75歳の誕生日に想う
以前俺はよく団塊の世代が生きた時代だけが辛うじて平和だったとは皮肉だと書いていたが、結局はその時代は未だ新憲法が辛うじて機能していたのだと気付いた!
科学一辺倒の時代、科学さえ発達すれば皆幸せになれると信じていた時代なのだ!
日本人が現在抱えている問題の大部分は憲法を守りさえすれば解決するものばかりである。
そこで日本人にとって新憲法が最大な不幸だったという逆説的極論が成り立つのだ、何故なら憲法前文に歌われている「人類普遍の原理」を日本人は理解できないからだ。
38で会社を辞め、予備知識が無いうちに、自分は何が不満で停滞してるのか書き留めておこうと1992年に名刺が割りに刷って配っていた小冊子『ワンネス』の結論も一元論だったし、26年後にに完成した近代文明(洋魂洋才=魂才一致)の図解が図らずもヘーゲルの一元論に一致して回帰したことは俺にとっては奇跡みたいなものだし、俺が所謂失われた30年に得たものは大きい。
「柳田國男は教義のない神道のバイブル作りがしたかった。」
彼の所謂「第二部を」誰も手掛けなかったということもあるが、
「柳田國男の括り出した日本人らしさが悉く近代文明にそぐわなかった。」
孫の芳秋は、
日本語取り扱い説明書がついてこなかった近代文明の取説を作ろうと試み、
30年掛けて近代文明(洋魂洋才=普遍主義)の図を完成させた。
近代文明は全能性追求を目的に、普遍性追求を手段にした個(一)から全への思考の循環システムである。
所詮この世は自分と他人という与件から、
如何にして自由・平等・博愛を導き出したか、
如何にして科学が生まれたか、
も知らずに、人権或いは科学を語ることこそが間違いのもとなのである。
全能性追求姿勢、普遍性追求姿勢の欠如する日本人が相対化することすら難しく、科学的、論理的な思考ができるかが甚だ疑問である。
相対化できないので、
自分だけは常に特殊で例外、
日本の常識は世界の非常識、
拡散する一方で収斂に持ち込めない、
論理的でない=科学的でない=相対化できない=未開=インチキ先進国なのである。
「未開だから理解できない、理解できないから未開のまま。」
哲学とは自分で考えることであり、科学とは知ることである。
普遍性の追求をすれば自ずと同じところに行き着く、
相対化をし尽くせば回帰する、それが自然の摂理である。
デカルトの二元論もヘーゲルの一元論あってのもの、
マルキシズムも普遍主義のアンチテーゼ、
無神論も有神論あってのものである。
相対化はし尽くした
後は自由裁量
詰まり好き嫌い
イデオロギーの違いは逃げるしかない
世界平和は祈るしかない
日本人に必要なのは理念と実践である。
人生がセオリーでありセオリーが人生でもある、
俺は只日本人の文明化を体現しているに過ぎない、
我が人生に悔いはなし、只々女房に感謝するのみ。
俺は魂才一致を唱え、和魂洋才を否定し、洋魂洋才を学んで理解しろと言う信の元に和魂洋才の捻れを取り払う為に国籍離脱した人間であるので基本的に和魂を守るのは無理だと考えている。
ちゃんとした社会がないインチキ先進国の日本にも、社会学が存在し、社会学博士までいる。
これが加藤周一氏の所謂、
「日本は思想と生活が全く関係ない、何故なら思想が外来だからである」に尽きる。
「輸入の学説は全てデカルト以降の社会に対応していて、日本のような前近代中世オカルトの社会には対応していない。」
にも関わらず日本人は輸入の学説をああでもないこうでもないと披瀝するので従これが輸入の学説で日本を断罪する結果を招いているのだ。
日本の社会は遅々として進化しないが、輸入の学説はお構いなしにどんどん前に進む、それに疑問すら抱かない日本の学者連中!
近代文明ひいては科学が普遍主義で構築されている以上それを避けて通ることはできない、残された道は前文の人類普遍の原理を学び理解することだけ!
未開だから理解できない、理解できないから未開のままとはこういうことだよ!
「近代文明ひいては科学が普遍主義で構築されている以上それを避けて通ることはできない、それを避けて通ろうとしているのが日本人である。」
世界が全て普遍主義を前提で動いている時何の知識の持ち合わせもない、それどころか理解できないので拒絶してしまったのだ!
以前も書いたが、
「輸入の学問では日本の心は解けない」というのが和魂であり、
「輸入の学説でしか解説すらできない」という矛盾を孕んでいるのである。
俺の所謂、
輸入の学問では日本の心は解けないと言いつつ、輸入の手法でしか解説すらできないという矛盾を孕んでいる。」
である。
「日本は近代化(科学が既にあった時代)から参入しているので、文明化(世俗化=聖俗分離で科学が生まれた時代)の知識がスッポリ抜けている。」
「日本は独自の学問体系を築けなかった為に知の蓄積がない、故にここ迄は公理であるという共通の認識がないので、各自一から学ばなければならない。」
憲法学者以下誰一人として憲法前文の人類普遍の原理に言及しない、
右も左も普遍主義は拒絶している、
「普遍主義を拒絶して残る統一規範は右傾化か左傾化しかない、何れにせよ自由はない、天皇制のある日本は右傾化しかない。」
「日本人にとって新憲法が最大な不幸だったという逆説的極論が成り立つ。」
逆説でも極論でもなかったということ!
「聖俗一致で普遍を拒絶するイスラムと聖俗未分離で普遍主義を拒絶する日本は自由よりも寧ろ秩序を好むという点で似ている。」
「結局日本もイラク、アフガンと同じ、要らない自由をアメリカに押し付けられた被害国なのである。」
✴︎括弧内は以前より筆者が頻繁に使用する常套句である。