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ファンと作家の関係性

先週、竹宮惠子さんの「少年の名はジルベール」と萩尾望都さんの「一度きりの大泉の話」を読みました。

いわゆる少女漫画版トキワ荘である「大泉サロン」をめぐるエッセイで、サクセスストーリーかと思いきや、心が抉られるような辛い話が後半に待っていていまだに余韻が収まりません。

結末はとても悲しいものでしたが、お二人とも画力だけはなく人(ニン)が出るような文才もあることに感動しました。

また、言及されていた影響を受けたり印象に残った映画や文学作品群はメモして読んでいこうと思っています。自分が影響を受けている作品を作った人が影響を受けたものだから、きっと私も影響を受けることでしょう。

ところで、本の中に増山法恵さんというお二人に何らかの影響を及ぼした方がよく登場してくるのですが、その方がファンレターを読んで、気になる方を実際に大泉サロンに招待しており、作家も直接ファンに会っていたというような記載がありました。

私は勝手にファンと表現者の間には超えてはいけない壁がある、ファンは「がんばれ」とか「面白かった」ということだけ伝えて励まして表現者の起爆剤になればいいとだけ思っていたので、このことは目から鱗でした。

全ファンレターを交通整理をして、作家に有益と思える方を選んで呼んで話を聞いていた増山さん、すごいなと感じました。

返事をもらったり、会った人はますます作品のことを真剣に考えてくれるようになるでしょうし、作家にも有益になっていたとしたら、そういう交流はあったっていいんだな、とエピソードを読みながら凝り固まった考えが変わっていくのを感じました。

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ほたるいかモドキチスト
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