山の古民家改修工事~杉板フローリング~
先日、町内のある建物の改修工事が完了しお引き渡しをしました。
今回のメイン作業は約70㎡の床を新調して古い畳から杉板フローリングに変える(一部は畳を新調)というもの。
当初はどこかの時点で増築した場所の床がフニャフニャと踏み抜きそうな箇所があり補修できないかの相談だったのですが、、、全体の畳から新規でフローリングに張り替えたいというお話になりました。
ところが床を開けてみるとビックリ!!
外側に見えている場所の床付近の柱を見て嫌な予感はしていたのですが、湿度でのカビとシロアリの影響で、床の基盤となる大部分がかなり傷んでいました。(家的にも結果的に今のタイミングで全体の床を開けておいて良かったのかも)
そのため床の下地から新しく作り直し補強しました。(場所によっては木材を総入れ替えしないとダメな場所もあり)
そして床下に湿度がかなりこもってしまうため、いろいろな方法を考えた結果、床下吸気口と床下換気扇の設置も併せて行いました。
主な原因として考えられるのは、山上にある古民家にあるあるな「山を背負って建物が立っている」ということで、山を背負った側の建物部分は湿気が溜まりやすくカビやすいということがよくあります。
特に人が離れてしまうと換気がなされず、湿気が溜まり空気が流れなくなってしまいやすい。そのため虫が寄ってきてしまうという悪循環が起こる。
今回の物件は、その溜まりやすい山を背負った場所にさらに増築をしていたために、床下の吸排気ができなくなっていたため、床下に空気が流れず水分を溜めてしまったのが床下が傷んでしまった原因だと考えました。
事前に町内で庭師をやっている仲間達が裏山の剪定や家の裏側の側溝を片付け作業で入ってくれていたこともあり、かなり鬱蒼としたところが綺麗になって床下の通気もよくなったのでこれも含めて改善されることを願うばかりです。
床下吸排気換気システムの設置と床造作作業、それに伴う一部壁天井の造作作業で一人黙々と約2月半こちらの建物と向き合い作業しました。
今回の作業ポイント
①<畳の床を杉板への床張り作業>
傷んでいた畳から杉板フローリング張りへ変更。
間に襖の敷居がありますが、隣の部屋との繋がりを意識してフローリング材を並べることで広さと統一感を考え施工しました。
床を開けたことで芋穴と呼ばれるものすごく大きい貯蔵用の穴があってびっくりしたり(最初防空壕なのかと思った)、昔の大工さんの色々な技が垣間見れたりと建物の基盤となる昔の構造を知る良い機会になりました。
昔は床の下地材は栗の木がよく使われていたので、とても丈夫で硬い木のため傷みにくいというのもあるそうです。
②<湿気によりカビてしまっていた部分を解体・造作>
廊下部分と部屋のつなぎ部分が湿度が溜まりカビで壁が傷んでしまっていたため、壁を含めた間仕切り部分を一度解体し整えました。
見た目だと全然わかんないんだけど苦笑
解体した後の補修した天井・壁・床を違和感なく現状の場所へ合わせるのに結構苦労しました。
③<湿気対策として床下通気口の設置>
増築もされている建物で空気の流れが滞ってしまい湿気が溜まりやすくなってしまうため、流れが良くなるように吸気口3箇所南側に強制排気する床下換気扇を3台新たに設置しました。
換気扇がついているので湿気た空気を動かしてくれ外に出します。空気の流れと家の換気はとても重要だなと感じました。
今後もこの山間地域に住んでいると課題になるので、もっと湿気や空気のながれとの付き合い方を自分なりに理解を深めていけたら思いました。
作業スペースとしても使っていた広い軒先が日当たりバッチリで、そこから見えるロケーションもとっても良く、お昼ご飯がいつも穏やかな気持ちで食べられて良かったです。
電気工事で追加のご依頼を頂いたので、また工事が終わり落ちいたらこちらに載せられたらと思います。