二十四節気の養生法【2024 雨水】
空から降ってくるものが水に変わるころが「雨水」です。
暦便覧には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」とあります。
京都は雨模様ですが、今日は気温も18℃ぐらいになり4月後半の暖かさになるそうです。しかし今週後半はまた寒さが戻るとか!?
まだまだ太陽の南中高度が低いので「春」とは言え一気には暖かくなりませんね。北からの寒気が降りて来て真冬に戻ったり、南から暖気が入って来てポカポカ陽気になったりを繰り返し、少しずつお陽様の南中高度も高くなり陽射しも強くなって春の気が進んで行きます。
今月の癒しの庭園 「祇王寺」
今月は祇王寺をご案内します。もちろん何度も嵐山や嵯峨には来たことがありますが祇王寺は私も初めて拝観させていただきました。
場所は奥嵯峨で、近くには二尊院や落柿舎などがありますが、嵐山からは少し離れた小倉百人一首で有名な小倉山の麓で五山の送り火の鳥居形のすぐ近くにあります。そのせいか、渡月橋あたりの喧騒はウソのようにひっそりと静かに佇んでおり、冬の朝日に照らされ苔が瑞々しく輝いていました。
寺伝によると祇王寺は平安時代に、法然上人の門弟、良鎮(りょうちん)によって創建された往生院というお寺の境内だったそうで当時はかなり広い寺域だったそうですが、後年は荒廃し小さな尼寺として残っていたものがやがて祇王寺とよばれるようになったそうです。
「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢の如し」
と美しい書き出しで知られる平家物語ですが、さらに読み進むと祇王のことが出てきます。この祇王寺は平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が清盛の心変わりで都を追われ母と妹とともに出家して仏門に入ったお寺なのです。
苔生した藁ぶき屋根の門をくぐると、あまり広くありませんが一面に苔の緑が広がり、目に優しくフカフカの絨毯のように美しいです。
鳥のさえずりだけがあたりに響き、心静かに安らぎを感じます。
スギゴケやヒノキゴケ、アラハシラガゴケ、オオシッポゴケ、コツボゴケなど聞いたことの無いような名前の苔が庭一面に生えています。
濃淡があったり、フカフカな苔があったりひと口に苔と言ってもいろんな種類があって、花のような華やかさはありませんが、それぞれが自分を主張していろんな模様を作り出していて面白いですね。ところどころに生えてるシダの葉が朝風に揺れて露を落しています。
お庭には背の高い樹もたくさんありますが、見たところほとんどがモミジのようで、これは新緑が映える青紅葉や深紅の紅葉に包まれる晩秋には今の季節とは違った美しさを見せてくれるでしょうね。どちらの季節にもまた是非来たいです。
竹垣の向こうには青々とした竹林が広がります。こちらももっと季節が進む新緑の頃には青さが増してさらに美しい景色になるでしょうね。
まだモミジの樹は新芽も出ていないこの季節ですが、小さな藪椿が綺麗に咲いています。万両の可憐な赤い実も今の季節ならではの色どりでとても和みます。
お庭を巡ると本堂とも言える藁ぶき屋根の小さな草庵があります。仏様なので撮影は出来ませんが草庵の仏間には、ご本尊の大日如来のほかに祇王、祇女、母の刀自、仏御前と平清盛の木像が安置されています。作者は不詳ですが祇王、祇女の像などはその時代の特徴的な手法の水晶の目がはめられていて鎌倉時代の特徴をよく表しているそうです。
草庵の控えの間にある大きな丸窓を吉野窓と言い、境内の緑葉を通って差し込む陽差しが障子に色とりどりの色彩を映し出すことから「虹の窓」と呼ばれているそうです。
草庵の縁側に腰を掛けて緑一面の苔庭を眺めながら、鳥のさえずり声と小さな竹筒から流れ落ちる水音を聞いていると本当に心が癒されます。
浮き世のことは「おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢の如し…」なんですねぇ。冬の冷たい空気、キラキラ輝く朝陽の光、鳥のさえずる声、お庭一面の美しい緑の苔…ここに佇んで自然に触れていると日常のストレスから解放されます。きっと祇王たちも浮世から離れてここでそのような清々しい心で過ごすことが出来たんでしょうね。
