美しい十代歌い続けいつの間にか70代
「美しい十代」(1963年)は三田明のデビュー曲である。音楽番組に出演した三田は、作曲家吉田正さんの前で歌った。吉田さんは目を閉じて聴いていた。当時は下手で、可愛いだけだった。
三田さんとは同い年で私が2カ月早い。カラオケで美しい十代を歌い続け、いつの間にか70代になった。酒場の女将は黙っていてもこの曲をかけてくれる。ワンパターン、いや「おはこ」だ。
10代で知り合った仲間と、20代、30代、40代、50代、60代と年齢を重ねてきた。「美しい七十代」も中盤にさしかかる。心はいつも青春だが、昨今は古い友人たちと気軽に会えなくなった。
聴きたい歌と、歌いたい歌は違う。自分の葬儀では、お経はいらないから、美空ひばりさんの歌(会う)を流してほしい。亡くなれば聴くことはできない。これは「人に聴かせたい歌」である。