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【藤房農園日記】優しさはピスタチオ

先月から近くの直売所にお野菜を置いている。
ここは毎日好きな時に置きにいけるので、自分の農園の八百屋さん感覚で使用でき、大変重宝している。


藤房農園の農地は30年間耕作放棄地であったため、農薬や除草剤の使用もされていない。それは昆虫や生き物を大切にしたい私にとっては大きな利点であったが、同時に土が耕されておらず固くなっているという困った課題もある。


作物が育ちやすい土作りを行うため、私が選んだ方法は有機農法だった。
色んなご縁やタイミングが重なり、近くで有機農法や自然農法を学ぶことができ実践できている。そして慣行栽培ではないお野菜も特に関係がなく直売所に置かせてもらえて感謝しかない。


直売所にお野菜を置くと同時にPOPも手書きで書いている。新参者の私はお野菜を置くだけは売れない。POPを描くことで手に取ってくれる方が少しずつ増えてきた。
お野菜もしなしなになる前には回収し、一番美味しい時に手に取ってもらえる様に小まめに見に行っている。


そんなある日、直売所があるカフェの店員さんに声をかけられた。
「あなたが置いているコーナーから感じる空気が温かくて私はすごく好きです」と。

そう言って店員さんはお野菜を買ってくれた。


またある日は、いつもの様にお野菜を回収したり置いたりして帰る時にカフェの調理担当の店員さんに、ちょいちょいと手招きで呼ばれた。
しょっちゅうカフェに出入りしお野菜を置きに来ているので、何かアカンことでもしたかな。と内心ドギマギしながら店員さんの所に行った。

すると
「ピスタチオ好き?」
と聞かれ


「えっ!?あっ!はい!好きです」
と答えると、


「はい!ピスタチオのカップケーキあげる!」と表面は綺麗に焦げ目がつき、下はピスタチオの薄くて綺麗な緑色の生地になっているカップケーキを手に乗せてくれた。


エッ!?とびっくりしている私に
「いつも頑張ってるで賞だよ」
と言ってくれた。
他の店員さんもニコニコしている。

私は嬉しくて泣きそうになった。
この後すぐに農業のアルバイトに向かう予定だったので、
「ありがとうございます!いただきます!食べたらアルバイト頑張れそう!」と答えて直売所を後にした。


ピスタチオケーキの味はチーズとピスタチオが絶妙に合わさり本当に美味しかった。
まだまだ仕事と子育てで農業にかける時間がない私だがゆっくりでも良い。しっかり農業と土地と人と向き合うことが大切だとピスタチオケーキの甘くて少し大人の味を噛み締めながら感じた。


家族や周囲の人達の支えあってこそ!
感謝を忘れず頑張りたい。

朝採れ人参
自慢の大根(長い根っこが特徴)

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