短歌人(2021年6月号)掲載歌

アレクサに君が命じた球根と水栽用のポットが届く

水栽のプラスチックのポットへと根を伸ばしてゆくヒヤシンス

起き抜けに香るコーヒー「ハイドン」と言えば満ち来るトランペットの音

何色が咲くのと問えば何色がいいのと君は問い返しくる

トーストをかじる乾いた音がして日の出は少しずつ早くなる

題詠歌 斎藤典子 選 「天」
恋愛を知ってしまったAIの発する熱に咲くヒヤシンス

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