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I.G.P. Isola dei Nuraghi

このページではイタリア サルディーニャ島のI.G.P. Isola dei Nuraghi (イゾラ・ディ・ヌラーギ)について解説しています。

I.G.P. Isola dei Nuraghi (イゾラ・ディ・ヌラーギ)とは

イタリア サルディーニャ島の広域I.G.P.(I.G.T.)

I.G.P.サルディーニャというものは存在せず、こちらがその役割を果たしている。ただし、I.G.P.の名称としてのわかりやすさに欠けるため、別名への移行も提案されている。

承認は1995年10月12日(当時はIGT)。
栽培面積は329ha(2015年)
生産量は28,200hl(2016年)

生産されるワインは赤が多く、フランス系品種(カリニャン、グルナッシュ(カンノナウ)、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー)を使ったものが多い。

土着品種ではCagnulari(赤)、Nasco(白)も多く使われる。

『I.G.P. Isola dei Nuraghi 』 名称の由来

イゾラ ディ ヌラーギの名称は、サルディーニャ島に点在する遺跡 ヌラーゲ(Nuraghe)に由来します。なお、ヌラーギ(Nuraghi)はイタリア語で、ヌラーゲ(Nuraghe)サルディーニャ語で同じものを指している。

ヌラーゲ(Nuraghe)とは、紀元前1900年から紀元前730年(ヌラーギック時代)の間に建設された建造物で、大きな石を積み上げて造った塔である。
これは要塞や住居、宗教的施設、集会所、またはその複合施設。

サルディーニャ島の独自文化の象徴とされており、当時は10,000ほど建設されたと言われている。現在でもサルディーニャ島各地に7,000ほど残っている。

最も有名なものは『Su Nuraxi di Barumini』で、1997年にユネスコ世界遺産に認定されている。こちらは石造りの要塞を中心とした、3階建ての複合施設。

『I.G.P. Isola dei Nuraghi 』 の生産地域

サルディーニャ州全域

サルディーニャ島の本島と周りの島も含む

『I.G.P. Isola dei Nuraghi 』 として生産可能なワインの種類と生産に関する規程

生産可能なワインの種類
Still wine(普通のワイン)白ロゼ赤
Frizzante(弱発泡性ワイン)白ロゼ赤
Spumante (発泡性ワイン) 白ロゼ赤
Spumante di Qualita (上級発泡性ワイン) 白ロゼ赤
Novello(新酒)赤のみ
Passito (陰干しブドウによるワイン) 白赤
Uve stramature (過熟ブドウによるワイン) 白赤

最低アルコール度数
スティル白 10.0%
スティルロゼ 10.5%
スティル赤とノヴェッロ 11.0%
フリッツァンテとスプマンテ 10.5%
パッシート 9.0% (潜在アルコール度数は16.0%)
ウーバ ストマチュア 12.0% (潜在アルコール15%)

発泡性ワインの甘辛度の規定
スプマンテは甘口sweetから辛口dryまで許可
from brut nature (zero dosage) to dolce

熟成に関する規定
熟成(aging)に関する詳細の規定はない

使用できるブドウについて
①サルディーニャ州のブドウ園で適切な栽培をされたもの。
そして、ワイン用のブドウとして登録されているもの。
②単一品種の名称をI.G.P.名に続けて表記する場合
サルディーニャ州のブドウ園で適切な栽培をされた該当品種を85%以上使用している必要がある。
ただし、下記の5種類の単一品種表示は不可。
Cannonau, Giro, Nasco, Nuragus, Semidano(単独でなく、2〜4種類を併記する場合は記載できる。)
また、総量の15%までであれば、ワインの醸造やマストの生産の際に、他の品種を1つまたは複数ブレンドする事が許可されている。

I.G.P.規制の中では珍しく、単一表記出来ない土着品種の指定がある。
これは恐らく、サルディーニャ州のD.O.C.やD.O.C.G.に品種名と地名が強く結びついたものが多く。これらとの混同を避ける為の処置と思われる。

『I.G.P. Isola dei Nuraghi 』 で使用可能なブドウ品種リスト

これはサルディーニャ州での栽培に適した品種として登録されている全品種にあたる。

黒ブドウ
Aglianico, Albaranzeuli, Aleatico, Alicante, Alicante Bouschet, Ancellotta, Barbera, Barbera Sarda, Biancolella, Bombino, Bovale Grande, Bovale, Cabernet Franc, Cabernet Sauvignon, Caddiu, Cagnulari, Calabrese (Nero d'Avola), Canaiolo Nero, Cannonau, Caricagiola, Carignano, Croatina, Dolcetto, Gaglioppo, Girò, Greco nero, Malbech, Malvasia, Marzemino, Merlot, Monica, Montepulciano, Nebbiolo, Nieddera, Nieddu Mannu, Pascale, Pinot Nero, Primitivo, Refosco dal Peduncolo rosso, Sangiovese, Syrah, Teroldego, Tocai rosso.

白ブドウ
Albaranzeuli, Ansonica, Arneis, Arvesiniadu,Chardonnay, Clairette,Cortese, Falanghina, Fiano, Forastera, Garganega, 
Greco, Malvasia bianca di Candia, Malvasia di Sardegna, Malvasia Istriana, Manzoni Bianco, Moscato Bianco, Muller Thurgau, Nasco, Nuragus, Pinot Bianco, Retagliado Bianco, Riesling, Riesling italico, Sauvignon, Semidano, Sylvaner Verde, Tocai Friulano, Torbato, Trebbiano romagnolo, Trebbiano Toscano, Verdicchio Bianco, Verduzzo Friulano, Vermentino, Vernaccia di Oristano, Vernaccia di San Gimignano.

ロゼブドウ
Traminer Aromatico

グリ(灰色)ブドウ
Pinot Grigio

サルディーニャ島のワインについて

サルディーニャ島では、古くからブドウが存在していること、独自のワイン文化があるという証拠が多く見つかっている。


紀元前1300年には、既にサルディーニャ島にブドウが存在していた。
これはブドウの種の痕跡が、炭化した状態(石化せず化石にはならなかったが、地層中から発掘される痕跡)で見つかったことにより裏付けられている。
これにより、フェニキア人の侵攻以前からサルディーニャ島には、食物としてのブドウが存在していたと言う証拠でもある。
また、紀元前9〜8世紀にはヨーロッパ本土よりブドウの木が持ち込まれた。但し、サルディーニャ島では1596年頃でも、野生のブドウからワインを作っていたという文献も残っている。
その野生ブドウの子孫と言われるのがNuoro地区で一般的なMuristelluと言う品種である。

土地の気候や土壌にあう土着品種を多く栽培している。これは『イタリアワイン・ルネサンス』と呼ばれる国際品種ブームが起った際も、伝統的な品種にこだわる生産者が多かったため。

参考サイト

テイスティングシート

Argiolas
Serra Lori Isola dei Nuraghi Rosato 2017

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