平安時代末期、平清盛の寵愛を受け安穏に暮らしていたた白拍子(男装の舞妓)の祇王とその妹妓女ですが、ある時仏御前という(当時売り出し中のイケイケの)白拍子が清盛の屋敷に来て(世間で人気絶頂の自分の)舞をお目に掛けたいと申し出たそうです。清盛は門前払いにしようとしたそうですが祇王が優しくとりなして謡わせたところ清盛はたちまち仏御前の歌声と舞、その若さと美しさにすっかりメロメロになり仏御膳に心を移して祇王と妓女は屋敷を追い出されることになりました。
祇王と妓女、そして母の刀自の三人は世を捨て髪を剃って尼となりこの祇王寺で仏門に入りましたが、ある日草庵を訪ねる者があり出て見ると「いつか我が身にも同じことが起きる」と悟った仏御前が剃髪して尼の姿になって清盛の館を去ってきたそうです。祇王が出家したのは21歳、仏御前はその時17歳だったそうで、その後は四人一緒に草庵に籠って朝夕の香華を備えて、みな往生の本懐を遂げたそうです。いつの世もアイドルの世界の大変さや時の権力者の気まぐれには往生しますね。
祇王寺の公式サイトからお借りした四季折々の景色です。どの季節も美しく見応えがあります。
この奥嵯峨に佇む祇王寺は、街中の喧騒から離れてひっそりして静かで、陽の光や吹き通る風に揺れる竹の葉の音、鳥のさえずり声、静かに流れ落ちる水音、真っ青な苔と青紅葉や深紅の紅葉など、観光客で賑わう嵐山もここまで少し足を延ばせば、一人静かに自然の景色や音だけに浸れます。
「京都大原三千院、恋に疲れた女が一人…♪」というフレーズが有名なデュークエイセスの「女ひとり」という歌がありますが、この曲の三番目は「京都嵐山大覚寺…♪」という歌詞になり、この祇王寺も大覚寺の塔頭として、まさに疲れた女性の一人旅にもピッタリのお寺です。日々のストレスに疲れた心を癒されにぜひ祇王寺まで足を延ばしてゆっくり過ごして見てください。
雨水の養生法
前回もお話ししましたが春の主気は「風」ですね。天地の気が流動すると風が生まれ、春の風で陽気が生まれ発散して、この柔らかな風が万物を温め、すべてのものが生まれ育まれます。
風は疏散という性質があり、「其疾如風」(そのはやきこと風のごとし)と言うように動きが素早く、軽ろやかで、方々に散り散り、散じやすく、より遠くまで運ぶ(飛んでいく)などの特徴があります。
しかしこの風が正常さを失うと六淫(風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の6種の邪気)となり、風邪(ふうじゃ)によってさまざまな災害や症状を引き起こします。風邪(ふうじゃ)がカラダを侵襲すると「邪風が至ると、病が風雨のように突然現れる」と言われ、寒・熱・暑・湿・燥邪のどの邪気とも簡単に結びつきやすく、突然にあらゆる病気を招くので「風は百病の長」と言われるのです。ですから春を健やかに過ごすためには、陽気を養い風邪(ふうじゃ)から身を守る「養陽防風」の養生法が大切になります。
二つ目の風邪「内風」
中医学では、風邪(ふうじゃ)を外風と内風に分けます。
外の風気によって運ばれてくるウィルスや花粉などの風邪(ふうじゃ)が外風でした。腠理が緩んで外風の邪気が体内に侵入するとさまざまな症状が起こるのでした。
今回は、自分の体内で引きおこる内風と呼ばれる風邪(ふうじゃ)について一緒に学びましょう。
内生五邪って何?
自然界の気候の変化による季節の主気を風・寒・暑・湿・燥・火の六気と呼びますが六気自体はそれぞれの季節に普通にある気なので人体に悪影響は及ぼしませんが、この気の度合いが正常範囲を超えた時に邪気となって人体や環境などに悪影響を及ぼすことになる。それを外風と呼ぶと学びました。
そして私たちのカラダの中にある気・血・津液と呼ばれる生命エネルギーや五臓六腑の機能が失調したりカラダの陰陽のバランスが乱れたりして起こる外感六淫に似た邪気が内生されたとみなし内風・内寒・内湿・内燥・内火の五種類がありこれを内生五邪と呼びます。
内風とは…?
