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【PREP書評】なぜ働いていると本が読めなくなるのか【三宅香帆】

読書の世界をもっと楽しみたい、でも何を読めばいいのかわからない――そんなあなたのために、「PREP書評」をご提供します。 

この企画では、私が読んで勉強になった本の概要やポイントをわかりやすく紹介し、皆さんの読書、noteやブログの執筆に役立ててもらうことを目指しています。 

具体的には、PREP手法(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張))を使って、本の魅力を分かりやすくお伝えします。 

今回ご紹介するのは、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』↓です。


Point(主張)

「半身」を保ちながら働き、読書等の「文化」に時間を充てることの重要性

現代社会では、多くの人々が仕事に「全身全霊」で取り組むことを求められており、その結果として読書を楽しむ時間が失われています。


しかし、三宅香帆さんはこの本の中で、「半身」で取り組むことで仕事以外の文化的活動も楽しむ余地を作るべきだと主張しています。


この「半身」という考え方こそが、私たちの人生をより豊かにする鍵です。 

Reason(理由)

仕事に追われて読書や趣味が疎かになる現代の働き方の問題点

著者は、本書で労働と読書の歴史を振り返りながら、日本人の働き方の変遷を解説しています。


特に近年の「仕事がアイデンティティになる社会」では、自己実現の手段としての労働が強調され、読書や趣味といった「ノイズ」と捉えられがちな活動は軽視されがちです。


この結果、多くの人が自分の人生にとって大切な文化的な時間を失ってしまうという問題が生じています。


現代の働き方は、効率を重視するあまり、読書に必要な「余白」を犠牲にしてしまっています。

しかし、仕事と「文化的な時間」の両立は本来、私たちの幸福にとって非常に重要な要素であるはずです。

Example(具体例)

1970年代から1980年代の労働者の読書風景の変遷

この本の中で特に興味深かったのは、1970年代から1980年代の読書風景の変遷です。


1970年代の労働者たちは、司馬遼太郎の昨日を楽しむなど、「教養」を高めることを重視していました。


しかし、1980年代になると、雑誌『Big Tomorrow』が象徴するように、労働者たちは「教養」よりも「コミュニケーション能力」を重視するようになります。


この時代の変化は、進学率の上昇や、労働における「即効性」が求められる風潮に影響されたものとされています。

私の生家の本棚でも、この時代の変化が垣間見られます。

私の父は1970年代には地方でのんびりサラリーマンをしていました。

司馬遼太郎の本も愛読していたようで、本棚には今でも沢山の司馬遼太郎作品が鎮座しています。


しかし、父は景気が良かった1980年代には独立し、「全身全霊」で仕事に取り組むようになりました。

その結果ビジネスに直接役立つ内容を求めるようになったからかのか、『Big Tomorrow』も読むようになったようです。


父の読書スタイルの変遷からも、「半身」で文化を楽しむ余裕が徐々に失われていく様子が伺えます。
 

ちなみに、私は勝手に親の書棚を開けていたので、司馬遼太郎の本もBig Tommorowも小学生の時から愛読していました 笑笑。

Point(再主張)

「半身」で生きることの大切さを見直そう

本書は、仕事に全てを捧げるのではなく、「半身」を残しながら文化的な活動を楽しむことの重要性を説いています。


読書に限らず、趣味や家族との時間など、人生に必要な「文化」は私たちの幸福に欠かせないものです。


仕事に追われる中でも、「半身」でそれらを楽しむことが、結果としてより豊かな人生を築くことになるのかなと思います。 

きゅうさんの本棚:さらに本書に興味をお持ちの方へ

この記事をお読みいただき、さらに『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』に興味をお持ちになった方は、お近くの書店やオンラインストアでおすすめの本を手に取ってみてください。きっと理解が一層深まることでしょう。

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