PS5の音とか振動とか その① (ハプティックフィードバック編)
PS5の新しい機能の「ハプティックフィードバック」「アダプティブトリガー」「3Dオーディオ」を中心に書いてみる。
ゲームの感想や内容、グラフィックやロードについてはよく記事を見るけどこの3つを中心としたのはあまりなかった。
3つの機能の特徴として、「没入感を高める」「実際に体験しないとわからない」という最初から文章に向いてない壁が出てきた。だが、あきらめず出来るだけ具体的な感じ方を細かく書いてみた。
「ハプティックフィードバック」概要とか
音と振動は不可分である。
あたりまえだけど音は空気の振動により伝わる。だが「ハプティックフィードバック」は「音」を空気を介さずに手に直接を伝える。こう聞くと、今までの振動と変わらないと思うかもしれない。
今までは音ではなく映像と連動した「揺れ」の表現だったの対して、「ハプティックフィードバック」は音と連動した「触感」の表現として使われることが多い。
目をつむって指の爪先で近くにある壁やデスク、ガラスなどを叩いてみよう。音と共に指先に材質ごとに違う触感が感じられるはず。ものによってはその触感で、「空洞である」とか「硬い」「弾力がある」まで把握することが出来る。「ハプティックフィードバック」はまさにその感覚を表現している。
PS5を持っていない人はそこら辺をコンコン叩いてみよう、その感覚が「ハプティックフィードバック」だ(言い過ぎ)。
実際のゲームプレイでは映像、音と合わせて行われる。スケートの映像を見ながら、スケートの音が聞こえて、スケートの振動が手に来る。結果、「もうこれ実際に氷の上を滑ってんじゃね?」って錯覚する。「ハプティックフィードバック」の登場により、人間が世界を感知する「視覚・聴覚・触覚」の大部分をゲームで表現できるようになった。今後VRに導入されるのが楽しみでしょうがない。
尚、振動と連動する音に関してはコントローラーからも出る。これが結構重要だと個人的には思う。不思議なことにコントローラースピーカーをオフにすると、この錯覚具合が少し減る。テレビから音は出ているのに関わらずだ(ヘッドホン使用時も同様)。
多分、
1.音の発生位置と振動の位置がズレている
2.音と振動のわずかな遅延が発生してる
の2つが理由ではないかと考える。
個人差があると思うので、PS5持ってる人は試してみてほしい。
ゲームごとの使われ方
間口が広くプレイしやすいスパイダーマン、本体に附属しているアストロプレイルーム、そして無料でプレイできる原神の3本で振動の内容を一部紹介(今後遊んだ分を増やす予定)。ゲームの仕様書ではなくあくまでも自分のヘッドホン未使用を前提とした体感で書いていきます。
■スパイダーマン:マイルズモラレス
主人公が動いてるときはほぼ機能している。だからといって鬱陶しくは感じない。緊張感あるシーンでは存在感が増す。
・ムービーシーンでのマイルズの手の動作
配電盤を開けたり、ドアの開け閉め。ドアノブの「カチャ」っていうのを感じられる。
・高所からの落下時
空気を切るような「ゴォォー」という振動。走行中の車から手を出すのに近い
・スイング移動、戦闘時などスパイダーウェブ使用時
「ギチギチッ」というような、ロープを引っ張った感触。ウェブを話した時の「プツンっ」も感じられる
・ヴェノムパワー使用時
何かがこみ上げて来るような振動。小型のエンジン起動したときに近いかも。
■アストロズ・プレイルーム
基本的に常時機能していて、様々な振動が次々と披露され飽きない。…が、後半は慣れによって感動が薄くなる。
・キャラの歩行時は常に
木、鉄、氷など材質ごとに細かく違う。草がある場所では「のそっ」とかき分ける抵抗があったり、泥の中では「ぐぽっ」と粘度が高い物体独特の空気が移動する感覚。
▪︎各アクション時
ヒモを引っ張る、物を投げる、パンチする全部違う振動が割り振られている。これは細かいので割愛。
・強風
強風時は空気を切る感覚とは微妙に異なり、細かいゴミが飛んできているような不規則な振動が混じる。
・雨天時
雨のシーンでは傘をさしているのだが、本当にビニール傘を握っているかと思った。個人的に一番すごかった。
■原神
通常攻撃や歩きには無し。一部のアクション、状況で機能する。主張は控えめだが、プレイの良いアクセントになっている。アップデートで増えたりしてます。
・落下攻撃(片手・両手剣)
片手剣は地面に棒を突き立てたような「ズンッ」、両手剣ではスコップみたいな面のちょっと広い棒を叩きつけたような「ズダンッ」という振動
・落下攻撃(法器・弓)
法器(魔法)は水の入った袋を叩きつけたような「どぉうん」という感じ。弓の場合は、自分の周りにたくさんのこぶし大の石が降り注いでるような「ダラララッ」という振動で追撃の矢を表現
