何もしないをする|2020.8.26 日記
休職して、「何もしない時間」をお金で買っている。
人のいない平日のスパに行ってひたすらあつ森をしたり、デイユースの広めのホテルに行ってあつ森をしたり、車でひたすら山奥まで行ったりした。山を走ってると普通に動物が出てくるということを知った。海も見た。暑かった。
何もしないをお金で買う話を主治医にしたら、「何もしないで安心して何もしないをできるといいんだけどね〜」と言われた。ちなみに主治医は「どうぶつの森、やってる?」と毎回確認してくれる。
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眠剤を飲んで5時間寝られるようになった。係長からどーーーーでもいい電話がちょくちょくかかってきて、流石にこれは療養にならないと思って人事の健康相談を利用した。「私が間に入ってお伝えしますね。係長に直接お話していいですか?」と言われたけど、それじゃ意味ないと思って、人事から課長、課長から係長に伝えてもらうことにした。それから電話はかかってこない。
係の先輩からクスッと笑えるなんでもないラインが来た。いつもこの人の絶妙な気遣いに救われている。こんな人でありたいなあ。先輩はセミを手で触れるらしいけど、私は絶対無理だ。最近彼と「リモコンで操作できる、不意打ちで動き出すセミのおもちゃがあったら一番こわい」という話をよくする。他人にドッキリで使うのはいいけど、自分が使われたらメチャクチャ恨むと思う。
あいつらは玄関の前で死んだふりをして、こちらが通り過ぎて気を抜いた途端に雄叫びをあげる。許すまじ。
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休職中は、6時くらいに目が覚めるので、煙草を吸って、薬を飲んで、Switchの電源を入れるところから始まるのがルーティーンだ。
あつ森は、犬?のしずえさんが毎日「おはようございます!◯月×日◯曜日の*時△分です。」と言ってくれるので、おかげ様で社会の歩みを感じることができている。しかも可愛い。可愛いので少しだけ幸せに一日が始まる。
そのあとは島の住人たちに挨拶をして回る。「今日も元気そうだなー!」とペンギンとかにニコニコと言われると嬉しい。現実世界と同じ時間の速度で流れる仮想の無人島でのんびりとすごす。
ゲームに全くハマったことのない私が肌身離さずSwitchを持ち歩いているので彼が驚愕している。クラフトゲーが性に合っているというのもあるけど、今はかわいい動物たちとのコミュニケーションにも救われている。
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基本彼と一緒に過ごしているのだけど、昨日は彼が友人と出かけていたので家で一人だった。彼といる時は結構お金を使えるのだけど、一人だとなかなかしぶってしまう。あつ森をやって、ぼーっとして、あつ森をやって、ぼーっとした。
『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』という漫画を試し読みしたらなかなか面白い。ゆっくりしたいときは『きのう何食べた?』も必ず読んでしまう。私もシロさんの手料理が食べたい。
ツイッターを見ていたら「そろそろツイッターやめて散歩しよ…」という呟きが流れてきて、散歩しようかなと思ってから3時間後に外に出た。すでに真っ暗で、夜はだいぶ過ごしやすい。
薬局に行って、ちょっと高い、いい感じのシャンプーと皮膚薬などを買ったら一万円くらいになった。帰っていい感じのシャンプーをしたら、なんだかちょっといい気分になった。
終電で帰ってくるかと思っていた彼が予想以上に早く帰ってきた。「〇〇ちゃんに会いたかった人〜。は〜い。俺で〜す。」と上機嫌なおじさんがニコニコしている。最近の私たちは結構仲良しだ。
自分の心に悪そうなものを避けるセンサーが機能するようになってきた。とりあえず気持ちよく、何もしないをして過ごしている。