ラッセル「The Conquest of Happiness(幸福論)」を解釈する(4)
Bertrand RussellのThe Conquest of Happinessについて、学習の忘備録として、文構造の解説的なものを残します。今回は下記の続きです。
the menをwho hold this viewが形容詞的に修飾しています。genuinelyは「偽らざる心情」から転じて「本当に」の意。reallyよりも若干強く感じられます。カンマの前の文はSVCの文であると整理できます。
but以下theyが指し示すのはthe menです。be proud of …は「…を誇りに思う」の意でthey are proud of their happinessで「彼らの不幸を誇りに思う」。, which以下は関係代名詞の非制限用法です。先行詞となるのはthey are proud of their unhappinessです。非制限用法の関係代名詞はこのように前の文全体を修飾することも可能です。
which以下の文はthey attribute to the nature of the universeですが、ここでVのattributeの目的語がないことに注目しましょう。元の文を考えてみます。they are proud of their unhappinessを代名詞のitに置き換えて考えてみましょう。そうすると、
they attribute it to the nature of the universe
となります。「彼らは自分自身の不幸を誇ることを宇宙の性質に帰する」の意。andからの文の主語もtheyです。considerの後にもOがないですね。ここも同様に先行詞の文の内容をitに置き換えて考えると、
they consider it to be the only rational attitude
となります。consider O to 不定詞の形ですが、consider O Cとも表現することができます。つまりは、consider O to 不定詞のOとto不定詞にはSVの関係があります。先ほどと同様に修飾する文をit(=they are proud of their unhappiness)と考えて、
it is the only rational attitude
のように、「彼らが自身の不幸を誇るのは、唯一の理性的態度だ」と解釈できます。
for the enlightened manという前置詞句はconsiderを修飾しています。この前置詞句が修飾する範囲は繰り返し述べていますがand以降であることを強く意識しておきましょう。
Their pride in their unhappinessという表現に注目。直前の文の
they are proud of their unhappiness
が名詞として圧縮されています。このように同形の繰り返しを避けながら、形を変えて前の文の内容を指し示すことは英文において多くみられます。
makeの後のOとCに注目。ここでは
make people suspicious of its genuineness less sophisticated
という文のOとCの順番が入れ替わってmake C Oの形になっています。people suspicious of its genuinenessという長いOを後置したと考えることができます。
;(セミコロン)は文中で接続詞の役割で使われることがあります。thereforeくらいの意味で捉えておくと、理解しやすくなるでしょう。
that節は名詞節でOとなっています。that節内、whoはthe manを修飾する主格の関係代名詞。who enjoys being miserableはthe manを形容詞的に修飾しています。that節内の文はSVCの文型です。
今回の続きは下記です。