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心。人生を意のままにする力(稲盛和夫著)を読んで。

 毎週、ドラマ半沢直樹が話題になっている。原作「銀翼のイカロス」のJAL再生の現実に沿った展開で歌舞伎調の演出が胸をすく。

 JAL再生の立役者として、会長職を務め社員の意識改革を積極的に行ってV字回復した稲盛和夫氏の著は多く、特に人生や仕事の結果は、考え方×熱意×能力であり、特に考え方はプラス100からマイナス100まであることを学び、考え方は常にプラスで考えたいと常日頃から意識するようになった。

 この「心」はその考え方の有り様を、稲盛氏の様々な人生の基点や事象など実例を示しながら、心を高めていくことの難しさと大切さを教える。
 稲盛氏も自らの境遇に不平不満ばかりを唱えていたときは何事もうまく行かず、運命を素直に受け入れ、肚を据えて仕事に没頭し出したとたん、人生の流れは逆風から追い風へと変わったと述べられており、心の持ちようが人生を創り、人生の様々な出来事に対してもブレない山のような心を持つことで人生が好転することを学ぶことができる。

 その心の根源が、感謝や利他の心であり、自分のためだけではなく、他人の利益の追求こそがおのずと美しい心を創り、組織を守ることができる。
 日頃の業務においても地域社会のため、より良い提案を追求しているものの、組織を守るため、全社的な視点や発注者・地域住民の利益を最大化することについて、ついつい利己の意識が芽生える場面もあり、反省や改善すべき心の有り様を改めて見直すきっかけとなった。

 松下幸之助は、「素直な心になりましょう、素直な心はあなたを強く正しく聡明にする」と述べており、また、素直な心を創るには素直な心になりたいと朝夕心に思い浮かべ30年たってようやく初段になれると語ったことと、稲盛氏の利他の心は同じことだと感じ、歴史に残るリーダーの心を重要視する共通の考え方に感銘を受けた。
 感謝や素直さ、他人を思いやる心を常に意識し、日々精進していくことが自分の目指す道を拓く唯一のことだと再認識した。

本の終盤には、家族や妻に対する感謝の気持ちも述べられていた。経営者として会社の経営や仕事に精力的に取り組めば、プライベートは疎かになりワークライフバランスが取れなくなると思うが、自分が心を高められるのは家族や妻が支えてくれることだとその感謝も忘れないことも、重要なのだと気づくこともできた。

今後も様々な局面で心がブレることが出てくると思うが、この本を思い出しながら心を高め素直な心を持つ努力を続けていきたい。


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