【イベントレポート】オンラインでデザイン・ものづくりの現場を知ろう! 京都精華大学とオンラインオフィスツアーを開催しました。
こんにちは!京都市わかもの就職支援センターです。
私たちは普段、京都駅近くにある「キャンパスプラザ京都」を拠点として京都で働きたい学生さんをメインに求職者さんの就職・転職活動のサポートや、地域企業の採用活動や人材定着のサポートを行っています。
京都で働きたい人と、地域企業の橋渡しが大きなお仕事です。
面接練習や書類添削といった就活のお手伝いだけでなく、大学と連携しキャリア授業などで地域企業と学生さんの交流の機会のコーディネートを担当しています。
今回は、9月16日に京都精華大学のキャリアセンターと共同で開催したオンラインオフィスツアーの様子をお届けいたします。
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京都には、デザインやものづくり、伝統に関わる企業やアニメやゲームといったカルチャーを生み出す企業、スタートアップ企業など様々な企業が集まっています。
学生の街・京都で、デザインやアートを学んだ学生さんたちが卒業後の進路を考える上で地域企業の魅力を感じてもらえるよう企画しました。
オフィスツアー当日は、京都府下に緊急事態宣言が発出されていたためオンラインでの開催となりました。
当日は京都精華大学のキャリアセンターの方にもお越しいただき、進行を見守っていただきながら、5社のオフィス見学・説明を実施しました。
オンラインでの実施でしたが、パソコンを持ってオフィスをぐるっと見せていただいたり、質疑応答やポートフォリオ(作品集)の添削など学生さんの見たい・知りたい情報をたっぷりご紹介いただきました。
まず一社目はmui Lab株式会社(以下、mui Lab)。
400年以上の歴史を持つ家具街である夷川通沿いにオフィスを構えています。
Calm Technology(穏やかなテクノロジー)を提唱し、UI/UXデザイン(ユーザーとプロダクトを繋ぐもの/ユーザー体験)とそれを実装するためのプロダクトを開発・実装しているスタートアップです。テクノロジーと自然の調和を目指しています。
京都市ではスタートアップ支援にも力を入れていて、歴史ある街の中にこれから活躍の幅を広げるスタートアップ企業も多数誕生しています。
mui Labもそのひとつです。CES2020(世界最大級のエレクトロニクス見本市)でBest of CES賞を受賞するなど、活躍の場をグローバルに広げています。
(プロダクト「mui」のデモンストレーションの様子。)
そんなmui Labのつくるプロダクト「mui」は、室内で使用するスマートホームデバイスです。生活のあらゆる場面でデジタル製品を目にする機会が増え、自然との距離が生じてしまった現代で、生活に寄り添い豊かな生活が送れるよう設計されています。
今回は広報をご担当されている森口さんに会社の理念などをご説明いただきました。
オフィス兼サードプレイスとして運営されているebisugawa saloneでは、9月17日~10月17日までKG+(KOTOGRAPHIE京都国際写真祭と連携して開催する若手写真家の国際作品展)が開催されています。
その様子も見せていただいた後は、なんとオフィスのある夷川通もPC越しに見せていただきました。
画面越しでも、オフィスの様子や周辺環境まで見せていただけ、働く様子が想像できました。
普段目にするデジタルデバイスとは少しコンセプトの異なるmuiとmui Labに、学生さんたちはとても興味を持ったようで、今後の制作活動になにかヒントになる考え方ををもらったのではないかなと思います。
参加学生の感想▼
「社員の方々が働いているオフィスをライブで見ることで、実際の働く雰囲気が掴みやすかったです。グローバルな観点で物事を見られている会社で、デザインに対する視野がすごく広いと感じました。」
「最新のテクノロジーを入れ、手書きのメッセージを送ることで相手に気持ちが伝わるという、今の時代に足りないものが解消されるデザインが素晴らしいと思いました。」
「最先端のデジタル技術を用いながら、木という素材に拘ったり、ラジオのチューニングを昔ながらのスタイルにしたりと、アナログ感も大切にしているところも印象に残りました。」
2社目は株式会社松栄堂(以下、松栄堂)。地下鉄丸太町駅のすぐそばに本店を構える松栄堂は、創業300年を超える老舗薫香堂です。商品の開発・製造から販売まで手掛けていらっしゃいます。
本店の隣には日本の香り文化の情報発信拠点「薫習館」があり、職人の手作業でつくられる様子を見学できるほか、様々なイベントや展示などが企画されています。
「香りある豊かな暮らし」をテーマに、SNSでの情報発信や「ことことワゴン」というオリジナルデザインのワゴンカーでの移動販売など、新しい取り組みも積極的に行われています。
この後に説明いただいた株式会社マーブル(以下、マーブル)がWEBサイトやパッケージデザインなどを手掛けています。どれも上品さは失わず、インテリアにも馴染む素敵なデザインですね。
