記野式:サクッと!ゲーム業界講座 1月後半号
すっかりお正月気分も抜けてしまいましたが、アジアでは日本以外の大部分で旧正月に入っていますね。昨年の1月後半号を見直していたら、MicrosoftがActivision Blizzardを買収!というニュースで始まっていました。あれから1年ですかぁ。
新型コロナ感染拡大時は意外とIT、テック業界が最高益を更新していたのですが、2022年下半期くらいからRecession(不景気)って言葉が独り歩きしていて、お伝えしている通りテック大手のリストラが激しいです。結果が出てないのに、膨らんだ人員を削っておくって発想は日本人にはないのでちょっと不思議な感じですが、困ってからでは遅いってことなんですかね。
さて、今号ではアメリカ市場データNPDの12月分をレポートします。ようやく2022年最終月のデータがそろいました。加えて、ヨーロッパ、イギリスの12月のゲーム市場、それから12月の世界のモバイルゲーム市場についても報告します。
その前に前号で書きそびれた「2023年ゲーム業界の展望」をまえがきで語りたいと思います。今号も長いですがおつきあい下さいませ!
今回の為替レートは1ドル=130円、1中国元=19.2円で計算しています。
<記野式まえがき:2023年ゲーム業界の展望 前編>
もう年が明けて1か月近く経とうとしています。ココで2023年の世界のゲーム産業がどうなっていくのかについて様々な推測が上がってきています。日本で私の持論をインターネット上で展開すればそれはそれで問題かもしれません(笑)ので、海外のアナリストやメディアのコラムなどを紹介しながら世界のアナリストたちが考えるゲーム業界の展望について報告、そして最後に記野式まとめをしたいと思います。記事としてはあまりに長すぎるので、今号は前編として次号のまえがきで後編をお届けしますね。
さて、2022年にはゲーム業界を含むいろいろなことがありました。ロシア-ウクライナ戦争とそれに伴うエネルギー資源の高騰、急激な為替変動、ポストコロナによる消費者の購買意欲の冷え込み、サプライチェーン回復の遅れ、そして各国で大不況の予兆などなど。
ゲーム業界に特化して見てみると、前年から続くコンソールハードウェア供給の遅れ、ゲーム開発の遅れ、モバイルプライバシーの強化、中国市場の規制と混乱などなどやはりたくさんのこと起こりましたよねぇ。
記野式では繰り返しお話ししていますが、新型コロナ感染拡大期に家でゲームを楽しんでいた消費者にとってはゲームはもう生活の一部であり、外に外出することができるようになってもゲームを続けてくれているのです。つまり、需要は引き続きあるのです。
ところが、半導体不足やサプライチェーンの崩壊などによりハードウェアの供給が長い間追いつかず、欲しいユーザーの手にはまだまだ届いていない状況が続いていました。ハードウェアが出回らなければソフト側も供給が鈍ります。また、新型コロナ感染拡大期に混乱したゲーム開発現場でもゲーム開発は遅れています。それらの様々な要因により2022年のゲーム市場は伸び悩んでいました。
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