内風は、体内の陽気が旺盛になり過ぎて起こる症状の原因となるもので、カラダの状態(体質)としては「陽盛」(陰は普通だが陽が異常に旺盛になる)や「陰虚」(陽は普通だが陰が不足するため相対的に陽が旺盛になる)と呼ばれる状態(体質)となることで内風となり、ふわふわ揺れたり眩暈や痙攣など外風と同じような症状が引き起こされます。
内風による症状は風気内動と言いますが、これらの症状は五臓の「肝」と密接に関係するため肝風内動や肝風などと呼ばれます。2300年前に出来たとされる黄帝内経 素問 至真要大論には「さまざまな風による不動感や眩暈はすべて肝が原因である」と書かれています。
カラダの中で発生する内風は、体内の陽気が変動して生じる症状で、陽気が変動する原因によって肝陽化風、熱極生風、陰虚風動、血虚生風、血燥生風などに分けられます。
肝陽化風
肝はストレスや怒りといった感情に弱く、そういった感情が過度になったり長く持ち続けていると徐々に陰陽のバランスが乱れていき、肝気鬱結となり気の巡りが滞ってきます。ストレス過剰やイライラしたり怒ってばかりいると徐々にカラダの中で陽気が旺盛となっていき、その陽気がカラダの上部に上る肝陽上亢という状態になります。
出来ればこうなる前に自分なりの方法で上手くにストレスを解消したり、イライラや怒りの感情をコントロールできれば良いのですが、それが出来ずにいるとますます肝陽亢盛となり肝陽が肝陰を抑えられなくなって肝陽化風が発生し筋肉の痙攣、手足のしびれや震え、めまい、口や目元の歪み、片頭痛などが発症し、さらにひどくなると半身不随や昏倒、言語障害など脳血管障害(脳梗塞やくも膜下出血など)の症状が現れます。
熱極生風
体内で熱邪が旺盛となると津液(身体に必要な水分)が煮詰められて肝血を消耗し肝経脈を焼灼して内風が生じます。ひどくなると熱邪が火邪に変わり燃え盛る炎となってカラダの上部を犯しのぼせ、片頭痛、目赤、眼底出血、口渇、紅舌、口内炎、不眠、言語不明瞭などが起こり、さらにひどくなると高熱で大量に発汗し、突然の全身の硬直、全身痙攣、昏倒、狂乱、意識不明に陥ります。
熱邪が血に入り血熱となると、発疹が出たり脈拍が早くなったり、鼻血、不正出血、歯茎出血、眼底出血、血尿、血便、痔出血などの出血症状が起こります。
陰虚風動
陰虚風動は、これもストレス過多や睡眠不足、夜更かし、深酒、激辛、高カロリー食の過剰摂取などで徐々に体内の陰液が消耗して相対的に陽盛となり内風が生じる状態です。陰液が消耗されると筋膜などに潤いがなくり舌紅少苔、唇がカサカサ、口渇、筋脈拘急、手足や筋肉の痙攣などの症状が現れます。
甲状腺機能亢盛のバセドウ病もストレスや飲食不摂生により、肝気鬱結から肝火偏盛になり肝陰が消耗されて肝陰虚となったり、飲食不摂生から脾胃が失調して血が生成出来なくなり、さらに肝火が陰液と血を消耗して陰血不足から心陰虚となります。
血虚生風
上記のバセドウ氏病の一因と同じ飲食不摂生や湿邪によって気血生化の源と言われる脾胃が失調し血を生成できなくなったり大量の出血や慢性疾患により衛血が不足すると筋脈を営養出来なくなり肝風が生じ、手足やカラダのしびれ、筋肉やまぶたがピクピク動く痙攣、手足の引き攣れ、肌の潤いを失いカサカサ、痒みなどが起こります。
血燥生風
血が減るとそれに伴い津液も減るので潤いを失って燥となり内風を生じます。皮膚を滋養出来ないため肌が乾燥してカサカサ肌になったり、きめ細かさやツヤが無くなり、風のように変化の速い発疹が出たり消えたりアチコチに移ったりする蕁麻疹がでます。アトピー性皮膚炎も乾燥して痒いタイプはこの血燥生風で、痒みがひどく熱や赤味があるタイプは熱極生風タイプの状態と考えられます。
春のもう一つの養生法は「疏肝理気」
それぞれの性格や思考パターン、また生活習慣や生活環境によりさまざまな人がいますが、その程度にもよりますがやはり楽観的で自分の感情を穏やかにコントロール出来、物事をおおらかに捉えることが大切ですね。
もちろん自然界に風・寒・暑・湿・燥・火の六気があるのと同じように、誰でも感情があり泣いたり、笑ったり、怒ったり、不安になったりするのは普通のことです。しかし六気が度を超すと六淫の邪気となるように、感情も度を超すと七情内傷と言って邪気に変わります。怒(肝)・喜(心)・思(脾)・悲憂(肺)・恐驚(腎)の七つの感情は、各五臓と密接なつながりそれぞれの機能にとても影響します。
