山、鹿、山岳信仰、狩猟、鹿踊りのことなら、うちの弟(蜂谷淳平)に詳しく聞いてもらいたい。彼は子供の頃から根っからの野生児(笑)。私とは違う豪快な男です。そんな彼を差し置いて山や獣や神様を語るのもどうかと思いますが、昨日藤原祭りで最年長の鹿として参加してきましたので、感想も含めて少しだけ語らせてね。
行山流舞川鹿子躍
まずは、皆さんに私たちが所属している行山流舞川鹿子躍とはどんな団体なのか知っていただきたいです。
私たちは、歴史ある団体に快く加えさせて頂いています。本当にありがたいことです。そして今回の藤原まつりでは、三人狂の演目をやらせていただきました。ツケ(庄子)、右前鹿子(私)、左前鹿子(専務)。
昨日は、中尊寺金色堂前(私、専務、庄子、山田)と平泉駅前(山田)、毛越寺本堂前(私、専務、庄子)で披露させていただきました。
帰りの車の中で気づいたのですが、今回の踊り手の中で私が最年長でした(笑)。いつも20代、30代の皆さんにかまって頂いていたので、自分の年齢を気にせずいろんなことにチャレンジしていました。
この動画を見ながら、「もっと跳ばないとな。もっと大地を踏みしめないとな。体力作りしよう。」と振り返っています。
鹿踊り関係者の皆さん、次回はもっとレベル上げますので、温かい目で見守ってくださいませ。
シシ神様
シシというのは「山で獲れた獣の肉」という意味で、「鹿踊り」はその命を供養し感謝するためのものといわれていて、今は亡くなった人の供養で主に踊られています。
蝦夷の文化であるカムイの考え方に通じるものがあります。
山岳信仰の中にも生と死の循環「死と再生」の考え方があります。
もののけ姫の中でも、シシ神様が踏みしめた大地から草木が芽吹き、そして枯れていくというシーンがあり、生と死の循環が象徴的に描かれています。
私たちが携わる鹿子躍には、自然への畏敬の念、恵みへの感謝、豊作への願い、鎮魂などが込められています。
鹿躍りは、大地を踏みしめて躍ります。そして、背中についている長いササラを地面に叩きつけます。
土地の邪を払い清め、死と再生の心地よい循環をもたらす。私自身、そんなことを思いながらシシに化ています。
これからも民俗芸能が生まれた文化や風景を伝えていきたいと思っています。