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浦島太郎を深掘りしてみたら、教訓が深かった。

こどもに読み聞かせる、昔話。
よくよく知ってる、ありきたりなお話〜と、思いきや。

読み聞かせをしていると
「ああ、これは大人への教訓だ・・・」と身につまされることがよくあります。侮るなかれ。

今日は浦島太郎のお話からの教訓を書いてみたいと思います。

あらすじはこうですね。

心やさしい漁師の浦島太郎は、子どもにいじめられていた亀を助け、そのお礼として亀に竜宮城へ招待されます。
竜宮城では美しい乙姫に迎えられ、楽しい時を過ごします。数日過ごしたのち、地上に戻ることを決意します。その時、乙姫から「決して開けてはならない」と玉手箱を渡されます。
ところが、故郷に戻るとすでに数百年が経過しており、知っている人々は誰もいません。困惑した浦島太郎が玉手箱を開けると、たちまち老人となり、物語は終わります。

このお話、子どもの時から不思議に思っていました。

「親切したのに不幸になる話なの?」

そして、親になった今、子どもたちからも同じ疑問が飛んできます。
どうやって説明しよう。どういう意図なのー!教えて作者さん!

解説がある本では、「楽しい時は一瞬だから油断しないようにしましょう」という補足が添えられていたりしましたが、うーん。
なんかそれだけではモヤモヤ。

皆さんは、浦島太郎の結末、どう解釈していますか?


私は最近ついに納得がいく解釈にであって、それで自分自身のことをよく見つめる学びにもなったので、今日はそれを書きたいと思います。

解釈


モヤモヤを解く鍵は、浦島太郎が「漁師」だったことです。

「漁師」は、海の生き物を殺す仕事です。数えきれないほどの魚を捕まえてきたはず。
その漁師の浦島太郎。
竜宮城に招待されて、タイやヒラメの舞を見て喜んでいましたよね。

あれれ?

確かに浦島太郎はいじめっ子を許さない心やさしい青年だったのだと思います。漁師が悪い仕事とかではありません。

でも・・・・

海の生き物たちや、その生き物(亀とか)を大切に思う乙姫様から見たら、浦島太郎って鬼や悪魔みたいな、そんな存在だったのでは・・・と思えてきます。人間から見た人喰い鬼みたいなもの・・・ですよね、多分。

そんな浦島太郎が、亀を一匹助けて「いいことしたなあ〜」とニコニコしている。
亀が「御礼をさせて欲しい」と言えば、「いや〜、やっぱり良いことはするもんだなあ」と、無邪気について行く。

これは・・・、
乙姫様は最初から復讐、もしくは、海の生き物を守るため、危険人物である浦島太郎を海底に閉じ込めるつもりだったのでは・・・
亀1匹助けて浮かれている時が「誘い込むチャンス!」だったのでは・・・と思えてきます。

というわけで、浦島太郎が家族にも会えずお爺さんになってしまう悲しい結末は、これまで漁師である浦島太郎に捕まえられてきた数々の魚からの復讐の物語だと思えば、筋が通っています。
納得。

浦島太郎の教訓とは


これ、納得した時「怖いなあ」って思ったんです。

私、自分がした、「いいこと」だけ覚えてないかな?

ということです。

私も毎日のようにお魚をいただいています。お肉もです。
私が食べるお米を作るのに、たくさんの虫や生き物が殺されていると思います。
私が食べて生きていくために、どれだけの犠牲があるか、言いはじめればキリがないです。環境問題も含めればそれはもう。

もちろんそうでないと生きていけないのですが。
「犠牲の上で生きている」ことを、あまりにも忘れがちです。

私が、たとえば道端でヒヨコを助けてあげて、そのヒヨコから「恩返しがしたいから素敵な場所に行きましょう」って言われたら、「いいことしたなあ〜」って喜ぶと思う。

だけど、本当は。

ヒヨコに感謝された日には、「とんでもない!申し訳なくて恥ずかしくて顔も向けられない!」と尻尾を巻いて逃げるのが真っ当な反応ってもんです。
だって、仲間の鶏さんたちの命を奪って生きてるんですよ?人間と人喰い鬼で考えてみたらそうじゃないですか。

そう考えたら竜宮城にニコニコついて行った浦島太郎は、自覚が足りなかったと言えるかもしれないです。

ヒヨコの話は実際には起きないけれど。
身近な話だっていくらでもあるように思います。

たくさんの人にお世話になってきたことを忘れて、自分が誰か1人にした親切をよく覚えていたり。
パートナーにしてもらったことを忘れて、してあげたことで頭がいっぱいだったり。

親にひどいことを言ったのも
嘘をついたのも
約束を破ったのも

なぜか、忘れてしまいます。
覚えていることも中にはあるでしょうけれど、多分その何倍も、思ったり言ったりしたことがあるはず。

そして、ほとんどは、忘れていることも忘れて「やってない」と思ってます。

殺されるって言うことは、生き物にとって最大の悲劇のはずです。その上で、毎日お肉やお魚を当然のように食べて罪の意識もないのが自分です。
と、いうことは、他にどれだけの無自覚のひどいことをしていて、しかも忘れている、と知らなくてはいけないのかなあ、と思います。

それは決して暗くなることでも、ネガティブ思考でもなければ
自分を責めるという意味でもありません。

逆境も他人のせいにせず、謙虚に、慎ましく、親切に生きるために大切な自覚だと感じます。そういう人の方がかえって強いと思います。

まとめ

さて、浦島太郎・・・。

重めの教訓でした笑
でも、学びが深いなあ、と思います。

タイやヒラメの舞を見せるあたり、乙姫様はもしかしたら浦島太郎の反省を期待していたのかもしれません。
漁師である限り魚を捕らなくては生きていけないのは乙姫様もわかっていて、「だけど少しでも自覚してくれたら・・・」と思ったのかも。
なんて色々考えてしまいます。

でも結局、小1の長男にこの教訓は重すぎる(笑)
ので、今のところ当たり障りない感じで「亀さん助けたから、竜宮城楽しくてよかったね〜」で終わらせてます。笑
もう少し大きくなったら、
「どう思う?」と聞きながら議論してみたいなと思う作品です。


学び多いお話は他にもあるので、これからもポツポツ書いていきたいな〜と思います。

ここまで読んでくださってありがとうございました!
よかったら感想などコメントいただけたら嬉しいです。

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