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米国の「落ちこぼれ学校」が全生徒に「英才教育」を行って8年経って、どうなったか?(長文7000文字)
「学習意欲に欠け、背景知識が乏しく、 表現力が弱く、英語力も未熟で、本や書き言葉に接する 経験も限られていた子どもたちが多い『落ちこぼれ学校』」が8年で成績優秀校になった。
なんだか漫画やドラマのようですが、大学院で読んだ、「カリキュラムの充実と差別化によって学力格差を埋める:ある学校の物語」が面白かったのでご紹介します。
書かれたのは、ウェスト・ハートフォード公立学校のマーガレット・ビーチャー氏とコネチカット大学のシーラ・M・スウィニーさん。以下で原文読めます。
Beecher, M. & Sweeny, S.M. (2008). Closing the achievement gap with curriculum enrichment and differentiation: One school’s story. Journal of Advanced Academics, 19(3), 502–530. https://files.eric.ed.gov/fulltext/EJ810785.pdf
生徒の45%が給食費無料・減免を受けていた
さて。原文をDeepLで翻訳しながら紹介します。
「落ちこぼれ学校」のセントラル小学校はこんな感じでした。
セントラル小学校の児童の多くは、学習意欲に欠け、 カリキュラムとの関連性が見いだせず、学習環境 から孤立し ていると感じていた。
子どもたちの多くは、背景知識が乏しく、 表現力が弱く、英語力も未熟で、本や書き言葉に接する 経験も限られていた。貧困が懸念され、生徒の45%が給食費無料・減免を受けていた。多様な中には、文化的にも言語的にも多様な生徒が43%含まれていた。この数字は8年間で75%に増加した。生徒の約30%が第二言語として英語を話していた。
それが8年後はこうなりました。
1997年から2004年にかけて、州のテスト結果の分析により、すべての科目と習熟度レベルで一貫した改善が見られることが明らかになりました。
学校改善努力の成果は、生徒の学校に対する積極的 な態度、学習意欲の向上地区および州の学力テストで の成績の向上という形で実証された。1997年から2004 年までの州テストにおける生徒の達成度を分析したと ころ、すべての教科で、またすべての習熟度レベルで 改善が見られた。
一体何をどうして8年で変わったのか。
関係者の間でバラバラだった教育への観点
すごく面白いなと思ったのは、まず「ビジョンの共有」からスタートしたこと。
効果的な学校改善には、学校ユニークなニーズに対応した包括的な行動計画が必要である。このプロセスの最初のステップは、学校のあらゆる側面を徹底的に分析することであった。
つまり、何が起きているのか? 何が問題なのか? 現状を把握することからスタートしたというのです。
その結果分かったことは、「教育の目的」がバラバラであったことです。
その結果、生徒や教育・学習に対する考え方が、関係者の間で根本的に異なっていることが判明した。
Beecher, M. & Sweeny, S.M. (2008). Closing the achievement gap with curriculum enrichment and differentiation: One school’s story. Journal of Advanced Academics, 19(3), 502–530. https://files.eric.ed.gov/fulltext/EJ810785.pdfここから、四つの問いを最初に作り、徹底的に話し合いました。
1. 学校コミュニティは、子どもたちについて何を信じ、何が子どもたちの学習意欲と成長意欲を高めるのか。
2. 苦境に立たされている学校が、子どもたちが積極的に学習に参加し、投資するような成功した学習コミュニティになるにはどうすればいいのか。
3. 失敗から成功への転換を可能にするカリキュラムと指導の本質的要素とは何か?
4. 生徒の学習を改善し、学力格差を埋める手段として、教育者はどのように補習指導のパラダイグラムを変え、生徒の長所を強調できるのか?
全生徒を対象に「英才教育戦略」と「異文化教育」をする
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