フィンランドのクリスマスツリー
今日はクリスマス。
その昔、私が日本語学校で教え始め、初めて授業をしたクラスに、フィンランドから来た夫婦がいた。
授業でクリスマスの話になったときのこと。
「フィンランドの私のふるさとでは、森から木を切ってきて、クリスマスツリーにします。家で飾りも作ったりして、とってもきれいなんですよ」
ご主人の方が、それは楽しそうに話してくれたのだった。
私はこの話を聞くやいなや、森から木を切る?一人で木を切るんだろうか?どうやって運ぶんだろう?などなど、頭の中でクエスチョンがぐるぐる回り出した。
彼の話によると、あまりに高さがある木だと、家の中に運び込むのにも大変。飾りつけにも、はしごか脚立なんかが必要になる。だから、無理なくできる範囲の木をクリスマスツリーにするらしかった。
考えてもみたら、私は家の中で、実際の木がクリスマスツリーになっているのを見たことがない。幼かったときに実家に飾られていたツリーも、友達の家のも、親戚の家で見たツリーも全部、イミテーション。それでも家にあるだけで、パッと華やいでクリスマスを十分すぎるくらい実感していた。そのときの私は、これがクリスマスのツリーだと心底、思っていた。
でも彼の話を聞いて、100%天然のクリスマスツリーも、世界にあることを知ったのだった。森と湖の国・フィンランドなら、好きなように作れる個性的なツリーも、たくさんできそうだ。森から切ってきて、それに飾りつけするなんて、なんて夢があるんだろう!もちろん切っても良い木をツリーにするんだろうけれど、自然も感じられるお手製感いっぱいの温かなクリスマスツリー。このツリーを囲んで家族や親しい人たちと、幸せでぬくもりのあるやさしいクリスマスを過ごせるなんて、素敵だなあ・・・
北欧フィンランドのクリスマスツリーのことをふっと思い出した、2021年日本でのクリスマスの夜。
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