日課となった散歩、花を頂いた母
車椅子生活となって一年。退院してきた当初は外に出たがらなかった母。
外に出たいと積極的に言い出すようになったのは、この1、2ヶ月のこと。
夕方の5時、デイから帰った母は気分よさそうに、
「風が気持ちいいねぇ〜」
と、言った。
「そうだねぇー。気持ちがいいからこのまま散歩に行く?」
デイから帰った後のお決まりの会話。
散歩に出かけるようになったのは5月から。
そしてお決まりの散歩コース。
今日は後ろから呼び止められた。
「花を持っていくかい?」
近所のおじさんだった。丹精込めて庭の花壇に色とりどりの花を育てている。
実はこの花壇を花をめでるのを楽しみにしている。
花をいただき車椅子を押し始める。仲良しのあばあさんが散歩している姿をみつけた。
「あのおばあさんとところへいく?」
「うん」
いつもは嫌がるのに、花を頂いて気をよくしているのか?
早速おしゃべりが始まった。
ほどなくおじさんが自転でやってきて、話に加わる。
これがいわゆる井戸端会議というものか。
田舎とはいえここは道路の交差点付近。
犬の散歩をしている人、自転車、車など、往来が激しい。
結構な邪魔になっているなぁ。
そんなことはわかっているのか、いないのか、なかなか終わらないおしゃべり。
いつ終わるのかなぁと思っていところ、
凄まじいエンジン音を立ててやってきた大型バイクにおしゃべりはさえぎられ、なんとか解散となった。
遠いところにきている台風、活発になっている梅雨前線、湿った風はそれでも心地いい。
今日の母はいつにも増して積極的だ。
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