法人のIARPが運営している。
とはいえ宗教の勧誘は一切なく、「せっかくの勧誘チャンスなのだから信者獲得の場にすればいいのに…」とすら思ってしまった。営業が下手である。

根府川道場全景

↑上の写真は道場入口の様子。畑や花壇も広がっており、小学生時代に訪問した林間学校を思い出した。虫(アブ、クモ)も多いが施設全体は整理整頓されているので、潔癖症気味の私でも問題なく受け入れることができた。

個室

道場内の各施設を案内された後は個室へ。TVやラジオは無いもののエアコンはあるので快適。ここで運動用の服装に着替え、また車に乗り込む。
車内には他の参加者たちが既に揃っており、挨拶を済ませる。他の方は前日からの参加者であるが全員元気そう。「これなら自分も2泊3日のプログラムを乗り越えられそうだな」と一安心。

1時間ほど車に揺られると芦ノ湖に到着。今日は芦ノ湖周辺を9kmノルディックウォーキングするとのこと。ノルディックは両腕が補助になるのでラクに歩けるものの、カラダ全体を使うため消費カロリーは大きいらしい。

最初は参加者全員で同じペースを歩いていたが、すぐに各自のペースで進むことに。今回の合宿全体に共通して言えることとして、強制感や縛りは一切ない点がこの道場プログラムの特徴である。各々が好きなように好きなことをできるため、マイペースな人に向いていると感じた。

そこからはサイレンススズカ並の大逃げペースで飛ばし、独走状態。
芦ノ湖を右手に眺めながらガンガン進む。

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途中、獣道に捕まるものの約2時間黙々と歩く。そしてゴール前に「そういえば昼食を食べていないな」と思い出し、出発前に預かっていた玄米オニギリとプレーンを口にする。他の参加者たちも絶賛していた通り、かなりの美味だった。具体的に説明すると、ローソンの人気商品「悪魔のおにぎり」の3倍美味しかった。コンビニの商品企画担当者は根府川道場に接触すべし。

その後、ゴール地点に到着。そのまま道場に戻るのかと思いきや、箱根の温泉へと向かうことに。道場にはシャワーしか無いので温泉で疲れを取れるのは嬉しい限り。そして箱根でも屈指の人気温泉である天山湯治郷へ。入浴料1,300円はやや割高な感もあったが満足。

1時間の入浴を済ませて道場に帰ると、次はヨガ・瞑想教室が始まった。
ここまで書いてきた通り、根府川道場はとにかくプログラムが絶え間なく続く。「もしかしたら3日間ヒマを持て余すかも…」との杞憂は一蹴された。
ちなみに一日の流れをまとめたプログラム表は下記の通り。

1日の流れ

そして本格的なヨガ・瞑想をたっぷり2時間行い(普段使わない筋肉を動かしたのでウォーキング以上に疲れた)、食堂へ移動。
食堂も林間学校の施設っぽい。

食堂

夕食は温野菜・豆腐一丁・生姜湯の3点立て。普段は早食いだが、意識的に時間をかけてよく噛んで食事。しっかり噛むことで満腹感を抱くとともに、食材の美味しさも味わうことができた。また温野菜には私が苦手な玉ねぎがあったものの「これも修行の一環…!」と自分に言い聞かせ、半ば泣きながら完食。一つ成長できた気がする。好き嫌いも克服できるのが断食道場の醍醐味である。

食後、道場主が「明日は晴れるので赤富士が見えるかもしれない」と教えてくれた。日の出時に山中湖に行けば絶景の赤富士を眺めることができるらしい。ということで明日は3時頃に起床して赤富士を見に行くことに。いそいそと個室に戻って即就寝。エアコンがガンガンに効いていたお陰ですぐ眠りにつけた。

▼参加2日目

朝3時30分、車に乗り込んで山中湖へ向かう。運転はもちろん道場主。そういえば昨日から道場主はズーっと働いている。運転、ガイド、食事をワンオペでこなしつつ、翌日以降の参加予約も捌いていた。60代とは思えない身のこなしには驚かされた。これも断食、ヨガ効果なのだろうか?

