失恋の海の底で

たぶんわたしは、失恋をしたことがなかった
これが失恋なのだとはじめて知ったから

心が通った人との最後は突然やってきた
ありがとう、も言えなかった
強がったまま、本音を伝えないまま、突然最後がやってきた

胸の奥がぎゅっと締め付けられた
ひとりの時間が怖くなった
でも。ひとりになりたかった

人の本音が怖くなって
わたしが“私”でいられなくなった

本を沢山読んで　
友達にたくさん会った

ご飯はちゃんと喉を通るようになった


答えを探すように毎日何かを求めてどこかに向かおうとしている

自分の悪いところを知っている
良いところなんてもうひとつもないかもしれない

だから
わたし、変わりたい

失恋の海の底から
水面に出たい