中でもとりわけ怒(イライラ、ムカムカ)と肝は直結しており、イライラやムカムカといった感情は貴女の肝を傷めています。肝の働きは栄養素の代謝をはじめ自律神経や免疫機能、アルコールや化学物質などの毒素の解毒などを担っています。この働きがストレスやイライラ、ムカムカなどの感情を持ち続けることで低下しさまざまな病証が発症するのです。
内風の原因
いずれ内風もだいたいその原因は、ストレスや過労、イライラや怒りの感情、夜更かし、睡眠不足、不安や怒りの感情、、飲食不摂生、房事過多などにより肝気が疎通されなくなって滞り肝気鬱結(肝鬱気滞)となり、それが長期にわたって改善されないと熱に変わり肝陽上亢となってカラダの上部を犯し、さらにひどくなると火が着き炎となって肝火上炎し、その炎が風を生み肝風内動となります。
特に肝風の原因となるのはストレスや怒りの感情ですが、怒りの感情というと「瞬間湯沸かし器」とも言われるような急に激怒し出す人のイメージですが、特に危ないのは「許せない心」で、いつも「こうなったのはアイツのせいだ」、「自分ばっかり損な役割だ」、「こいつは許せない」など周りに対して沸々とした怒りの感情を持ち続けいつもイライラ、ムカムカして不平や不満を言い続けていることです。
この感情は本当に良くありません!ちょっと腹立つことやイライラすることがあったとしても、肝気鬱結になる手前で手放すこと、許すこと、が大切です。最近はネットなどで誹謗中傷なども良く言われますが、そういったマイナスの反応は必ず自分のカラダや健康に返ってきます。
疏肝理気の養生
春三月…にも書かれているように、春の季節は「夜は早く寝て朝は少し早く起きて、庭などをゆったり散歩する。髪や服はゆったりして、志(目標)に心を向ける。生まれても殺さず、与えても奪わず、罰せずに誉める。これが春の気に応じて臓気を養う道である。これに逆らえば「肝」を傷め、陽気が沈んだままになって夏に冷えの病になる。」とあります。
イライラしたりムカムカしたり急に怒ったりせず、不平や不満を言わず、他の人を妬まず嫉まず、執着を捨て余分なものを手放し、他人の物や時間を奪わず、毎日を出来るだけ穏やかな気持ちで過ごし、自然を愛で、日々感謝して、時間に余裕を持ちセカセカしないでゆったりした気持ちで過ごし、自分の五感を癒してあげる…そして肝を爆発させないこと!それが肝の疏泄を健やかにする疏肝理気の養生です。
疏肝理気におすすめの薬膳「省酸増甘、以養脾気」
早春は冬の間に内奥に潜んでいた体内の陽気が出てくる時です。春の五味は「酸」ですが、酸味は収斂・収縮作用があるので陽気が出にくくなり、また消化にもあまり良くありません。ちょっと辛い物や甘い物はその陽気を出やすくサポートしてくれます。と言っても辛い物を食べ過ぎると陽気が出過ぎて肝陽上亢になり過ぎ、甘い物を摂り過ぎるとかえって脾を傷めるので摂り過ぎには注意しましょう。もちろん甘味と言ってもスィーツのことではなく自然の甘味食材のなつめ、枸杞の実、竜眼、はと麦、蓮の実や菊花、桑の実、松の実、ジャスミンなどですよ。
一般食材では、ほうれん草、セロリ、にんじん、しいたけ、れんこん、えび、いか、ほたて貝、まぐろ、鶏レバー、牛レバー、豚レバー、卵黄、すっぽんなどがおすすめです。
省酸と言って酸味は摂り過ぎないほうが良いと書きましたが、レモンやライムを絞ったりオレンジを剥いたりしたときに飛び散る果汁やあたりに広がる香りはとても爽やかで気の巡りを促進しますね。こういった柑橘系の果物や香菜(シャンツァイ)、三つ葉、シソ、ミント(薄荷)春菊などの香りのある葉野菜も滞った気を巡らせてくれます。
上にのぼった気を降ろしてくれる食材一覧
何事もさじ加減が大切ですが上手に使って気の滞りを発散させ、気が上にのぼってきた時は酸味は少し控えめにして気を降ろしてくれる食べ物で調整しましょう。上にのぼった気を降ろしてくれる性質のある食材はいろいろありますが、その食材にも寒・涼・平・温・熱の性質がそれぞれあります。(熱は上にのぼる性質があるので熱性の食材で降性の食材はほぼないですね)
自分の体質に合わせて陰虚(熱っぽい体質)の人は寒涼性を、陽虚(冷え体質)の人は温性の食材を平性の物と合わせて調整しましょう。
降性の食材ばかり食べ過ぎると、今度は気が降り過ぎてどんどん気が滅入って気鬱になったり、やる気が出なくなったりするのでどんなに良いと言われるものでも食べ過ぎには注意が必要です。「物無美悪、過則為災」