今回のオフィスツアーでは、広報や採用を担当されている方に加え、芸術系の大学卒業後に松栄堂に入社しデザインや企画を担当されている方にもお話いただきました。
入社して2年〜5年目の方のお仕事内容を伺うことができ、学生さんたちはとても親近感を持って聞くことができたようです。
また、松栄堂は日本の香り文化を伝えるため、デザインや商品作りにもこだわりをもち、製造をされています。
商品カタログの制作をされる際のデザイナーとのやり取りなども教えていただき、制作物がお客様の手元に届くまでにどのような過程が必要なのか知ることができました。
最後に、企業の方から「今まで学んだことを活かせる職場を探すのではなく、どこにいても活かそうと頑張ってください」と励ましのお言葉をいただきました。
参加学生の感想▼
「お香にデザインがどう関わるのだろうと思っていましたが、お香の形やお香たて、パッケージなどかなり幅広く関わっていて驚きました。」
「300年という伝統と、新たな取り組みへの熱意を強く感じました。デザイン面の話も多く、香りで生活を豊かにする商品の存在の素晴らしさを改めて感じました。薫習館にも一度足を運んでみたいです。」
「私たちと同じ芸術大学出身の方のお話を聞けたのはとても貴重な経験になりました。お仕事の内容や松栄堂さんについて詳しく知れたのはもちろん、社員さんご自身の経験やプライベートも大切にしていることなどを聞けたことで自分が働くイメージを膨らませることができました。」
3社目は、グループをわけ3社にお話いただきました。
まずは株式会社マーブル(以下、マーブル)。
代表が大学院生の頃に立ち上げたというマーブルは、智恵光院に拠点を持ちデザインオフィスとカフェを併設しています。
本社のあるビルは、地下一階にコーヒーの焙煎所、1階・2階にカフェ、3階に雑貨などを販売するショップ、4階にデザインオフィスとおしゃれな空間が広がります。
デザイン部では、グラフィックデザインやWEBデザインをはじめ、自社のカフェで使用されているメニューやSNS投稿用の画像などを制作されています。
もともと、まかないとしてはじめた食事が人気でカフェもはじめたそうですが、キッシュやカレーなどの食事メニューはもちろん、ドリンクやケーキもとても美味しいので、お近くの方はぜひ行ってみてください。
(地下の焙煎所では、コーヒー豆が並んでいました。使用されているポップなども自社でデザインされています。)
会社の説明と、これまでに制作されてきた実績を数多く見せていただきました。
たくさんのお仕事をされていますが、どのデザインも商品やイベントなどの特徴がよく表されていて見ているだけでわくわくしてきます。
さらに本社が入っている建物もフロアごとにご説明いただき、こだわりの空間を見ることができました。日当たりがとてもよく、気持ちよさそうなオフィスフロアは日中は制作物の色校正も自然光でできるのでデザイナーにとってうれしいポイントではないかなと思いました。
最後には、希望者にポートフォリオの添削を行っていただきました。
学生さんからの質問にも丁寧に答えてくださり、ポートフォリオを作る際に何を伝えたいのか、作品作りにも通じる大切なことを教えていただきました。
参加学生の感想▼
「クライアントと社員を大切にされている印象でした。デザインはもちろん、社内環境や社員の方の雰囲気がとても魅力的に感じられたため、また個人的にもお話を伺いに行きたいです。」
「イラストのビジュアルがとても印象に残り、人の心を温かくするデザインだなと思いました。どのプロダクトを見ても共通して感じられることだったので、何か共通するテーマを決めて制作することが大切だと思いました。」
もう一社は株式会社フィールド(以下、フィールド)。
会社説明を行っていただいた方も京都精華大学のご出身で、学生さんたちは先輩からお話を聞くことができました。
四条烏丸に本社を構えるフィールドは、「喜ぶ人をデザインする」をビジョンに掲げ、グラフィックデザインやWEBデザインを中心に制作を行っている企業です。シンプルな中にもさりげなくかわいい要素があり、会社の行動指針である「シンプルに考える」が表れているなと感じます。
(会社案内にも行動指針が掲載されています。)
フィールドでは、クライアントワークのほかに、自主企画として「乙女の祇園祭」も行っています。
https://www.otomenokyoto.com/
「伝統だって、かわいくなくちゃ」をテーマに、祇園祭にちなんだモチーフを御朱印帖やマスキングテープといったアイテムにかわいいデザインを施しています。東急ハンズなどでも販売されているので、気になる方はぜひ。
フィールドでは、オフィスフロアをぐるっと画面越しに見せてくださり、働く環境を知ることができました。
また、会社案内では平均年齢や男女比に加え、「ぜひ相性を占ってください(笑)」と干支や星座、血液型などの割合も見せていただきました。こういった情報はなかなか見ることができないので、おもしろいですね!
