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【学校の気になるあれこれ】部活の顧問の決め方@現役中学教師
このシリーズでは、学校の実情や裏側についてお話しします。特に、教員ではない方に向けた内容となっていますが、現職の先生方にも共感いただける部分があると思います。
ここでの内容は、捉え方によっては『教師の魅力』とは正反対の内容かもしれません…
しかし、多くの人に理解してもらうことが、更なる『教師の魅力』につながると考えています。
また、最近では教師の多忙さが話題になることが多く、学校に子供を通わせている保護者の方も「先生にどこまでお願いしていいのか」と迷うこともあるかと思います。
現役教師の視点で、具体例を交えながらその基準もお伝えします。
ニュースで目にする「教師の働き方改革」や「過重労働」の背景には何があるのか…
部活の顧問ってどうやって決めるの?
みなさん、部活動の顧問がどうやって決まるか知っていますか?
実は意外と知られていないこの仕組み。この記事では、先生たちがどのように顧問になるのか、その舞台裏や課題についてお話しします。
① 異動先の空き部活に配属される
基本的に、異動した先の学校で空いている部活の顧問を担当します。
たまたま自分の専門分野が空いていればラッキーですが、そうでない場合も多いです。
もちろん、音楽の先生は吹奏楽部、美術の先生は美術部というように、なんとなく決まっているものもあります。
特に新任の先生は、経験ゼロの状態で顧問を始めるケースも少なくありません。まずはルールや練習方法を覚えるところからスタートです。
② 中体連の関係で異動する場合も
中体連(中学校体育連盟)は、中学校の部活動をサポートし、大会運営を行う組織です。
長年同じ部活を担当していると、大会運営や選抜指導に携わる機会が増えるため、実績のある先生が優先的に異動する場合もあります。
こうして先生の経験や実績を活かし、スムーズに運営を進める仕組みがあるのです。
③ 部活の顧問をしない先生もいる
家庭の事情や希望が考慮され、顧問を担当しない先生もいます。
最近では部活動の地域移行も進んでおり、将来的には全ての部活動を地域に委ねる方向に動いていますが、まだ時間がかかりそうです。
顧問の決め方が抱える課題
課題① 経験ゼロからのスタート
例えば、バスケを一度もやったことがないのに「明日からバスケ部の顧問です」と言われたらどう思いますか?
これが現実です。もちろん技術指導が全てではありませんが、生徒をサポートする上での知識や経験不足に悩む先生も多いのが実情です。
課題② 保護者とのギャップ
小学校時代にクラブチームで活躍していた子どもの保護者から、「もっと高度な指導を」と期待されることも。
しかし、3月まで大学生だった新任の先生がその期待に応えるのは難しい場合もあります。
読者(保護者)へ
一つだけお願いしたいのは、教員は専門的な技術指導のために先生になったわけではないということをご理解いただきたいのです。
もちろん、部活動に情熱を持つ先生もいますが、ほとんどの教員は「授業」を中心に据えて教職を志しています。
私たちの仕事は、生徒たちを全国大会に連れて行くことが目的ではなく、部活動を通じて子どもたちの成長を支えることです。
私自身の経験
これまで私はバスケ部、陸上部、卓球部の顧問を経験しました。どれも未経験の競技でしたが、本を読んだり、経験者に教わったりして、一生懸命に取り組んできました。
その中で感じたのは、技術よりも部活動を通して子どもたちが成長していく姿を見守る喜びでした。
最後に
最近、メディアでも部活動のあり方が注目されています。これからの変化はまだ未知数ですが、私たち教員が子どもたちを応援したいという思いは変わりません。
このように、先生たちの立場や状況を少しでも知っていただけたら嬉しいです。
興味を持っていただけたら、ぜひフォローやスキをお願いします。
過去に
【学校の気になるあれこれ】教員の1日
を紹介した記事もあります。
よければ、ご覧ください。