自分自身の「内なる声」に耳を傾けて生きたい【Kyunと私の未来予想図〜市丸沙矢子編〜】
自分らしくいるために、常識にとらわれない生き方を選び続ける人物がKyunにはいます。
英語学習サービス事業を展開する企業で人事を務める傍ら、副業でKyunの採用にも携わる市丸沙矢子(以下、sayako)です。
新卒でリクルートHRマーケティング(現・株式会社リクルートジョブズ)に入社し、営業職として奮闘した後、結婚をキッカケに富士ゼロックスに秘書として転職。
一見すると順風満帆に見える人生ですが、当時の自分自身の生き方にはどこか納得感を抱くことができなかったといいます。
そんな日々を送るなかでsayakoが決意したのが、30歳を迎えたタイミングでのカナダへの留学。
帰国後の現在は、本業に加えKyunで採用も手がけ、一人ひとりの「らしさ」に寄り添う采配が、高く評価されています。
大切にしているのは「周りの常識に振り回されるのではなく、自分の価値観に正直に生きること」。その言葉には、留学を通して得た、sayakoの揺るぎない信念が宿っているように感じられました。
その意思に至るまでの変遷、そして、sayako自身が思うウェルビーイングの在り方を探ります。
「人への興味」が原点。リクルートでの営業経験が礎に
── 早速ですが、経歴から伺っていきたいと思います。新卒から現在に至るまでのキャリアの変遷を教えていただけますか?
新卒でリクルートHRマーケティングに入社しました。就職活動の軸は「人への興味」。
昔から人間観察が好きで、漠然と人に関わる仕事がしたいなと思っていて。そのなかで、いろいろ調べた結果、人材ビジネスに興味を持ったんです。
選考を通して出会った社員の方々がすごく魅力的に映って、一緒に働きたいなと強く思うようになって。
──入社後はどんな仕事をしていたのでしょう?
新規開拓の営業をやっていました。いわゆるBtoBの法人営業ですね。
すごく楽しかった記憶はありつつも、とにかくハードな働き方だったので大変でした。
ただなんというか、不思議なもので、きつかったけど面白かったんですよ。だって、自分の働きかけ次第で何かを変えられるわけじゃないですか。お客様の意識を変えたり、新しい価値を提供したり。人に影響を与えられるのが、すごくやりがいになっていました。
── 人との関わりそのものに仕事のやりがいを見出していたんですね。
ただ一方で、やりがいは感じつつも、私生活がほとんどない状態が続いていたので、少しずつ限界を感じるようにもなっていました。
その頃にはちょうど結婚もしたので、「このままのワークスタイルを続けていいのかな?」と考えていて。そこで、思い切って富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)に転職したんですよね。
秘書職採用だったんですが、ワークライフバランスをメインに選んだ職場だったので、1社目のときに感じていたがむしゃらさみたいなものは良くも悪くも減って。
たしかに働き方は安定したんですけれど、「誰かの何かを変えていく」っていう、私のモチベーションにつながる能動的な面白さが感じられなくて。徐々に、このままでいいのかなって疑問を感じ始めました。
カナダ留学で見つけた、「自分らしく生きる」ための羅針盤
── そうした疑問を抱えながら過ごすことで、自分自身と向き合う時間が増えたのかもしれませんね。そんななかで、次なる道として選択したのはカナダへの留学だったとのことですが……。
一度日常から離れて、自分と向き合う時間が必要だと思ったんですよね。
英語力に自信がなかったのもあって、「語学留学しよう!」と決めました。もちろん、周りからは「今さら留学?」「英語できないのに大丈夫?」って反対されましたけど(笑)。
決心したころは離婚したタイミングでもあったので、そろそろ誰かの常識によって作られたあるべき姿ばかりにとらわれるのではなく、「挑戦してみたい」って想いに素直になりたいなって思うようにもなっていたんです。
周りがなんといおうと、自分の人生は自分で決めたいなって。
── カナダへの留学を通して、自分自身の変化も感じられましたか?
それはもう、めちゃくちゃ感じましたね!
カナダに行く前の私って、どちらかというと受け身な性格だったんです。でも、言葉が通じない環境に放り込まれて、「やるしかない」って覚悟を決めたら、自然と積極的に動けるようになっていった。
日本にいたころの自分からは想像できない変化でした。
それと、ジェンダーに対する意識の違いにも気づかされましたね。
ドイツ人の女の子とルームシェアをして住んでいたんですが、あるとき「日本では家事は女性の仕事なの?どうして?」って聞かれたんです。カナダでは家事を男女で分担するのが当たり前らしくて。
私は、その質問に対して答えられなかった。自分でも無意識のうちに、女性は家事をするものだって思い込んでいたことに気づかされた瞬間でした。
── そうした経験の積み重ねが、sayakoさんの価値観を大きく変えたのかもしれませんね。帰国後、どんな変化を感じましたか?
一番大きかったのは、「自分の人生は自分で選ぶんだ」っていう意識が芽生えたこと。カナダでの生活を通して、あるべき姿にとらわれて生きるのはやめようって思えるようになったんです。
どうやら人生の生き方には、さまざまな形があるらしい。だったら私は、自分自身の内なる声に素直に従おうって思えるようになりました。
「人と向き合う力」を生かして創る、Kyunの採用スタイル
── Kyunとの出会いはどういった経緯で生まれたものだったのでしょう?