ちなみに、干支や星座などあまり偏りがなくバランスの良い印象でした。
頻繁に席替え(チーム編成の入れ替え)を行っているそうで、いつでも新鮮な気持ちで働くことができそうだなと思いました。
フィールドには営業職の方がいないので、デザイナーなど制作チームがクライアントと直接やりとりをすることが特徴的です。
直接やりとりができるからこそ、クライアントの要望や意図がスピーディーにわかるという面もあります。
フィールドならではの方針をいくつも知ることができた説明会でした。
参加学生の感想▼
「WEBやグラフィックを扱う会社は多くあり、制作物を見るだけではあまり会社ごとの違いがよくわからなかったのですが、ホームページには載っていないような会社の中のことを知ることができて、会社の個性が見えた気がします。」
「クライアントだけではなくその周りの人達のことも考えてより良い物を作ることが大事だと思いました。」
最後の一社は株式会社界グラフィックス(以下、界グラフィックス)。
「誰かの心を動かす力をもった[最良のモノづくり]を世界に届けること。」を追求し、家庭用ゲームやアプリの開発、アミューズメントゲームのソフトウェア開発などを行っている会社です。
「星のドラゴンクエスト」など有名タイトルも手掛ける界グラフィックスは、ジャンルを問わず高い3D技術が武器です。ゲームセンターで遊んだゲームが、実は界グラフィックスが手掛けたものだった、ということもありそうですね。
また、社員の方の働きやすさも重視されており、コロナ禍の現在はリモートワークを中心に制作を行われています。
(11月から3月末まで、ウィンターインターンシップを実施されています。オンライン形式なので、興味のある方はぜひ!)
今回のオフィスツアーでは会社説明と、2Dデザイナーと3Dデザイナーの具体的なお仕事内容、ポートフォリオの作り方のレクチャー、希望者にはポートフォリオの講評も行っていただきました。
これからポートフォリオをつくるという方も多かったので、ポートフォリオの作り方はとても参考になったのではないでしょうか。
講評の時間も、一人ひとり丁寧にアドバイスをくださり、掲載作品の選び方や今後心がけるとよいことなど学びの多い時間となりました。
参加学生の感想▼
「今まで私の中でポートフォリオは難しいものだと考えていたのですが、『ポートフォリオの作品は自分で作った最高の作品をたくさん載せればいい』とおっしゃっていただけ考え方が変わりました。オリジナルで楽しい作品をたくさん作っていきます。」
「企業紹介では、社員のことをとても大事にしていることが伝わってきました。ポートフォリオについても説明がとてもわかりやすく、質問にも丁寧に答えていただけてとても実のある内容でした。」
「コロナ禍での働き方や界グラフィックスさんの個性がわかりやすく掴むことができました。ポートフォリオの内容も細かく説明していただきゲーム業界を目指す学生にとってとても参考になる内容でした。」
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オンラインオフィスツアーの様子、いかがだったでしょうか。
地域企業の働き方や雰囲気が少しでも伝わればうれしいです!
今回のオンラインオフィスツアーでは、会社のHPを見るだけでは伝わりきらない働く雰囲気や魅力が伝わる内容となりました。
質疑応答の時間では、緊張しつつも企業の方に質問をしたり感想をお伝えする姿を見ながら心の中で「がんばれー!」と応援していました。
自分が学生だった頃のことを思い出すと、アルバイト先の方や大学職員の方以外とお話する機会もあまりなく、社会人の方とお話をすることにとても勇気が必要だったなと思いました。
こうして社会人の方との交流の機会を通して、もっともっと会社のこと、働き方のこと、働く人の方のことを知っていってほしいなと思います。
しばらくコロナ禍は続きそうですが、センターでもオンラインを活用しつつ働く現場を見たり、社会人と学生さんが交流できる場を作っていきたいと思います。
また、この記事を読んで「京都企業で働いてみたいな」と思われた方は、ぜひ当センターのカウンセリングをご利用ださい!
京都企業への就職を目指している方であれば、京都府外にお住まいでもご利用いただけます。
サポート内容はこちらから▼
https://kyoto-wakamono.org/event_for-college/information/supporter-kyoto/
最後までお読みいただきありがとうございました!
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