【体調不良は突然に】キャンプ場からの夜間救急【4】
突然、夫がテントを買って来て始まった我が家のキャンプライフ。3歳児を連れて行った初めてのテント泊は大失敗に終わり……
「もう、キャンプは懲り懲り」となって、しばらく間が空くことになる。その間なんと約3年。これでキャンプライフ終了となると思っていた。少なくとも私は。
ところが。その3年の間に下の娘が生まれ、娘が2歳半になったところで「久しぶりにキャンプでも」と夫が言いだしたのである。“キャンプ熱、まだ残っていたんだ……”心の中でつぶやく私。
正直、このままアウトドアのことは忘れてくれないかなと思っていた。そのくらい初回のキャンプは大変だったのだ。
しかし。相変わらず、アパートでは存在感の大きいテント・タープ・椅子が私に無言の圧力をかけてきており、“忘れていないだろうな”と彼等の視線も感じずにはいられなかった。
私:「前回テントめちゃくちゃ大変だったでしょ?子供2人いて下の子2歳半でキャンプは厳しいと思うな」(必死の抵抗)
夫:「だから、今度は空調付きのバンガローにしようと思う。BBQコンロや机、タープと椅子も備え付けタイプのとこ」
キャンプの大変な面をカバーする夫のプランに反論の余地はない。ただ……。アパートの狭小スペースを圧迫しているテントもタープもイスも使わんのカーイ(涙)まぁ、小さな子供とキャンプなのだ。今回はしかたあるまい。
という訳で、3年振り2回目のキャンプ。
我が家のリベンジマッチが幕を開けた。
前回と比べ、驚くほど順調だった。
何せ、テントを組み立てなくて良い。加えて、その日は日差しも強くなく、タープさえ必要無かった。「設営が無いってこんなに楽なんだね」子供達とゆったり遊ぶ余裕すらあった。
初回の反省を踏まえ、夕食もかなり簡単なメニューにした。道の駅で買った新鮮なお刺身や冷凍チャーハンにBBQ。ほぼ焼くだけ。前回の闇カレー事件の失敗を繰り返すことなく食にありつけた。
あれ?拍子抜けするほど楽しめている。
キャンプ万歳!!
私たち、こういうのがしたかったのよ!!
しかし。ここからが大変だった。
夕方。
昼間キャーキャーはしゃいでいた娘が、心なしか静か。なんとなくいつもと違う。そんな違和感から始まった。
“あれ?身体熱くない?”
フロントで体温計を借りることにした。(ちなみに、これはコロナが流行する2年ほど前の話である。)37.5度。微熱だ。
そう感じてからはあっと言う間だった。
みるみる上がる体温。焦る母。とにかくクーラーボックスから氷を出す夫。訳も分からず、はしゃぐ上の子……。そのうちに娘の目がトロンとしてきて、ひきつけの一歩手前になってしまった。前日、当日、風邪をひいている素振りも無く、何ならついさっきまで元気だったのに。子供の体調変化は急にやってくる。
すぐさま、休日の夕方から診てもらえる病院を探し、ひたすら電話をかける。やっとのことで、小児科ではないが総合病院で診察してもらえるとの回答を得て駆け込んだ。もし、これがコロナ禍だったら……すぐには診察してもらえなかったかもしれない。
病院に着いたのが夕方5時半頃。
待合に私達以外の患者さんはいなかったが、休日救急の受け入れ開始時間は6時からとのことだった。あと30分。目の前の娘を見て心が焦る。“こんなことならキャンプに来なければ良かった”そう思いながら、何度も時計に目をやった。
そこへ。
「受け入れの決まりは6時からなのですが、医師の僕が居るので、もう入って下さい」
若い先生が私達を呼びに来てくれた。
「本当は6時からなんですが、辛そうな患者さんがいて医師も既にいるのに規則のために30分何もしないなんて僕には出来ませんから」先生が輝いて見えた。
丁寧な診察の後、とんぷく(解熱剤)をもらって、そのまま帰宅した。翌日には、昨夜が嘘のようにケロッと平熱で元気な娘。本当に良かった。
けれども……
3年ぶり2度目のキャンプはまたしても苦い思い出となり、この後しばらくはまた我が家の足はキャンプから遠のくのであった。
次回空回りファミリーキャンプ
『夫7万のテントが欲しい夫婦会議』
続きはコチラ⇩
最初から見たい方はコチラ⇩