【ネタバレ映画感想】ザ・バイクライダーズ
今年4本目の映画はザ・バイクライダーズです!
実はこの映画、観るの3回目なんですがやっぱり好きですね……
今年はもう何回か見に行く予定なので、1回目の感想文ということになります!
以下、ネタバレありで感想を書いていくのでご注意ください!
パンフレットの内容にも触れているので、そちらもご留意下さい。
何度観ても唸らさせられるのは音楽の良さ……
バイクの排気音と60年代の音楽の相性は最高ですね。
パンフレットを頼りにプレイリストを作って劇中歌を何度も聞いてるくらい好きです。
特にエンドロールのBikeridersは映画の余韻も相まって、こんなに素敵な音楽はないと思ってしまうほどです。
砂っぽさを感じるような画面の色彩と、古くも褪せない音楽が相まって作り出す空間は最高で、やはり映画館で観なくてはという作品ですね。
この映画の肝はなんといってもオースティン・バトラー演ずるベニーの魅力だと思います。
どこを切り取っても格好良い……!
高速道路でパトカーと大追走をするシーン、何度でも見たいと思う美しさでした。
まさに写真集のようなこの映画のなかで、こんなにも絵になる登場人物を作り出したのはさすがとしか言いようがありません。
パンフレットではベニーにサイコパス的な要素があると書かれていたのですが、個人的には最後の泣きの演技が印象的すぎて感情のない人の印象は薄かったです。でも作中でキャシーから明確に感情がないって言われてますね。
果たしてキャシーはどこまで正確にベニーを見られていたのでしょうか。
バイクには心残りはない、というキャシーの言葉は真実なのでしょうか。ベニーの耳にはバイクの音が鳴り響いていたとしても。
思うにヴァンダルズはベニーの青春だったのだろうなぁと思います。
青春、手を伸ばせば届きそうなほど眩しい光で、しかし大人になった今もう手を伸ばさないもの。
バイクに未練がないというのが真実でも、ベニーは青春の光の記憶としてバイクを常に思い続ける。そんな感じなのではないかなと勝手に思っています。
こういう考える余地がある点も素敵な映画ですよね!
キャシーについては、本人が語り手ということもあり謎めいている部分はほとんどないかと思います。
ただ5週間で結婚を決めるほど何に魅せられたのか、そこをもっと知りたいと思わされました。
高速道路を走るヴァンダルズ達の光、あれにキャシーも惹かれてしまったんでしょうね。
ですがキャシーはベニーを愛していても、ヴァンダルズのみんなを値引きなしに愛しているという印象は行けません。
キャシーは昔は私も真っ当だったと言いますが、私は彼女は今も真っ当なままだと思います。
ヴァンダルズには染まりきっていない。
ジョニーとの対立とかを見ててもそんな気がします。
彼女は最後に勝利の笑みを浮かべますが、果たして本当にベニーを変えることができたのか。そこが気になるところですね。
女は男を変えられると思っている、とそれが間違いであることを彼女自身が言っているからこそ、そこには疑問が残ります。
いや〜もっと続きを見たい!!でもここで終わるからこその魅力なのか……
ジョニーはこの映画で一番好きになったキャラクターでした。
トム・ハーディが渋すぎる!
ジョニーの解釈については個人的に色々言いたいことが沢山あります。
彼を父や兄的な存在と見たり、カリスマとするのは何か違うな〜!と思うんです!
パンフレットでも何度かカリスマや父性については言及されていたのですが、トム・ハーディだけはジョニーの父親性をしっくり来ないと否定しています。
私もしっくり来ないんです!
ジョニーは父親や兄のようなよく出来た模範ではないし、カリスマという言葉が似合うような無敵感のある存在ではないと思うんです。
等身大の一人の男、身に合わない巨大な権力を手にして戦慄する、荒っぽいが喧嘩でも無敵なわけではない、大きすぎる組織をまとめあげる技量は自分にはないとジョニー自身もわかっていたはずです。
その等身大な感じがジョニーの一番の魅力なんです。
決して格好良すぎない、だからこそ格好良い。
このキャラクターの魅力はどこまでも深いです。
ジョニーとベニー、キャシーの関係性は三角関係と明確にパンフレットで言われていましたね。
ベニーはそのどちらの思いにも答えることが出来ない存在だと。
私はこの話がとても好きで、ベニーという男の魅力がすごく詰まった話だと思うのです。
是非皆さんもパンフレット読んでみてください!すごくすごく個人的な話になってしまいますが、書いている小説の登場人物をまさにベニー的な魅力を持つ人物にしたくて、この映画とパンフレットはすごく創作の助けになりました。
誰にも命令されない、誰にも命令しない、どこまでも自由な男……素敵ですよね……
この映画、本当はマイク・ファイスト目当てで観た映画なんです。
マイク・ファイストの笑顔や表情の演技はすごくクールで見てて幸せになりますね……
不良っぽいファッションのマイク・ファイストを見るとウエストサイドストーリーのリフを思い出してにっこりしてしまいます。
こんな素敵な映画に好きな俳優が出てくれたことはいくら感謝してもしきれないです(何に?)
以上、ザ・バイクライダーズ3回目の感想でした!
次見る時はもっと深い感想が書けるようにしっかり見るぞ……
ザ・バイクライダーズは写真集のような、煙草の煙のような、手触りさえも感じるような質感のある最高の映画です。
人生の中でこの映画に出会えて良かった。
乱暴者がジョニーの運命を変えたように、ザ・バイクライダーズは私の運命を変えると思います。
それではまた次の感想で!