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本返してくれない、もしかして紛失か

貸した本を返してくれない。再三、催促するも埒が明かない。手元に残して置きたい2冊なのに、貸してから10年以上も経つ。返却出来ない何かがあるはず。もしかして紛失したのか。

後輩に貸したのは「北国の椅子」(森川勇作著)。昭和49年6月15日発行、限定620部。私は第408冊を持っていた。森川勇作さんは妻の上司で、結婚する時は保証人になっていただいた。

北国の椅子は随筆集で、題字が船山馨氏、序文が山岡荘八氏。北海道新聞時代の後輩、原田康子氏も「したたかな中の滋味」という一文を寄せている。本を借りたまま後輩は北海道へ帰る。

もう一人は同級生だ。題名は忘れたが、古老の話として父のことが紹介されていた。本は勝手にまた貸し。「私ではなくあっちの方に催促して」に「馬鹿なこと言うな」と怒鳴り返した。

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