夜更かしは続くよどこまでも〜昭和歌謡は夜ひらく〜
今日、この世で一番眠いのは私。
リモートワークをいいことに始業開始直前まで寝ていたくせに、あまりの辛さに思わず悲劇のヒロインめいた気持ちになってしまう。
腫れあがった瞼。この世界の朝が眩しすぎて、夜を引き摺る今朝の私のような生き物は滅されてしまいそうだ。
仕事をするために立ち上げた貸与PCの顔認証をクリアするために開かない瞼を無理にこじ開けると、鋭い太陽の光が私の目を焼く。
痛い!眩しい!何も見えない!!
映画最終盤のムスカみたいに脳内の私はのたうち回っているのだが、現実の私は大立ち回りをやる元気もない。
息を吸って吐いて、かろうじて目を開けているので精一杯だ。
ここのところ夜更かしが続いている。
それもこれもみな、昭和歌謡が悪いのだ。
きっかけは偶然Youtubeのおススメに出て来たAdoの歌を聞いてしまったことだ。うっかりノリノリになってしまった私はその後立て続けに彼女のパワフルボイスを聞きまくり、もうどうにもこうにも止まらない状態へ。
関連動画をしらみつぶしに視聴するにつれ、何故か徐々に時代をさかのぼり始める。
山口百恵、谷村新司、尾崎紀世彦、松崎しげる、石川さゆり等々を順調に経由し、最終的に夜中2時過ぎに無事、細川たかし「望郷じょんから」にたどり着きました。
昔から古い歌が好きだった。
幼き頃は父の車で流れるテレサテンや渥美二郎「釜山港へ帰れ」などを嗜んでまいりました。(今考えると父も私同様に自分の世代以前の音楽を好んでいたようです)
とはいえ細川たかしに関しては、私のような小娘にはまだ少々早かったようで、彼の歌のおかげで熱されていたアチアチの私のハートが落ち着きを取り戻し、無事眠りにつくことが出来たのだから、たかしに感謝。
あの時、たかしルートではなく北島三郎ルートで「まつり」なんぞ聞いてしまったら取り返しがつかないことになっていたに違いない。
それにしてもAdoの歌にも圧倒されるが昭和歌謡のしみじみと心に染み入ることよ。
深い癒しと慰めを感じる。
夜中のテンションだったこともあってか、いくつかの歌で私は思わず涙を流してしまった。
涙したいくつかの歌をここに残しておきたい。
是非夜中に一人で聞いてほしい。出来れば暗くした部屋で。
昭和歌謡って日本語が美しく、ドラマがあるのがいいですね。
時の流れは美しくも残酷で、価値のあるものとそうでないものを正確に選り分ける。
今なお聞かれ続けている昭和の歌謡は、そういう時の審判をくぐり抜けてきたものたちだからこそこんなにも心に響くのかもしれない。
両者何しろ声がいい。歌詞もしみじみ泣ける。2人の声のバランスが意外なほど良い!
昴ってすごく壮大な曲なのに、置き去りにされる感がない。この歌には人が普遍的に共感できる何かがある気がする。
24時間テレビ等で消費しつくされてしまったせいか、何故かこの歌の価値が不当に軽んじられてしまっている気がするのが残念。
この声の厚み。聴いていてひたすらに気持ちがいい。
この声で愛を囁かれたら少なくとも私は秒で落ちる。お年をめされてからもめちゃくちゃ渋カッコいい!声の厚みと深さは一生健在でした。
映画でも観たっけな?と勘違いしそうになる満足感。
タイトルを「喝采」にしたセンスよ。
愛のメモリーを聞くと何故か毎回きっちり、さっちー(野村沙知代さん)を思い出す。
学歴詐称、脱税、「みっちーサッチー騒動」などで世間を騒がせたヒール。
悪妻などとも言われていたように記憶している。
お若い方はみっちーサッチー騒動などご存じないだろうから、興味があれば是非調べてみてほしい。知ったところでなにかに役立つ機会はないと断言しておくが。
外でどんだけ嫌われても、一生涯夫に深く愛されたさっちーの生きざまが、歌詞「この世に大切なのは愛し合うことだけとあなたは教えてくれる」とリンクするからだろうか。
実際のところ、この歌詞は真実であるように思う。夫婦や親子間だけに当てはまるのではなく、友人や兄弟姉妹、恋人同士など、様々な関係性も同様に、
「この世に大切なのは、愛し合うことだけ」
究極的にはこれが私達の世界の真実な気がする。
「クラクラ」部分の手の動きと声が好きすぎて。これはもう歌(演歌)というよりオペラ?
不倫の歌(奥さんのいる男性を好きになった女の歌)だと思っていたがよくよく歌詞を読んでみると、どうも寝取られた妻の側の歌みたいなんですよね。
そう思って聞くとまた情念の深さをより感じられる気がする。ラストのさゆりさんの目、狂気をはらんでいてゾクゾクする。
ちょっと私にはまだ早かったたかし様
行きつくところ(たかし)まで行ったせいか、昨夜は少し現代寄りに戻ってきた。
King Gnu、B'z、サザンなど平成近辺を楽しみ、ウルトラソウルの掛け声とともに眠りについた。
いやぁ、歌って本当にいいものですね。
さよなら、さよなら。さよなら…の前に。
最後にこちら、下手な恋愛映画より100倍胸キュンさせられる動画となります。心してご査収ください。
43秒付近で井口さんが歌いながら眼鏡外すシーン。
私はこれ以上に色っぽいシーンを映画でも漫画でも観たことがないぞ…
もう二人、付き合ってくれよ!