見出し画像

竹のこと、どれくらい知ったはりますか?

今回は、こだわりがんこ社長が長年考え続けている竹(笹)の生態について
語ります!

私が普段から不思議に疑問に思っている、竹の笹のことについて書きます。
竹(孟宗竹)は、中国から持ち帰ったとされていて、長岡京市にも寂照院に「孟宗竹発祥の地」の碑が建っています。
九州・四国・本州に広がり今では東北南部まで広がり、少しづつ北進しています
これだけ日本全国に広がり どこにでも誰でも目にしたことがある竹ですが、 あまり詳しい文献が無く、分からないことがたくさんあります。
竹の事で調べると、京都大学の故 上田弘一郎教授の名が挙がってきます。
その助手をされた渡辺政俊先生とお話をさせていただいたこともあります。


竹はイネ目イネ科タケ亜科に属する常緑多年生草本植物ですが、木でもなく草でもなく竹は竹だと上田先生が力説されていたと聞いています。
でも、これだけ身近な竹のことを研究される方が非常に少ないのは、60年、70年、120年に1回花が咲いて一斉に枯れることがあるそうですが、研究された方の仮説が実証されるまでに人の寿命が尽きてしまい、検証出来ずじまいということになるからやりたがらないと聞きました。 
ずっと研究してやっと発表してもそれが正しいのか、そうでないのかが
自分の生きている間には確定できない。
イネ科の稲はたくさんの方が研究されているのに…
ただ私は孟宗竹が一斉に枯れる状態を見たことがありません。
ここ2、3年淡竹(はちく)は一斉に枯れましたが…


話を本題の竹の笹に戻しましょう。
先生の著書には、笹は毎年枯れて落ち、新しい笹ができると書いてあります。
私は毎年枯れるということに疑問を持っていて10年位笹を見ています。

新笹

竹の秋


普通、筍の収穫の終わる5月頃に緑色だった笹が黄色く色づいて、そして落ちていきます。
この時期のことは『竹の秋』と云われていて、その後新しい新芽が出てうす水色の笹がついていきます。
不作の年は筍の収穫を始める3月には既にたくさんの笹が枯れて落ち、または枝に枯れた笹ばかりがついているので畑全体が黄色く、あたかも5月の『竹の秋』の様相をしています。
そして筍を掘っていても、パラパラパラパラ笹が落ちてきて、筍のひび割れを隠していきます。
この枯れた笹では光合成は行えていないので栄養も少なく元気がないので筍があまり出ない不作になる一つの要因ではないかと思っています。
ただ不作年の5月後半から6月にはきれいな薄水色、うす緑色の 新葉ばかりとなりますので山全体・畑全体が大変きれいな景色となります。 

新芽

豊作の年


3月の笹は青々とずっしりと重たい位に元気そうに見え、濃い緑色をしています。 収穫が終わる5月中旬になっても一部色が変わってきている笹もありますが、まだ多く笹が技についたままとなっています。
枯れて落ちる笹の数も少なく新芽に変わる笹も少ない様に思います。
新親竹の技は薄い新芽ばかりできれいですが、他の竹は少し色が変わりつつある黄色っぽい斑点がついている様な笹が多いので、不作年の後の6月の様に畑全体がきれいか薄緑色にはなりません。

色が変わっても落ちない笹

私はそこでこんなふうに考えています。


不作年の5月に新しい新芽がつき、山全体畑全体がきれいな色の薄い笹に覆われます。
その新しい笹がしだいに緑色に色を濃くしていきます。
夏が過ぎ、秋冬となり収穫を迎える春となる頃もずっしりと重たそうに笹がいっぱいついています。
ほとんど枯れている笹はなく、しっかりと光合成を行っている様に見えます。
そして収穫となるわけですから豊作であります。
この豊作年の5月にはあまり笹が落ちずにそのまま技についています。
その枝に残った笹は、今年の新笹と違い緑の中に少し黄色っぽい斑点がついた様な状態です。

黄色っぽい斑点の笹のアップ写真

この笹が暑い夏を越え、秋、そして冬になる頃に徐々に黄色く枯れはじめ、土持ちをしたきれいな畑にパラッと落ちていきます。 
筍を掘りはじめる頃になるとパラッパラッどんどん落ちていきます。

元気のない笹の年は不作年です。


そして不作年が終わればきれいな新芽ばかりの笹がついていきます。
以上のことから笹は毎年枯れるのではなく、
2年に一回、厳密に言えば、1年5ヶ月から1年11ヶ月で枯れるのでは、と思っています。
笹に印をつけて観察したところ、19ヶ月で落ちました

この仮説が正しければ、
4月の笹の色が良い年は豊作年で、笹の色が黄色い年は不作となります。
イコールかどうかは良く分かりませんが、ほぼ間違いない様に思います。


簡単に豊作年と不作年とか言っていますが、


夏の猛暑や雨が多い少ない、3月の気温や雨、そして収穫本番の4月の気温・雨により豊作年でもあまり多くないこともありますし、不作でもそこそこ出ることもあります。
近年は台風の影響で親竹が倒れたこともあり、不作年は過去最低しか収穫出来ず、豊作でも不作年位しか穫れないことがあります。
来年は不作の年となりますので心配です。

不思議だらけの竹ですが、もっと謎な事があります。同じ西山丘陵の中でも大原野・長岡と北隣の塚原、南隣の山崎とは表裏、すなわち豊作年・不作年が反対・逆になっているのです。

  左 山崎                  右  長岡


気温や雨はそんなに変わらないのに豊作、不作が違うのはなぜなんでしょうか ?
笹は2年に1回生まれ変わるのでは?
竹にはオス・メスがある?
いつ一斉に枯れるの?
まだまだ分からない事が多くありますが、少しづつ考えていきたいと思います。
竹は本当に奥深くて、面白い生き物です。
興味のある方は是非、研究して独自の仮説を立てて立証していただきたいです。

では、今回はこの辺で…
次は筍の"えぐみ"について、書きたいと思います。


小川食品工業株式会社 
Online Store :https://www.takenoko.co.jp/
Instagram : https://www.instagram.com/takenoko_ogawa/
小川食品工業株式会社 本社
TEL : 075-951-4381 0120-438-166
FAX : 075-953-1517 0120-151-795
E-mail : ogawa@takenoko.co.jp 
営業時間:平日9:00~17:00 
定休日 : 土日・祝祭日

◇直営店
〒617-0826 長岡京市開田4丁目8-1-103
TEL&FAX : 075-954-5075 / 0120-507-595
アクセス : 阪急長岡天神駅より徒歩5分
営業時間:9:00~18:00
定休日 : お正月3ヶ日のみ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?