見栄と、車を1台減らしたらラク〜になった話。
あーーーーーー見栄っ張りだった。
しょうもない、固定観念に縛られていたのかもしれない。
今日は車の話をしたいと思う。
ちょっと前の私は、
「男なら軽自動車はありえないよね」
「もう30代だし…」
なんて薄っぺらな価値観しか持っていなかった。
「たくさん稼いで、良い車に乗ろうね」なんて主人と話していたっけなあ。
今は、家すらも荷物だ。私はかなり、変わった。
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2020年初め頃、我が家は3台の車を所有していた。
主人の会社の車、プライベートカー、私の現場車。
トヨタのノア、新型セレナ、軽バンの3台である。どれもワゴン車だ。バイクもあるので4台所有。
主人は自営業の2代目で、私も自営のため、車両費は互いに経費になる。こんな家庭は福井県にはゴロゴロいて、珍しいわけではない。福井は社長が多い国なのだ。
プライベートのセレナを使う頻度は明らかに週末のみで、大きくなった子供らとは時間が合わずに、出かける頻度も減ってしまった。
セレナを購入したのは2015年で、ちょうど再婚、新築、新車、結婚式…といった人生でも特にお金がかかる瞬間を凝縮した年だった。主人は夜中のバイト、私は夜はホステス、昼は現場と、朝晩働き詰めし、全ての貯金をそこで使ったのである。
その頃はまだ、儚い理想や見栄に縛られていた。ある程度の車に乗って、人を乗せても恥ずかしくないとかそういう感じだった。せっかく結婚するし、ちょっと良い車を、的な。かといって外車に乗るとなんか言われるし…といって選んだのがセレナだった。
娯楽の少ない福井県人にとって、いまだに車はステータスな部分がある。一部の奥様方は良い車に乗って、スーパーに来ている。
私は夜、ホステスでたくさんの人に出会う分、すぐに他人の意見が自分の価値観になるぐらい浅かったし、影響を受けやすい、コントロールされやすい側の人間だったとおもう。
「男ならこれぐらいの車に乗ってなあかんやろ」ああそうか
「あなたたちも自営業ならもっと良い車乗れるでしょ?」確かに
…と、車社会&見栄っ張り福井県で働いているとこんな意見をよく言われるのであった。だから私も、そこそこの新車に乗っている自分、になりたかったのかな。
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きっかけは、主人が会社の車を単独事故で廃車にしてしまったことだった。
しかもコロナの影響もあり、吹けば飛ぶような街の業者さんは、簡単に会社の車が購入できる状態でもなかった。よく誤解されるが、中小企業の社長なんてのはボーナスのない、労働環境も守られていないサラリーマンのような存在に過ぎない。
経営状態も黒字とはいえず、車両費をどうしようという話になった。
ちなみにそのころの私の価値観マップがこちら。
2020年、34歳の私が出した答えは、プライベートカーのセレナを使えば?という意見だった。昔の私なら、会社でローンで買えば?だったと思う。
それまでの私は、仕事がない日にセレナ、仕事の日は軽バン、といった贅沢2台掛け持ち使用だったのだが、会社のために、もういっか。と諦めた。
もちろん新型セレナは乗り心地がよく、新型なだけあって良いのだが、デカイし、維持費がかかる。家計は折半にしているが、セレナに関しては主人が払っていたため、長女で甘えられない性格の私は、多少申し訳ない気持ちで乗っていた。
主人は福井県中の現場を回るため、1日100キロ近く移動し、車の中で過ごすことが多い。前よりいいカーライフになったことで、仕事もしやすいという。そんならよかった。
心のどこかに、掃除に使う車で出かけたくないという気持ちがあったんだと気づいたのは、それから何ヶ月もしてからだった。
掃除屋な自分をどこか嫌っていて、どこかプライベートと分けたい気持ちがあったんだと思う。多分、キツイ、汚い、カッコわるいとか思っていたのかな。何軒ものカビを落とした塩素臭い車は、普段の洋服で乗りたくなかった。
ただ、一体どこの誰に、なんの見栄を張っていたかったんだろう。と気づいたことがすごくよかった。自分の弱さに気づけたから。
でも今はノアがなくなり、車を2台に絞ったことで、何より物の移動がないことが楽になった!
「あれ?こっちの車にあったっけ?」
「あ、あっちの車に靴を乗せたままだった」
ということが減ったからだ。
家計も楽になった。こんな時期だしほとんど遠出しないため、どのみち良かった。良かったことにしていくしかないのだけれど。バイクは趣味だから、ううん、ヨシとしよう。車両費は経費になるため、1台分のコストが浮いた。浮いたお金でまた別のことに回すことができた。
数台所有していてすごいとか、軽バンがダサいとか思っていたけど、ただの見栄だったと思う。
移動できれば、良いじゃないか!
誰かの意見を鵜呑みにして、自分を持っていなかった。というか、何かあると誰かの意見のせいだと、言い訳の材料にしていたのか?ああっ…
今はなんの見栄もないし、なんて楽なんだろう!
私には妹がいて、20代の頃、もらった軽トラで何年も暮らしていた。ブレない妹はかっこいいと思った。
何かを手放す時は突然やってくるが、そういった時にこそ自分の執着が見える。
人間関係もそうで、なんでも自分の所有だと思っていると、いきなり別れる時の辛さに耐えられない。友達、夫や妻、恋人、子供…
自分が大切にしたいもの(ポリシーやモチベーションが上がるもの)と、他人の意見で作られた価値観のものの区別がつくようになると、こんなにも楽になるのかと思った。
洋服も、靴も、家も、誰かに見せたいだけのものなんて、必要ない。自分が楽に生活できて、モチベーションが上がることやモノにだけお金をかけたらいい。
それがわかった2020だった。2021年は、また新しい価値観に出会うのが楽しみだ。今年も自分の心と対話していこうと思う。
ではまた!