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どうしてあのパスをシュートに持っていかなかったのか

夢見る?

皆さんは夢を見るだろうか。
私はよく夢を見る。
どんな夢か。

想定していた最悪の状況の夢。
今でも忘れらないあの瞬間の夢。

今日は高校まで本気でやっていた部活の話。

中学バスケ🏀

中学校ではバスケ部長(キャプテン)で背番号は「4」、輝かしいように思われるが、苦労の連続だった。
小学校6年生時にすでに160cmあった私のポジションは「センター」(スラムダンクでは赤城)だった。ゴール下のせめぎ合いを一生懸命に繰り返した。しかし、身長の伸びは止まり、その後「フォワード」(スラムダンクでは流川)となりミドルシュートとカットインを繰り返し練習した。3年生時には優れた後輩たちにポジションを譲りつつ、有能なセンターをコントロールするべく「ガード」(スラムダンクでは宮城)になった。
負けるはずのなかった地区予選で敗退し、早々と引退が決まった。

荒れに荒れ果てた中学校では、バスケのパフォーマンスに優れたメンバーたちの部活の参加率も下がり、地区予選時に最高のメンバーで出場することが叶わなかったのだ。

あれほど嗚咽しながら泣いたのはあの日だけだった。悔しかったのだ。負けることは想定していなかったのだ。3年間の成果が何一つ発揮できずに終わったのだ。力のなさを感じたのだ。

「県大会に連れていけなくてごめんね。」
後輩たちは、少なくとも最後まで面倒を見てくれた私に何とかしてよい思いをさせて引退させたいと考えていたようだった。それがひしひしと伝わってきたから余計に泣いた。

高校バスケ🏀

高校は県内屈指の強豪校。
毎年、県大会でベスト4に入っていた。

中学時にキャプテンをしていた私は事前に声をかけていただき、入学する前の春休みから練習に参加させてもらっていた。
「通用するぞ。」
そう感じた。同期のメンバーの動きを見ても、自分が上。揺るぎない自信があった。

言い訳を考え始めるあのときまでは。

基礎基本というのは本当に大切で、中学でも高校でも各自、基礎基本がどれだけ身に付いているかによって伸びしろは変わる。本当に変わる。最終的に大きく伸びるのは基礎基本がしっかり身に付いている人なのだ。

私はというと、小学校時代の積み重ねが少なく、中学校時代の試合経験だけがストロングポイントで基礎基本が身に付いているとは言い難かった。ポジションを次々と変えざるを得なかった私にはむしろストロングポイントはなかったと言える。

よく言えばオールラウンダー、悪く言えばどれも中途半端なプレーヤーが出来上がっていたのだ。

次々と仲間たちに実力で追い抜かれていくことを、自分の実力不足のせいにせず、腰が痛いだの、なんだのと言い訳を鎧にして、逃げ道をつくっていた高校時代後半の私。

「かっこ悪い」、「恥ずかしい」といった気持ちが優先されていたのだろう。一体全体、誰のためにバスケをやっていたのだろう。自分のために続けていたバスケはいつのまにか、人目を気にするダサいバスケになっていたのだ。

それでも、コツコツと続けていたことはあったようで、負けず嫌いという性格は「生まれ始めた弱い精神」すら凌駕したようで、「粘り強いディフェンス」と「スリーポイントシュート」だけはチームでもトップレベルまで引き上げた。

どれだけスリーポイントシュートが入るかというと・・・
速攻で一人抜け出した時に、ドライブイン(レイアップ)でゴール下シュートに持ち込まずにスリーポイントラインで止まり、スリーポイントを放って叱られないレベルである。リバウンダーの準備が整っていなくてもである。

ノーマーク状況であれば8割くらいは入っていたのだろうか。

私の高校バスケ生活、公式戦に出場したのは地区予選の準決勝が最後だった。中学時代から顔だけは売れていたのだろう。○○中の元「4」番。それだけで相手チームは警戒する。余計な警戒だった。

チームの仲間は「くにぱうにスリーポイントを打たせたい。」そう考えてくれた。そういう共通理解は何かとプレー中に生まれるもので、その気持ちも伝わってくる。

私は珍しいと言われるが、角度のないいわゆる「0度」からのシュートが得意だった。そこが空いたので走りこむ。仲間がワンフェイクを入れて私にパスをくれた。

ナイスパスとは言えない足元近くに伸びてくる低く強めのパスだった。
キャッチと同時に相手チームのディフェンスも全力で向かってきた。
スリーが得意と知っているから。

後悔

打たなかった。
パスを戻したのだ。
打てなかったわけではない。
打たなかったのだ。

なぜかは分からない。
無理をしなかったのだ。
外す怖さに負けたのだ。
無難にプレーしたのだ。

絶好のポジション、最高の場面、得意のスリーポイント、それを放棄したのだ。

ちっぽけなプライドだけが表舞台で暴れまわった私の高校バスケ。
大きな後悔しか残っていない。

「誰のために練習しているのか。」
「あなたが思うほど誰もあなたのことなんて見ていない。」
あの頃に戻れるのなら、そう自分に言い聞かせたいと思う。
チャンスを自分の手で放棄した自分自身に。

今もよく見る夢

私は良く夢を見る。
あのパスの夢。
スリーポイントを打つためにパスを受けたあの瞬間の夢だ。

大会の結果

ところで、チームは県大会3位になり、私にとっても清々しい引退となった。


明日は花をよく見るようになったツッシーです🌼*・写真も撮ってね👀


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