赤富士

5時に山中湖に到着。赤富士になる瞬間に立ち会えた。私たち以外にも大型カメラを抱えた集団がスタンバイしており、どうやらここが撮影スポットらしい。富士山に一度登ったことがある私は「ま、実際は大した山じゃないけどな~」と思いつつ、赤富士を撮影。「1度も登らぬ馬鹿に 2度登る馬鹿」という富士山を表す格言があるが、まさに言い得て妙である。

赤富士を見た後は忍野八海を散策するなど富士山エリアを堪能し、道場に戻って朝食を摂る。朝食は酵素ジュース。りんご、にんじんがスムージーされており、駅のキオスクにて500円で売れるレベルの美味しさだった。これも一気に飲み干さず、10分程度かけてチビチビと味わう。

そしてまた車に乗り込み、今日は大雄山に行くことに。根府川道場プログラムの唯一の欠点を挙げるならば、とにかく車の移動時間が長い。しかも急カーブの道路が多いため、車酔いしやすい人は酔い止めを持参した方がいい。

ウォーキング中写真

昨日同様、この日も各々のペースでノルディックウォーキング。エイシンヒカリ並の逃げをかまして2時間ほどでゴール。私は普段から運動しているので問題なく完走できたが、運動不足の人にとっては結構キツいかもしれない。

その後は温泉(昨日とは違う温泉へ案内してくれた)→ヨガ・瞑想(昨日は違う先生が担当)→夕食(この日は豆腐の代わりに納豆)を済まして就寝。
この時点で疲労感・空腹感はさほど無く、いたって快調。断食道場ながらも栄養素の高い食事を摂れていること、温泉で心身を回復できたことが効いているのだろう。恐らく断食上級者には物足りない内容かもしれないが、初心者にとっては丁度いいプログラムが組まれているなぁ、と実感。

▼参加3日目

最終日の3日目は6時からお祈り体験。ご神前でIARPの教本と般若心経を読み上げる。ただしコロナ禍を踏まえ、参加者たちは声に出さずに黙読するのみ。道場主の読み上げを聞き、その後は15分程度の瞑想。

ご神前

瞑想が終わると体操部屋に移動し、カラダ中のつぼマッサージを2時間かけて行う。専用の器具で足の裏・手・足そして全身を刺激。どのツボを押すとどの器官に効果があるのかを逐一説明してくれるため、納得感を得ながら取り組むことができた。不調気味の膀胱・肝臓に効くツボを入念に押し込む。

朝食を済ませてチェックアウト。到着時同様、根府川駅まで送ってくれた。
これで2泊3日、48時間の断食体験は終了。快調のまま断食を乗り越えることができた。

▼帰宅後

自宅に着いたら速攻で体重計に乗ってみる。結果は0.8kgのダイエットに成功。まぁ48時間程度の断食だと効果はこの程度か…と少し落胆する。

それから食事を摂ることに。回復食には気を付けるよう聞いていたものの、思い切ってビビンバを食べてしまった。幸いにも胃が暴れることは無くすんなりと消化。若干ながら味覚も研ぎ澄まされていたのか、辛味をしっかり感じることができた。また翌日以降も食欲は以前より抑制され、胃が小さくなったことを実感。この状態をこのまま維持したいところ。

▼参加した感想/根府川断食を検討している方へ一言

・これで2万円は格安。下手な旅行をするよりも全然満足できると思う。
 また断食初心者にはうってつけのレベル・プログラムだった。
 「またすぐにでも再訪したい!」とは思わないが、3年後くらいに
 もう一度参加してみたくなるかも。2泊3日という期間も丁度よかった。

・参加者は女性がメイン(30代~50代)。
 断食道場ながらも太っている人はおらず、健康維持目的の参加が大半。
 ウォーキングが割とハードなので、肥満体型の人にはキツいかも。

・持ち物は運動着と着替えの服さえ準備すれば良し。
 HPには色々と持参必需品が書かれていたが、無くても大丈夫。
 道場周辺にコンビニはないものの、道場でミネラルウォーター100円で
 販売されているので、水を持参する必要もナシ。

・道場主は元気。よく喋る人なので話してみると面白い。

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