韓国語翻訳練習 ハ・テワン~全ての瞬間が君だった~156「4.さよなら―私の全ての瞬間」

エピローグ 

ありがとう、私の全ての瞬間である人


この世界を生きていくと誰でも切々と愛することがあるものです。私たちはどの恋愛の始まりもすべてそうであるように、誰かと出会い、その誰かに好感を抱き、その誰かのもう少し深いところに隠れているまた違う何を知りたくて愛の出発の線を踏むのでしょう。

私はまた普通の心と平凡な外見でこの世界を生きている人間として、この本を様々な感情で開いた様々な読者の方々と大きく変わらない恋愛をしてきました。もちろん、他人の視線に限ってのみ特別ではない「ただそんな愛」ですが。

みんなそう考えるようです。私の愛はある純粋な子供が開いた童話の中の話に劣らず美しいと。


愛はたいてい私の人生全体を支えてくれる大きな力になりもするけれど、一方ではその深さが見当もつかないほど深い穴を隠してもいて、いつかは私を期し得ない悲しみの中に閉じ込めてしまうこともある。そのせいで私はこの本の原稿を書く前に数多く悩みました。


「愛を、人生のテーマとして一冊書こうとすれば

果たしてその雰囲気が

花びらの舞い散る春になるか、

落ち葉が力なく散る秋になるか」


愛という単語に漂う感じをそのまま受け入れるならば、当然前者のようになりますが、秋と似ている胸の痛い別れの瞬間もどちらにせよ、愛という感情が多くの部分を占める大きなかけらであるのですから。


そんな風に何か月、何日をこんな悩みで夜を明かしてみると、本当に当然な事実が偶然のように脳裏をかすめました。この本が持つ雰囲気を私が決めるのではないと。各々の事情を抱えてこの本を読む、すべての読者の方々なりの雰囲気が作られていくのだと。私は私の内情をそのまま隠さず、私の話を解き放てばいいのだと。


私はこのページが、誰かにとっては現在進行中であるすべての瞬間に感謝するものであり、また誰かにとってはすでに過ぎ去った過去のすべての瞬間を想起させ、また切ないけれども誰かにとってはこれからの未来まで忘れることのできない人を思い出させる話の美しい終わりの場になることを願います。


そしてそれぞれがすべての瞬間に一緒にいた人へ感謝の心を持ていただければ嬉しいです。心の深いところに縛られている感情をもう解き放ってすべての場面で正直になっていただければ嬉しいです。


私の大人になれない感情の読者になっていただければありがたいです。この本を執筆する間多くの方に感謝してきましたが、その中で過去の私と一緒にいてくれて、現在の私と一緒にいてくれて、未来の私と一緒にいてくれる私の大切な縁たちに一番深い感謝を伝えます。どうかずっと幸せでいてください。


そして最後に、

ありがとう、私のすべての瞬間。

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