韓国語翻訳練習 ハ・テワン~全ての瞬間が君だった~⑱
ある春の日の散歩
今日は天気がものすごくいいから
最近あまり出られなかった外に出てみた。
アパート団地を過ぎ、近所の小学校も見回して。
ちょうどお昼時間で子供たちの気持ちのいい笑顔も
静かにあちこちに広がっている。
目がすごく悪いほうだけど、わざとコンタクトもしなかった。
おかげでまだぎこちなく染み入る春の香りを思う存分吸い込めたと、そう思う。
そんなに遠くに出かけるつもりではなかったけど、
歩いてみるといつしか住んでいるアパートが
あの遠くにおぼろげに立っている姿が見えるところまで
こうやって歩いてきた。
ふと、もう戻らなくてはと
踵を返した。
わざと来た道をそのまま戻らずに、
横断歩道を渡って反対側の道に入った。
今まで来た道とは違って、日がよく差すせいか
春を知るいろいろな花たちが視線を飲み込んだ。
目がいいほうではないけど、その美しさを収めたくて
ポケットを探ってケータイのカメラを取り出した。
ここは空気が暖かいからか
春を知る花たちがもうぱっと笑って見えて、
順々に色とりどりの綺麗な花が行く道を飾ってくれていた。
夢中でそれらを写真に収めてみると
いつの間にか家の前まで簡単に着くことができた。
なぜか残念さが足首を掴んで離さなかったけれど
全ての春を後にしたまま足を踏み出した。
家に帰って一生懸命撮った写真と
自然と心の奥底にしまった場面を見ていると、
知らずに「あ、綺麗だ。」と感嘆していた。
世界には
綺麗なものが溢れているけれど、
こんな些細なものから出てくる美しさに
人の心を本当に動かす
力があるのだと信じている。
そんなに大きな意味のある文ではないけれど、
今日撮ってきた美しさが溢れ出て
もっと多くの人々と分かち合いたいという気持ちで書いた。
春よ。
些細なものを愛することができる、
側にある当然さを愛することができる、
忘れられる全てのものを愛することができる
そんな人になりたくなる季節。
いい人になりたいと思わせる、
そんな愛のような季節。
春よ。