【私小説12】つくし兄弟
そういうふうにして私の小学校生活は始まった。自分の中でどのようにして折り合いをつけ、6年間を過ごしたのかはわからない。行きたくない場所にあれだけ毎日通ったのは後にも先にもあの6年間だけだ。きっと強くなったり弱くなったりを繰り返して何とかやり過ごしてきたのだろう。情けない事に、自分の身をどう守るか、それしか考えられていなかったかもしれない。
もちろん辛い事しかなかったわけではない。楽しかった事の一つとして、つくし兄弟というダサい名前のチームに属していた事を今、思い出した。つくし兄弟というのは富士見台北小学校において、つくし幼稚園時代から付き合いのある仲間で結成されたチームだ。例の総ちゃんや、よく給食が食べきれずに昼休み一緒に残されていた美里ちゃん、他には誰がいたかな。6人くらいの組員で構成されていたと思う。
総ちゃんが小学校の卒業文集に『永遠のつくし兄弟』という作文を載せてくれた。永遠なんてない事を知る良いきっかけとなった。私は卒業文集に、将来は警察官になりたい、などという今となっては心にもない爆弾発言を掲載し、黒歴史の1ページを飾っている。