メキシコサッカーの環境について

現在、メキシコのLigaMXのモナルカス・モレリアの育成で働いています。
何年か前に日本サッカーの中で、『メキシコ人と日本人は同じ体格だから、メキシコのサッカーを参考にしよう』という流れがありました。
しかし、平均身長は同じであれど、骨格や筋肉のつきかたが違うのと、何よりメキシコのサッカーにおける環境の違いが多大きく、あまり参考にならないのではないかと私は思います。

現在所属しているモナルカス・モレリアの予算はメキシコ1部リーグの中では真ん中に位置しています。しかし育成だけで人工芝が3面、トレーニングジムがあり、そして現在は天然芝2面を建設中です。
育成にはU-12から2ndチーム、女子チームの9カテゴリーあり、各カテゴリーに監督、アシスタントコーチ、フィジカルコーチ、ドクター、用具係がいます。
Jリーグの育成でこれだけの環境が整っているクラブはなく、それだけメキシコは育成にお金をかけて強化を図っています。

なので、日本が参考にすべきところはグラウンドを増やすというより、スタッフの充実を図るほうがいいのではないかと提言します。
特にJリーグの育成でも中学生年代では各カテゴリーにコーチが1人だけで、あとはトレーナーが全カテゴリーの中で1人や2人のところも多いので、もう少しチームを見ていける人を増やしていくべきです。
もちろん人員を増やすということで、多くの費用がかかってしまいますが、日本の現状としてコーチが練習メニューのすべてを担当し、試合や遠征の準備、試合ではウォーミングアップから試合、打ち合わせなど1人当たりの仕事量が多いので、スタッフを増やすことにより、監督やコーチはさらに指導に専念できると思います。

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