YOUTRUSTでteru(Kyun代表・奥本照之)さんからスカウトをもらったのが始まりでした。
自己肯定感を高めるとか、ウェルビーイングとか、2022年当時からそういったキーワードを起点に事業を創っていたのがKyunなんですが、すごく気になるなあと思って。
さらに対面の面談でteruさんと話すなかで、自分らしい生き方や働き方を選べるような後押しをしていきたいなと感じるようになって、その想いのまま参画することになりました。
当時から、Kyunのメンバーは一人ひとりが本当に自由に、自分らしく働いているんですよね。多様性が当たり前に受け入れられていて、みんなの個性が尊重されている。そういう風土もいいなと思いました。
── Kyunでは、どんな業務に携わっているのでしょうか?
中途採用をメインとした採用フローの基盤作りを担っています。求人ページの作成にはじまり、求職者に向けたスカウトの送付や面談などを通して、Kyunの魅力を候補者の方々に伝える仕事です。
本業でも副業でも、働くうえで大切にしているのは、一人ひとりの想いを汲み取ること。
面接では、その方のバックグラウンドを丁寧にヒアリングして、どんなふうに活躍していただけるかを一緒に考えるようにしています。
実は、そのヒントになっているのが、留学時代の経験だったりするんですよね。
というのも、カナダでは現地の学校と留学生をマッチングする留学エージェントの仕事をしていたんです。ヒアリングをしたり、誰かの意思決定の手助けをするような、人間と向き合う仕事の面白さをそこで感じていた。
肩書きは「人事」とか「採用」とかいわれますが、会社と候補者という枠組みを超えて、一人の人間として向き合う。
そこから信頼関係を築いていくことに対して、このうえなく大きな喜びを覚えているんですよね。
── sayakoさんがいてくれるからこそ、Kyunの採用はすごくいい形でワークしているように感じます。今後、Kyunの採用領域で挑戦したいことはありますか?
もちろんです。だって、まだまだ改善の余地だらけなので……!
特に今後、しっかりと取り組んでいきたいなと思っているのは、「コミュニティ型採用」という新しい形の実現。いわゆる一般的な採用って、どうしても会社と候補者で上下関係になりがちじゃないですか。でもそれって、お互いを深く理解するには適していないと思うんです。
だから、Kyunに興味を持ってくれた方々と、入社前から継続的に関わっていく採用スタイルを作りたいなって。
例えば、オンラインサロンやコミュニティを開設して、候補者の方々にKyunの社員と気軽に交流してもらう。社員のリアルな声を届けることで、Kyunで働くイメージを膨らませてもらえたらなって。
他にも、イベントを企画して、もっとカジュアルな場でコミュニケーションを取れるようにする。
そうすることで、Kyunのカルチャーを深く知ってもらったうえで、採用に繋げられたらなと思っています。
心の声を聞きながら、選んだ道を正解にする
── 本業も副業もあるなかだと、あっという間に日々が過ぎ去ってしまいそうなものですが、sayakoさんはプライベートの時間も大切にされている印象を受けています。
自分らしく生きるためには、仕事もプライベートも両方を大切にしたいんです。
だから今は、ヨガやセミパーソナルトレーニングなど、自分の興味のあることにどんどん挑戦しています。
仕事で頑張った分、プライベートでも思い切り楽しむ。そんなメリハリのある生活を心がけていますね。仕事とプライベート、両方を充実させることで、自分らしい人生を歩んでいけたらいいなって。
── 人生を模索した経験があるからこそ、しっかり納得感をもって人生の舵を取られているのですね。最後に、これから目指したい未来の姿についても聞かせてください。
基本的には今後も変わらない生き方だと思いますが、ひとつ夢としてあるのは場所にとらわれない働き方をしてみたいなって思っています。
国内でも海外でもいいんですが、その時々で「行きたい」と思ったところに旅をして、現地で働きながら暮らすっていいいな〜と。
今はたまたま人事という役割で働いていますが、「自分の存在が他者に対して何かしらの影響を与えている」という状態に喜びを感じるのが私の特性だと思っているので、仕事内容にはある意味こだわりがないんですよね。
なので、もしかしたら人事という役割は外すかもしれないし、これからも大切に持っているかもしれない。
どんな形でも、選んだ道を正解にする覚悟で、楽しく生きていきたいですね。
── すごく「Kyunらしい」生き方を体現されていらっしゃいますね。さまざまな経験を経たsayakoさんが思う、自分らしい人生を創るうえで大切なことってなんでしょう?
自分の人生のオーナーシップを、誰かに委ねることなく自分で持つことだと思います。
世の中の常識に振り回されるんじゃなくて、自分の価値観に正直に生きる。そのためには、時に勇気も必要です。
でも、その一歩を踏み出せたとき、きっと新しい世界が広がるはずだから。そして、そのチャレンジを後押ししてくれる環境もまた、自分自身で探し出すことが必要なのかなって思います。