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滋賀からめざせJリーグ!おじさんサポーター、レイラック滋賀とゆく~2024④

Jリーグを目指す滋賀県のサッカークラブ「レイラック滋賀」のファンになって19年目。いつの間にか白髪が増え、体力もすっかり落ちたけど、クラブはJ入りに向けて全力疾走中。そんなクラブに置いて行かれないよう、今年も応援を続けていきます。
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2024シーズン、Jリーグ入りは…

気がつけば師走へ。夏の暑さにも冬の寒さにも弱いオジさんは、はや厚着の日々、年を取ると足元が冷えますのや。そしてJFL2024シーズンは、11月24日に全30試合を終えました。Jリーグを目指して歩み続けたわれらがレイラック滋賀、さあ今季の結果は!悲願のJリーグ入りは!

     結果は4位、Jリーグ入りならず‥でした。

必死の巻き返しも


最終節、彦根市の平和堂HATOスタジアム

 勝ちきれない試合が続き、中盤までは中位に沈んだレイラック。しかし7月に元京都サンガの角田監誠督が就任し、上昇気流に乗り始めます。巻き返しの要因は、なんと言ってもゴールを奪えるようになったことでしょう。期待の大型ルーキー・奥田陽琉(ひりゅう)選手や、J2山形などで大暴れしたベテラン、ロメロ・フランク選手、攻撃センス抜群の三宅海斗選手ら、今季加入した新戦力がガッチリかみ合うようになり、21節から23節にかけては3試合連続3得点、25節はなんと5得点と猛威を振るいました。これがレイラックの実力や!バース・掛布・岡田、伝説の猛虎打線をほうふつとさせる破壊力やね!

試合前、東コーチと打ち合わせをする角田監督(左)。現役時代と同様、熱いハートでチームを率います。

 この間、角田監督の采配も冴え渡りました。FWの選手をサイドバックに起用したり、サイドが主体だった選手を中央の位置にコンバートするなど、大胆にも思える起用や、試合の中での細かな戦術の修正、試合中の選手交代が結果に結びつきました。
 ちなみに角田監督、試合中はタッチラインに張り付き、ピッチに乗り出すかのような大きな身振り手振り、全身で選手たちに指示を飛ばしています。「本当はベンチで座って冷静に、と思うのですが、何とか勝ちたい、という思いで自然に(ライン際に)出てくるんです」という角田監督。現役時代から変わらない熱さが、選手やサポーターにも乗り移っているようです。
 その成果もあり、われらがレイラック滋賀、Jリーグ参入圏内の2位との差をぐんぐん縮めていきました。一時は絶望的やったけど、こうなったら逆転でJや!

 と、オジさんの士気は絶頂でしたが、11月はじめにJ参入圏の2位高知ユナイテッドとの勝ち点差を一時は5まで縮め、3位に浮上したものの、その後の大事な試合を落としてしまい、最終節も大差で敗戦。4位に終わってしまいました。昨年に続いてああ無情、「滋賀からJリーグ」はまたもや幻に。来年もJFLで戦うことになります。2008年にJFL入りしてから、なかなか卒業できひん。悔しさをかみしめるオジさんなのでした。

驚きの観客数

J参入はなりませんでしたが、サポーターの熱い応援は試合後もやむことがありませんでした。

 しかししかし、レイラックサポーターの熱い声援は今年も最後まで止みませんでした。最終節が行われた彦根市の平和堂HATOスタジアムには、開幕戦に続いて4000人超の観客が集いました。ほかの試合でも2000人超の観客動員を続け、この結果、J参入要件の一つとなる「ホーム試合の平均観客数2000人」を見事突破したんや!これは他のクラブを見渡してもなかなかありません。
 滋賀でこれだけサッカーの試合に人が集まるなんて、まさに快挙です。最終節は対戦相手の三重からも熱心なサポーターが大勢駆けつけ、スタジアムの屋根に声や拍手が反響し、Jリーグもかくや、という迫力ある応援が繰り広げられていました。オジさんもゴール裏で声を涸らしていましたが、ふと振り向くと、後ろの方まで人、人、人の波ではありませんか。大差で負けていても手拍子や旗を振って選手たちを後押ししよう、という分厚い人垣が出来ていました。つい数年前は数百人ほどだった観客数がここまで増えるとは。大歓声を聞く度に、オジさんの目頭はうるうると熱くなったのでした。

別れ、そして来季への想い、日本代表からのメッセージ

 試合後の記者会見に臨んだ角田監督は、J参入が叶わなかった反省を口にしながらも「滋賀の地のサッカーの熱さが身に染みた、滋賀にJクラブを作る、というパワーを感じた(就任からの)4カ月でした」と振り返ってくれました。監督業は初、という角田さん。JFLでありながら、アウエーの地にもサポーターが駆けつけて大きな声援を届ける姿が強く印象に残ったようで、記者会見などで折に触れ「間違いなくJFLで最高のサポーターです」幾度も口にしてくれました。いやこれはサポーター冥利に尽きます。角田監督、おおきに!
 クラブからは、来シーズンも角田監督が指揮を執ることが発表されています。想像以上に監督という仕事の難しさを痛感した、という角田監督は「シーズンオフ期間に来季のサッカーをしっかり考える」といい、さっそくスカウティング活動に奔走するとのこと。「我々ならJに行ける、と信じています。開幕から突っ走りたい」と来季に熱を込めた角田さん。サポーターはついていきまっせ、来季も頼みまっせ!無念のシーズンながら、熱意のこもった指揮官の言葉がオジさんの心を奮い立たせてくれたのでした。

 そしてシーズン終了は来季への出発とともに、サポーターにとって悲しい別れの時でもあります。最終節を前に、クラブからは平尾壮、坂本広大、山口真司選手の引退が発表されました。
 平尾選手はなんと言っても、参入にあと一歩まで迫った昨年の躍進の立役者です。正確無比のキックで幾度もゴールをアシストし、長年低迷していたチームを一気に強豪の座へと引き揚げてくれました。それだけにガンバ大阪をはじめ、多くのJリーグクラブでプレーした平尾選手のラストプレーを勝利で飾れなかったことが残念でなりませんでした。坂本、山口選手もけがなどで思うようにプレーできない中、若い選手が多いチームをまとめ上げ、角田監督も「何度も助けられた」と貢献を口にしました。

ご家族からねぎらいを受ける平尾選手。レイラックを強豪に引き上げてくれました。


日本代表・堂安律選手からのメッセージも!

 セレモニーでは、平尾選手がかつて所属したガンバ大阪の宇佐美貴史選手や、同じく元ガンバで現在はドイツ1部で活躍する日本代表・堂安律選手から、ねぎらいのビデオメッセージが寄せられました。サポーターへのあいさつでは、3選手とも「レイラックをJリーグに入る日が来るように」と口をそろえました。夢叶わず、ピッチを後にする選手たちのことを思うと、こんなところで諦めてはいられません。彼らの思いにも応えてレイラック滋賀を必ずJリーグに。その日まで、このコーナーもしばしのお別れです。

                               江藤均

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