日本への悲観論に反論してみる
先日はジム・ロジャーズさんの悲観論を紹介したわけですが、今回は楽観論を展開してみようと思います。
日本は終身雇用崩壊で変わる
Twitterに悲観論ばかりじゃつまらないから、楽観論も読みたいなと書いたら、ゆうきさんが連続ツイートしてくれました。
雇用の流動化→失敗を許す文化の醸成→ことなかれ主義からも脱却→ブランドが毀損しないうちに外国人を呼び込む
ってシナリオです。これは本当に実現するかもしれません。終身雇用の崩壊で、雇用が実際に流動化しそうな兆しが見えています。これが崩れると、随分色々なものが変わるはずです。(私自身は、終身雇用自体は悪いことだとは思っていませんが……)
東南アジアでの日本への好感度はまだまだ高いですので、まだチャンスはあります。
たとえば、マレーシアがやっているように、「一定の投資を日本にしてくれる」リタイアメント層や投資家に対して、5年、10年の長期滞在のビザを発行してみるなんて手もあります。東南アジアの富裕層が滞在してくれるだけでも、経済にも効果がありますし、日本人のダイバーシティ醸成や外国人アレルギーにも一役買ってくれるかもしれません。
移民は、永住権にすると、日本の場合、外国人排斥運動が起きそうです。マレーシアのように、期間限定でビザを出すのも良いのではないかと思います。市民権や参政権はいらないから、憧れの日本にちょっと住んでみたい、という人もいます。こういう層から取り込んでいく。
マレーシアは5人に1人が外国人労働者という国ですが、外国人の管理が厳しく永住権のハードルは高い。そのためか、移民排斥運動などがあまり起きません。
もしかしたら、私たちは少しずつ変わってきている
つい最近まで、日本はもう変わらないだろうなーって思ってたのです。多分、このまま小さくまとまって、でもちょっと不思議でノスタルジックな観光立国として、静かに存在していくんだろうなーと。それもまあ良いのかなっと。
ところが、私のブログを発見してくれた方たちが「ぜひ日本もマレーシアを見習ってグローバルになろう」と言い出してくれてるわけです。書籍も出したしcakesの連載も始まって、読んだ方たちが「いいね。日本にも取り入れようよ」と。
実際に企業のダイバーシティ推進をされてる方が、私のnoteを読んで、参考にしてくださったりしてる。こんな嬉しいことってそうはないです。
「変わらない」って諦めてたら変わらないけど、石を投げたら、動く人が出てくる。
とはいえ、日本って聖徳太子の頃から海外の文化を入れる入れないでずーーーっともめ続けてきた国なので、絶対もめるでしょう。
私が書いてることが気に入らないって人ももちろん、いると思います。
けどね、私もやっぱり子供には良い国を残したいですし、日本が衰退しすぎてジム・ロジャーズが言うように日本語までなくなるのは悲しすぎます。
華僑と中国人の関係を真似してみる
さて、ジム・ロジャーズの「日本への警告」には中国人の強みとして、「華僑」を挙げています。ちょっと引用してみます。
華僑は中国にとって最強の資源の一つだ。この国は巨大な国外移住者ネットワークをもち、シンガポールやバンコク、バンクーバー、ジャカルタ、ニューヨークで彼らは成功している。(中略)中国に戻る華僑は、資本だけでなく知識も持ち帰る。知識は資本と同様に重要なものだ。つ動く人は華僑がもたらした知識を素早く吸収し、自分たちの強みに変えてきた。中国人のとどまるところを知らない知識に対する欲求あ、国家を発展してきた原動力であることは間違いない。
「日本への警告」ジム・ロジャーズ
実際、マレーシアには中国や台湾・香港の方が書籍を買いに来たりしていて中華圏の人は「中国語」で繋がっているのだなと思うことがあります。
日本も明治維新などでは海外から帰ってきた人たちを活かしていたのです。今はどうしても日本人同士が対立するじゃないですか。「もう日本に帰ってくるな」「出羽の守」とか言われたり、逆に海外勢が国内にいる人を負け組呼ばわりしたり。
けれど、この華僑と中国の関係を日本も真似したらいいと思うんですね。いがみ合ってる場合じゃないです。
海外にいる人と国内で頑張る人は最強のチームになる
マレーシアで仕事してると、国内にいる人、海外にいる人両方いて成立する仕事がムッチャ多いんです。つまり、国内に住む人と、国外に住む人は、最強のパートナーになれる。そうしないと、インバウンドに観光客を呼び込むこともできないんですよ。
インバウンドに関してはまだまだ日本には可能性があります。それから日本文化、特に日本のオタクカルチャーに対するアジアでのリスペクトは、本当にすごいものがあります。日本にいる人たちが英語が話せるようになると、さらに可能性は広がるでしょう。
だから、こうやって海外に出る人、海外に出て戻る人、国内でずっと頑張り続ける人が、まずお互いの多様性を認めて、嫌な部分は見て見ぬ振りもしつつ(これ重要)、うまくやれるようになる。すると、自然に外国人とも働けるようになるでしょうし、社会も変わるんじゃないのかな。
よく考えたら、明治維新だって、明治の文豪だって海外に出ていろいろ学んで持ち帰って真似したわけです。同じことを繰り返すだけです。
ではまた。
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マネジメント論を寄稿しました。
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