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なぜ東京にいるのか

明けましておめでとうございます、たつやです

年末年始、皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。

僕は田舎に帰って、ぐうたら三昧の自堕落な生活を送っておりました。

写真を撮ったり、大学の勉強をちょっとやってみたりはしたものの、やっぱり実家の安心感はすごいですね。

そんな生活の中で、amazon primeの「東京男子図鑑」を一気見してしまいました。

(以下ネタバレ注意)


大学進学を機に上京してきた主人公が、大学時代の失恋を機に世の女性を見返すために総合商社に入社し、それによってゲットした金と名声で遊びまくるんだけど、見下していた同期に出世レースで負けたり、起業したり外資系企業に入社したりしていた同年代に年収で負けちゃったりして結局商社では満足できず高校同期が社長を務めるベンチャー企業に転職するんだけど、結局そこでも会社が成長するにつれてその同期とソリが合わなくなり喧嘩別れ、転職先も見つからないまま起業することになる。そして、ラストシーンでは

なぜ東京を目指すんですか?なぜ来ないんですか?どうして東京にしがみついてるんですか?なんで出ていったんですか?

って視聴者に投げかける…

超雑に要約したらこんな感じのストーリーです。

結局、自分で立ち上げた会社がうまく行ってるっていう終わり方なので、ハッピーエンドっぽく見えなくもないけど、やっぱりこの主人公は路頭に迷ってる感が否めないんですよね。彼曰く、「軽い気持ちで」なんとなく東京に惹かれている。

ドラマを見た方ならわかると思うんですけど、彼には転機となりうるタイミングはいくつかあって、それでもことごとくそのタイミングを逃し続けるんです。

自分の軸なんて何も持たないまま、流れにませて生きていってる感じが自分にも当てはまるんじゃないかってちょっと考えさせられました。そんな中でも、商社時代の上司の

「自分にしかできない仕事なんか無い」

って言葉は、なんかすごく自分に言われてるみたいですごく胸が痛かったです。

自分は今下北沢のマクドナルドでこんな駄文を吐き出してるわけですが、窓の外を見るとこの上司の言う通りなのかもしれないなって、悔しいけど思い知らされるんですよね。

古着とか、サブカルとかで有名なこの街で、みんなオンリーワンの何かを成し遂げたくて尖ってるんですよ。自覚はないだろうけど。

ちょっと変な格好をしてみたり、髪色を派手にしてみたり、バカみたいに酒を飲んでみたり、フィルムカメラで写真を撮って「エモさ」を表現してみたり。

みんな尖ろうとして、みんな誰かの二番煎じに甘んじている。そう言う自分も、そんな人たちを上から(物理的にも精神的にも)見て達観した気になっている。

自分も、尖りたくて、何か面白いことがしてみたくて上京してきたので、下北沢って全国からそんな人が集まった田舎者の街なのかなーとかって、勝手に考えたりしてます。

上京して2年が経って、下北沢以外にも、東京のいろいろな街に行きました。そうして気づいたことは、僕は、尖りたい奴が集まってぎゅうぎゅうになって、人口密度が高すぎて暑苦しいこのまちがそれでも好きだっていうこと。ゆっくりとした時間が流れる田舎に比べて、都会の人たちは見てて面白いんですよね。なんとなく生き急いでるようにも見えるんだけど、それすらも見ていて面白い。


先日、浅田次郎さんの「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」というエッセイを読みました。

その中の「江戸を売る」という文章で、生粋の江戸っ子である浅田氏の父が、東京都外に引っ越しても住民票を都内に残したまま亡くなったっていう記述があって、

「あーそうそうこれこれ。」

って思うんですよ。

これはかなり昔の話ですが、令和の時代であっても、東京人はカッコつけてる。見栄っ張りで、東京に誇りを持ってる。

僕はこの街の中で、どんなふうに尖ろうとしているんだろうか。その答えが、僕が東京にいる理由なのかもしれません。


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