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12/10(土)15時より 京都で、マレーシアと日本をジャランジャラン ~文学の交差点~

日時  2022年12月10日(土) 15時~17時(14時30分開場)       
会場  京都芸術センター ミーティングルーム2(予定)
出演者  ナディア・ハーン(小説家)
     アミール・ムハマド(映像作家・編集者)
     藤井 光(翻訳家・東京大学准教授)
     こまつ あやこ(児童文学作家・図書館司書)*
申込  shorturl.at/bfhsX

*=オンラインでの参加

マレーシアと日本 ~文学の交差点~ 

 突然ですが、「ジャランジャラン(jalan-jalan)」という言葉をご存知でしょうか?
 
 神社で鈴の緒を引くと、響くあの擬音語…ではなく、マレーシア語で「散歩」という意味の言葉です。「ジャラン」は「道/歩く」、「ジャランジャラン」で「散歩をする」となります。言葉を二つ重ねることで、気軽さや楽しさが付与され、あてどなく歩き、楽しい発見に満ち溢れた散歩に出かける、という響きが込められています。

 このたび、国際交流基金の「文芸対話プロジェクト ”YOMU” (よむ)」と京都文学レジデンシー実行員会のコラボレーションにより、日本とマレーシアの文芸関係者による、国際対話事業「マレーシアと日本〜文学の交差点」が実現することとなりました。

 マレーシアの小説家ナディア・ハーンさん、映像作家アミール・ムハマドさん、児童文学作家のこまつあやこさん、翻訳家の藤井光さんをお迎えし、トークセッションを行います。マレーシアの文芸事情や、多言語文化において言葉を綴る営みについてのお話はもちろん、日本語とマレーシア語の違いなどについてお話しいただきます。

 登壇予定のこまつあやこさんのデビュー作『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』(=マレーシア語で五・七・五・七・七)では、マレーシアからの帰国子女の主人公が、マレー語を織り交ぜた短歌を詠んでいます。そのなかから一首を紹介します。

ジャランジャラン 願いを込めてもう一度いっしょに歩いてみたい道です

(『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』講談社)

 先輩に誘われ、吟行(短歌を詠むそぞろ歩き)に出かけた主人公が、短歌で想いを伝えたときの一首です。この短歌をマレー語に翻訳すると次のようになります。

Jalan Jalan, dengan harapan, sekali lagi, ingin berjalan bersama jalan ini

(戸加里康子さん・訳)

 言葉の装いを変えたこの歌は、いったいどんな響きなのだろう? どんな景色が見えるのだろう? 詩歌はマレーシアでどんな形で広がっているのだろう? …一首の短歌からさえ、いろいろな疑問が湧いてきます。

 マレーシアと日本をジャランジャランしながら、二つの国の文芸について思いを馳せる時間を皆様と過ごせたらと思います。12月10日(土)15時~(14時30分開場)@京都芸術センターにて開催です(参加無料)。

 参加申込はこちらから! shorturl.at/bfhsX

登壇者プロフィール

ナディア・ハーン Nadia Khan

 2009年に医学博士号を取得後、天職と信じて作家に転身。
 デビュー作となった小説『Kelabu(グレー)』(2011年、Buku Fixi)はマレーシアでベストセラーに。2作目の中学校を舞台にしたホラー小説『Gantung(吊るされる)』(2013年、Buku Fixi)はテレビシリーズ化され、マレーシアとインドネシアでヒット、同名タイトルでインドネシア語にも翻訳された。さまざまなアンソロジーへの寄稿のほか、これまでに9冊の著書を出版。現在は映画やテレビ向けの執筆や映画制作を行いながら、医学博士として大学で教鞭を執る。応用心理学の修士号も持ち、執筆活動を通じて、人間の行動の不思議を解き明かそうとしている。2021年にJFアジア文芸プロジェクト"YOMU"に参加し、「アンサナ」を寄稿。


アミール・ムハマド Amir Muhammad

 マレーシアの出版者、映画プロデューサー。作家としても活躍。
 山形国際ドキュメンタリー映画祭2003アジア千波万波部門の特別賞受賞。2011年に立ち上げた出版社Buku Fixiからマレー語と英語で250冊以上の本を出版し、映画会社Kuman Picturesは2018年以降6本の映画を制作。個人としても書籍の執筆や映画の監督・制作に携わってきた。現在はパゾリーニの映画の最後のセリフ、「ただ夢を見ればすむのに、なぜ何かを創り出すのか?(Why create something when you can just dream it?)」に影響を受けている。多くの射手座の人同様、星占いは信じていない。


こまつあやこ Komatsu Ayako

 1985年生まれ、作家。
 大学卒業後、学校や公共図書館の司書として勤務。2017年、マレーシアからの帰国子女を主人公とする『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』(講談社)で、第58回講談社児童文学新人賞を受賞し、作家デビュー。2021年、『ハジメテヒラク』(講談社)で第54回日本児童文学者協会新人賞を受賞。その他の著書に、『ポーチとノート』(講談社)、『ノレノレかるた 二人でつくる卒塾制作』(毎日新聞社)がある。


藤井 光 Fuji Hikaru

 1980年大阪生まれ。東京大学文学部准教授。
 著書に『ターミナルから荒れ地へ 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学』など、訳書にオクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』、アンソニー・ドーア『すべての見えない光』、サルバドール・プラセンシア『紙の民』、コルソン・ホワイトヘッド『ニッケル・ボーイズ』、アルフィアン・サアット『マレー素描集』、C・パム・ジャン『その丘が黄金ならば』など。京都文学レジデンシー実行委員。

主催  京都文学レジデンシー実行委員会、国際交流基金
共催  立命館大学国際言語文化研究所、京都市、京都芸術センター
申込
shorturl.at/bfhsX

【京都文学レジデンシー事業の支援のお願い→こちら


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