気を降ろす性質の食べ物は、
いちご(寒)、メロン(寒)、スイカ(寒)、グレープフルーツ(寒)、オレンジ(寒)、梨(寒)、アボガド(平)、リンゴ(平)、バナナ(寒)、マンゴー(涼)、枇杷(微涼)、もも(温)、黒くわい(寒)、ナス(寒)、にがうり(寒)、冬瓜(寒)、トマト(微寒)、白菜(涼)、青梗菜(涼)、セロリ(涼)、ほうれん草(涼)、せり(涼)、きゅうり(涼)、緑豆(涼)、さつまいも(平)、里いも(平)、ジャガイモ(平)、こんにゃく(平)、小松菜(平)、あずき(平)、にんじん(微温)、かぼちゃ(温)、なた豆(温)、こんぶ(寒)、のり(寒)、ひじき(寒)、たけのこ(寒)、そば(涼)、アーモンド(平)、とうもろこし(平)、しいたけ(平)、あさり(微寒)、カニ(寒)、馬肉(微寒)、牛乳(平)、緑茶(寒)、烏龍茶(涼)など。
雨水の頃の歳時記
この季節はやはり梅の季節ですね。水戸の梅まつりや太宰府天満宮の梅まつりなど全国各地で梅まつりが開催されますね。京都でも北野天満宮や城南宮で見事な梅まつりが開催されます。
そして3月3日は桃の節句、ひな祭りですね。五節句のひとつですが中国では上巳(じょうし)の節句と言われますが平安時代に日本に伝わり宮中では「上巳の祓い」として女子にふりかかる災厄を紙の人形に移して川に流して祓ったのが始まりだそうです。今では雛壇に綺麗に着飾った雛人形を飾るのが一般的ですが、現在でも日本各地で「流し雛」として川に人形を流す風習が残っているところも多いようですね。
京都でも下鴨神社の「流し雛」が有名な行事で、さんだわらに乗せたひな人形をみたらし川に流し、子供たちの無病息災を祈る神事が行われます。
国立京都博物館では「雛まつりと人形ー古今雛の東西ー」が催され、雛人形の原形となった「古今雛」などが展示されます。
また台湾や中国などでは、この時期元宵節が行われます。春節(旧正月)から数えて15日目の満月の日で日本で言えば小正月(今年は2/24)です。
今ではランタンフェスティバルなどと言われ色とりどりのランタンを飾ったり願い事を書いた大きなランタンが無数に大空に放たれるのは見応えがありますね。この時期は長崎や沖縄(琉球)でもランタンフェスティバルが開催されていますね。ぜひ出掛けてみてはいかがでしょう。
毎日を心穏やかに過ごすには、四季折々の自然を愛でたり、各地に伝わるお祭りや季節の行事に出掛けて子どもや家族と楽しいひと時を過ごすして、ストレスやイライラを解消し「養陽防風、疏肝理気」にもとても効果がありますね。
京都伝統中医学研究所の
"雨水におすすめの薬膳茶&薬膳食材"
1.「滋陰養血」の薬膳茶&食材
陰を補い血を養うオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、なつめ薬膳茶、カラダ潤し茶、健やか茶、増血美肌茶など
薬膳食材では、新彊なつめ、金針菜、竜眼、枸杞の実、松の実、
マイカイ花、桂花、茉莉花など
肝を過剰を調えるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、理気明目茶、気血巡茶、なつめ薬膳茶、なつめ竜眼茶など
薬膳食材では、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、はと麦、蓮の実、菊花、
桑の実、松の実、ジャスミンなど
2.感冒(カゼ)におすすめの薬膳茶&薬膳食材
辛温解表…カラダを温めて邪気を追い出す
薬膳火鍋、手足冰凍改善鍋、からだを温める黒のお茶、なつめと生姜のチャイ、黒薔薇茶、紅花、竜眼、マイカイ花、桂花など
辛涼解表…余分な熱を冷まして邪気を追い出す
理気明目茶、五望茶、菊花、百合など
どちらのカゼにもおすすめなのが、やはりなつめ薬膳茶です。弱った胃腸を調え、気血を補い、疲れたカラダを癒してくれます。
3.漢方入浴剤
ヨモギがたっぷり入ったからだポカポカあたため乃湯もこの養陽防風にオススメ。浴室内にヨモギの香りが充満して芳香浴でも癒されます。
中医学や漢方の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。
次回は、3月5日「啓蟄」です。そろそろ虫や動物が冬眠から目覚める頃。陽の気が旺盛になってきますね。花粉も気になる季節ですのでしっかり養陽防風してお過ごしくださいね♪