中学生に学ぶ「世界一の語学アプリ」の遊び方
Duolingoという語学学習アプリ、ご存知ですか。
世界で3億人以上が使っている「世界で最もダウンロードされた語学学習アプリ」。iPhoneでもAndroidでも遊べます。
こんなツイートをしたところ、詳しく聞きたい、と松井博さんからリクエストいただきましたので書いてみます。知ってる方も多いでしょうが、Duolingo、なかなか熱いです。今日はちょっと長文です。
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Duolingoってそもそも何か
Duolingoはグアテマラ生まれのルイス・フォン・アン博士が開発した語学アプリ。さまざまな言語を学べます。各項目は筆記・リスニング・スピーキングの問題で構成。ゲーム感覚で隙間時間に学習できます。
「Duolingoでの34時間の学習が、大学の言語コースの1学期分に相当する」と言うのが、売り文句。
現在では30カ国語以上の言語を対象に90の言語学習コース(日本語→英語、英語→日本語で2コース)を提供しており、日本語話者向け英語コースには約112万人のアクティブユーザーを抱えている。さらに11月には、日本語話者向けの中国語コースもリリースされた。
マレーシアでも大流行中です
マレーシアでもDuolingoは大流行中。
知り合いの中学生たちのほとんどが遊んでるんじゃないかな。
息子のかつての同級生たちも、ホームスクールのメンバーも、うちに来る子どもたちも、なんかしらの言語をやってます。
さすが語学大好きなマレーシア人です。
日本語だと、中国語と英語しか選べませんが、英語モードだとたくさん選べます。私は英語でインドネシア語を、息子は英語で中国語を、息子の親友は日本語を、私の母は、日本語で英語をやっています。
簡単な問題を解いていくだけで、全くの初心者でも、自然に単語や表現、発音が覚えられる。
最初はムッチャ簡単です。これがだんだん難しくなっていくんです。
遊ぶほどポイントがもらえ、ショップでアイテムを買えます。
また、友達やリーグと呼ばれるランダムなグループで競うこともできます。
難易度が上がって挫折しました
学習を始めると、どんどん面白いように覚えられる。ところが、難易度が上がってくると、だんだん学習が進まなくなっていました。インドネシア語の所有格や、受け身表現が出てきたあたりから雲行きが怪しくなりました。
Duolingoは、最初にフルで5つのライフ(下記のハートマーク)があります。
問題を間違えるとライフが減ります。そして時間が経って回復するまで遊べない。回復してもすぐ減る。
(ところでこの例文怖いです。「何かが私のスープの中で動いている」って恐怖映画でしょうか)
難しくなると、すぐに連続して間違えてしまい、強制中断されてしまいます。また、作文のテストでインドネシア語の綴りを間違えたりしてもライフは減ってしまいます。また、訳文で、英語の三単元を忘れたり、定冠詞を間違えたりのケアレスミスも頻発し、先に進まないのです。
そのため、だんだんやる気を無くしていました。私の70代の母も同様で、「ライフがすぐになくなる」と愚痴ってました。
ところがこのDuolingoに息子が最近参加し、ライフの回復方法、遊び方を教えてくれました。
ゲーム世代の子どもたちってすごいです。
以下は彼が教えてくれたちょっとしたTIPSです。
子どもたちから教わるゲームの極意
1 課金したらダレる、課金するな!
Duolingoは広告か課金かを選べます。
が、息子は「絶対課金するな! ライフも(ポイントで)買うな!」と。
「課金したゲームなんて、面白くなくなるに決まってるから!」
が息子の言い分です。人間は持ってないものは欲しくなるが、持ってるものには魅力を感じなくなるのだ、と。
「課金したり、ライフをポイントで購入すると、真剣にやらなくなる」と。
そして私には無駄としか思えないDuo(キャラクターの鳥)の服に大枚(1000ポイント)を使ってます。
確かに、ライフを買うと「多少は間違えてもまあいいか」とダレるんです。
そして英語の前置詞を忘れたり、TidakとTidurを読み違えたりするのです。
Duolingoのような素晴らしいソフトに課金するのは気持ち的には良いのですが、「課金してない方が真剣にやる」。確かに、それはその通りかも。
2 先に行くのを急ぐな!
インドネシア語だと「生活」「建物」「挨拶」「受け身」「複数」と言った単元があり、それぞれを複数回やると先に行けます。
私も母も、先に進むことを重視していました。
そのため、2周くらい同じ単元をやったら、すぐ先に進んでいたのです。
ところが、このやり方だと進まなくなります。
息子のアドバイスは「一個ずつ完璧に仕上げた方がいい」と。
一つの単元を完璧に仕上げると、金色(レベル5)の状態になります(下記画像)。なんと、金色のレベルは良いことづくめです。
・ライフがゼロでもプレイできます!
・間違いがカウントされません。
・遊ぶと一つ(または二つ)ライフを回復できるのです!
つまりライフが無くなったら、「以前やり込んだ単元に戻って復習する」と回復する。母に教えたら、「知らなかったよこんな裏技!!」と言われました。私も知らなかった!
それから、ハートマークを押すと出てくる「練習」でもハートが稼げることがあります(出ないこともあります)。
また、金色のライフは時間が経つとひび割れてくるので、復習せざるを得なくなる。つまり復習は必須。忘れた頃に復習すべし。
うーん、よくできている!!
3 友達と競え・リーグを気にしろ
もう一つは、できるだけ他人と競え、ってコトです。
Duolingoにはシルバーとかサファイヤとか名前がついたリーグがあって、いろんな人と競い合います。どうもランダムになっているようで、私のリーグにも、スペイン語や日本語、ポルトガル語を勉強している人たちがいます。
息子や彼の友人たちは、リーグ内の何位にいるのか、どうやって次のリーグに上がるのかを重視しています。
私、リーグなんて、今まで気にしたこともなかったのです。
「なんの意味があるの」と。
しかしこれを気にするようになると、モチベーションが上がる。
息子はリーグを上ることを目標にしていて、「あと5日あるから、最後にラストスパートで5位以内に入る!」などと頑張ってます。
学習は多分、最強の時間潰しになる
ちなみに、息子の友達のメルウィン君は、すでに200日以上続けてますが、「四つの分野を同時にグルグルやる」という方法を勧めてくれました。彼によれば、「こうすると、満遍なくいろんなことが学べて良い」のだそうです。
そんなわけで、学習の遅い私も、難関だった所有格がようやく掴めるようになってきました。
Duolingoがすごいのは、プレイするだけで、自然に理解できるようになること。読み・書き・喋りを繰り返して何度もおなじ表現・単語に出合うことで覚えていく。綴りも自然に身につきます。中国語だと、綴りの代わりに音声でのスピーキングがあるそうです。
それに時間潰しのくせに「時間を有効に使っている錯覚に陥るところが良い」。
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このDuolingo、日本人用の英語は簡単すぎて続かない人が多いようですが、学習言語じたいを英語にすると、選択肢が豊富です。
それにしても、Duolingoのおかげで、語学の最も面倒な導入部分が、無料で学べる時代になりました。Duolingoで基礎ができたら、あとは先生を見つけて会話するなり添削してもらうなり、好きにすれば良いのでしょう。
そして、ゲーム世代の子たちはアプリをスイスイ使いこなします。この子たちにとって、学習とは机に向かうものではなくなりつつあるのかもしれません。
興味を持った方は、お正月にぜひ遊んでみてください。
それではまた。
補記) こんな感想をいただきました。もしかしたら、使用環境によって異なるかもしれませんね。
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私の本。日本からマレーシアへ子連れで行ってみて、180度見方が変わったお話を書きました。
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