・滑空時
不規則に揺れるような「ゴォー」という振動。上記2作品とまた異なり、下から吹き上げる風に乗っているような安定感なさげな振動。
・ダッシュ時(一部キャラ)
水に潜ってダッシュするキャラだと、水が流れている水道管を握っているかのような振動。氷に潜って移動するキャラだと、細かな粒子をかき分けているかのような振動(塩とかをスプーンでかき分けるのが近いかも)
・水への飛び込み時(追記分)
水面に当たった瞬間の「ザブン」という感触と、その後の水面下での「ブクブク」感の2段階。音と組み合わさることでコントローラーが水に沈んだような感触。
・その他
メニューで一部項目選択時、手の内側から外に広がるような振動が有る。鉱石の種類ごとに叩いた感触が違う。
■ラチェット&クランク パラレルトラブル
ゲーム序盤、ダンスフロアのシーンはサブウーファーを抱きしめてるのような振動で、実際の音量の何倍もの大音量の中に居るかのように感じた。その他の使われ方は前述のゲームと被るので割愛。
◾Dying Light2(追記分)
アダプティブトリガーのほうが印象が強く、振動面では存在感が薄め。
・スタミナ低下時
一定より少なくなった際に、主人公の呼吸の表現で使われている。「ゼーゼー」感のある荒い呼吸の様な細かい振動。
・着地時
着地する地面の材質種類で若干違う(もしかしたら効果音と合わさることでそう感じてるだけかも)。マット、車両、その他の地面で違う
■師父( Sifu)
常に何かしらの振動がある。少し過剰なので好き嫌いが分かれそう、例によってコントローラースピーカーとの相乗効果がでかいので両方 ONにしておくのがオススメ。アダプティブトリガーはほぼ使用されてない。
コントローラーの充電の減りが他のゲームより早い気がする。
・攻撃時
素手や使用武器に応じた振動がその都度発生。これによって攻撃を見切られた、防御されたかなどがより分かりやすい。雑魚戦が乱戦になりやすいくカメラワークも良くないこともあり意外と助かる。
また、敵の防御を崩した際には「カンッ」という鉄を打ったような子気味良い音と共に抜けるような振動が発生して「今がチャンス」感が出ている。
・移動時
このゲームは主人公が干渉して発生する音がコントローラースピーカーが鳴ることが多い(ドアの開閉、足に瓶が当たる等)。その際にその音に応じた振動が発生する。
・カットシーン
主に環境音に対応した振動が起こる。雷雨なら建物や地面を雨が打つ様子と雷鳴による空気の振動。火災現場なら吹き寄せる熱風のような不規則な「ごおっ」というような振動
PS5を持ってない人にも伝わるように頑張ったが…どうでしょう。
PS5用のゲームであればほぼ対応しているので、暇な人や2週目の際には振動に注目してプレイしてみてほしい。
「ハプティックフィードバック」まとめ
コントローラーを操作の為のインターフェースとしてだけでなく、現実世界からゲーム世界世界への没入感を高める触媒として昇華したのが「ハプティックフィードバック」だと言える。
プレイヤーは無意識に「コントローラー=操作キャラの体」と認識していると思う(これを明確にプレイヤーにすり込もうとしたのがアサシンクリード2の冒頭)。だからこそ、ゲーム内の現象が「振動」を介して現実世界で感じられた時、よりゲーム世界の輪郭が感じられ没入できるのではないか。
逆に、話題になってるからという理由で触る人や勝敗が重要な人など「ゲーム体験そのものに興味がない人」にはあまりピンとこない要素かもしれない。
前者は、「ここが凄い」とか「ここが凝ってる部分」と情報がなければ気付かない(VRの時もそうだったよね)ことが多い。後者は、そもそも振動オフにする人(勝敗に直接関係ない場合)が多い。まぁ、普通のプレイヤーもPS5発売当初以降あまり話題に挙げないし…そんなかなしい要素「ハプティックフィードバック」。
今一度、思い出してほしい「ハプティックフィードバック」!
選ばれし者の楽しみ方「ハプティックフィードバック」!
声に出したい日本語「ハプティックフィードバック」!
みんな一緒に「ハプティックフィードバック」!
次回、いつ書くかわかんないけど「アダプティブトリガー」
おまけ
気になる点があって、音と振動が自分の経験則と結びついてるから「これはスケート滑ってる音と振動だ」ってなって錯覚してると思うんだけど、例えば「スケートを滑ったことがない人」がスケートで滑る音と振動をゲームで感じた時にどうおもうのだろう?
「これは確かにスケートの感覚だ」とはならないと思う。誰か検証してくんないかなー
傘さしたことない人(サバンナあたりの人)に、アストロの雨のシーンとかやってみてほしい。