「白紙の時間」の意味
朝から、私の心と脳に強烈な一打を加えられ震えた。
新聞の中にあった美容ジャーナリスト・エッセイストの齋藤 薫さんの言葉である。「当たり前が当たり前でなくなる事態は、逆に自分の生き方をゼロに戻してイチからから立て直す、予期せぬエネルギーを与えてくれるはずなのだ。この際何かやり直したいと思い立ったら、まず自分の中のモヤモヤを解決する形で、具体的なリセットをしてほしい。(中略)ともかく心に引っかかっていたことを、クリアにする。それが生き方のリセットのコツ」
今はまさにそんなとき。コロナ禍で自分のみならず、多くの人の生活を、人生を変えざるを得なくなってしまった。私も満員電車に乗って通勤し、普通に留学生や同僚の先生方と話し、好きな時に好きな場所に行ける自由を意識することなく、享受していた。しかし、ある日を境に突然、人生の「白紙の時間」を与えられたのだ。
適度に外に出て、何気なく人々と交流することで(これは単に電車の中や街中での人間ウオッチングも含まれる)、心のバランスをうまく保っていたのだなと今更ながら実感する。そんな中で自宅にとどまればとどまるほど、何か自分の心が安定しなくなっているのを感じた。心の中が霧に包まれたようにモヤモヤしている。何だろう、これは?今までにない感覚だった。自分の体の中の芯がしっかり通っていないのを感じていた時、知人からnoteを紹介された。
静かさに、品性の良さ。多くの人の思いを、それぞれの分野で表出しているnote。偶然出会ったnoteに、私は自由に自分の気持ちを綴った。こういったデジタルコンテンツに書いたこともなかったから、ドキドキの投稿だった。しかし、何人かの方が私の拙文を読み、「スキ」してくださる。本当に嬉しく、幸せな思いだ。何回かのエッセイの投稿で、私の心のモヤモヤは、すっかり雲散霧消された。そうだった。自分の本当の気持ちを誰にも話せていなかったからなんだ。様々な思いをnoteにアウトプットすることで、心がクリアにされ、これまでの私のすべてをリセットしてくれたのだった。
人生の「白紙の時間」。noteに出会って、文章を書くことで、自分の内面を見つめられる。人生の宝物を見つけた思いだ。このときだからこそ、見つけられた自分の宝物だと言えるのかもしれない。「宝の持ち腐れ」にならないように、「毎日をきちんと生き直す」思いで、今後もnoteと仲良く歩んでいきたい。
引用 美しい歳の重ね方 “一生美人”力 vol.117 齋藤薫(2020年4月11日 朝日新聞朝刊)
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