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【PREP書評】基礎からわかる論文の書き方【小熊英二】
読書の世界をもっと楽しみたい、でも何を読めばいいのかわからない――そんなあなたのために、「PREP書評」をご提供します。
この企画では、私が読んで勉強になった本の概要やポイントをわかりやすく紹介し、皆さんの読書、noteやブログの執筆に役立ててもらうことを目指しています。
具体的には、PREP手法(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張))を使って、本の魅力を分かりやすくお伝えします。
今回ご紹介するのは、小熊英二さんの『基礎からわかる論文の書き方』です。
■Point(主張)
論文=自分が不完全なところから学ぶための最高の対話ツール
論文って聞くと、「専門的で難しそう…」と思う人も多いかもしれません。
しかし、小熊英二さんの『基礎からわかる論文の書き方』によれば、論文は「自分の考えをまとめ、公表し、他人と対話するための、協同作業の一部」なんだそうです。
そしてそれは、「人間が不完全だからこそ進歩できる」という学びの姿勢にもつながっています。
「論文を書くからには、型を押さえつつ、自分なりの問いをしっかりと論証しよう」という意識が芽生えると、自分の考えもぐっと整理されるんですよね。
■Reason(理由)
論文には“型”があるから、学びの効率と説得力が飛躍的に上がる
なぜ論文が対話ツールとして優れているのか。
それは、論文には“型”があり、その“型”を理解することで、より説得力のある文章構成を組み立てられるからです。
小熊さんは、この“型”を理解していないと「なぜ特定の書き方をするのか」がわからず、いわば“論文まがい”のものにしかならないと指摘しています。
この本の第1章「論文とは何か」では、アリストテレスの『弁論術』で挙げられた配列を例に、「どう述べるか」だけではなく、「どういう型式で述べるか」が重要だと強調されています。
論文で必要なのは、
主題が明確であること
必要な根拠を的確に調べられていること
根拠を論理的に使って主題を論証していること
最終的に説得力をもって主題を証明できていること
という点だと、本書で繰り返し述べられています。
この「型」を踏まえることで、読み手にもスムーズに理解してもらいやすくなりますし、自分の頭の中も整理されます。
■Example(具体例)
noteやブログ執筆でも“型”を応用すれば、読者の心をぐっと掴む
たとえば、noteやブログを書く場合でも、次のようなステップを踏むだけで文章の説得力が一気に高まります。
序論(導入):ここで読者の興味を引く話題を提示し、全体の主題を示す。
主題提起:何について、どんな考えや意見を示すのかをはっきり言う。
説得(証拠・論証):自分の経験や調べたデータ、先行研究などを交えつつ、主題を裏付ける。
結び:最終的な結論や学んだことを明確にし、読者に再確認してもらう。
これはまさしく、アリストテレスの『弁論術』をモデルにした配列と同じです。
「どう述べるか」よりも先に、「どの順番で述べるか」を意識すれば、読み手に最後まで読んでもらえる文章が作りやすくなる。
たとえば私も、以前は記事の冒頭から自分の意見を長々と書いてしまい、あまり読まれない(=アクセスが集まらない)ことがありました。
しかし、PREP(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張)――という“型”を意識したら、読者の反応が変わったんですよね。
SNSでのコメントが増えたり、コメントで「読みやすかった」と言われるようになったり。
これは本書にもある「型」の大切さを自分なりに応用した結果だと感じています。
■Point(再主張)
人間は不完全だからこそ、論文を書き、自分をアップデートし続けよう
小熊英二さんは、「人間は不完全だから進歩できる」と語っています。
だからこそ、自分が不完全であることを受け入れたうえで、問いを設定し、調べ、論証し、書き、公表し、そして他の人と対話する。
その一連の流れが論文を書くことの醍醐味であり、人を大きく成長させてくれます。
そして、この“型”を理解していると、どんなに専門的なテーマでも、「どう組み立てるか」を明確にできるんですよね。
それは論文だけでなく、ブログやnote、社内ドキュメントなど、あらゆる文章でも同じ。
「結論を先に言え」は古代からあったと言いますが、これこそが論理的なコミュニケーションの基本形なのだと改めて気づかされます。
きゅうさんの本棚:さらに本書に興味をお持ちの方へ
この記事をお読みいただき、さらに『基礎からわかる論文の書き方』に興味をお持ちになった方は、お近くの書店やオンラインストアでおすすめの本を手に取ってみてください。
きっと理解が一層深まることでしょう。
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