大阪コミコン2023でマッツ・ミケルセンに会った日の話
はじめに
あの日から数日が経ち、いまだ余韻の中でふわふわした日々を過ごしながらも気づいたら写真を眺めては顔を溶かしているわたし。
もうねデッロデロのデロ、意味もなくにやけちゃう。綻んじゃう、顔が。
今こんな状態なのに撮影時にマッツの隣でよく人の形を保てたなと自分を褒めてやりたい。写真を何度見返してもやっぱり信じられないので、あれは夢だったのでは…?と思っている。
でも夢にはしたくないのでオブリビエイト(忘却呪文)されつつある記憶を振り絞ってレポを書いていきます。レポというかほぼエッセイというか。
書き始めたら筆が乗りまくってしまい短編小説ぐらいの長さになってしまいましたが、最後までお付き合いのほどどうぞよろしくお願いします。
大阪コミコン2日目、2023年5月6日午前11時からのマッツ・ミケルセン撮影チケットを手にしたわたしはイベント当日の午前10時頃、インテックス大阪の前にいた。
友人とは撮影後に合流予定のため、約10年間推してきた俳優との初対面にたったひとりで挑もうとしていたのだ。
しかも今回のコミコンは初となる大阪開催。加えてインテックス大阪へ行くのも初めてなので撮影云々よりもちゃんと会場に入れるか、撮影時刻に間に合うのかの心配が勝っていた。
入場口へは多くの人が並んでいたが、初日の大変混雑した様子をTwitterで調べまくっていたわたしはこのくらいなら20分程度で入場できて10時30分頃には撮影の列に並べるだろう、と高を括り列に加わっていた。
この日の天気予報は曇りのち雨。
どんよりとした灰色の空の下、ジリジリと進む列の中で周りから聞こえてくる映画や海外俳優の話題を盗み聞いていると分厚い雲の隙間から陽の光が射してきた。
わっ!晴れたじゃーん♪幸先いいね!と胸を躍らせ、引き続き入場できるのを待つ。
喜んだのも、束の間。
……暑い。
そういえば日焼け止め、顔にしか塗ってないな。顔面に力を入れすぎて他のところがノーマークだった。
そして列の進みが予想してたよりも、遅い。
背伸びをして前方を確認すると入場口だと思っていた所はただの中間地点で、本来の入場口はもっと奥にあることに気がついた。時刻はすでに10時20分を回っている。
……まずい。
並び始めてから半分も進んでない。入場してトイレでメイク直しをしたいのにこのままではそれもできず、最悪撮影にも間に合わない可能性すらでてきた。
慌ててTwitterを開く。
"大阪コミコン 入場口 セレブエリア入り口" "マッツ" "マッツ 撮影" "マッツ 11時撮影"
思いつく限りの単語を入れて検索にかける。
「大阪コミコン、頼むから入場口とセレブエリア入り口を分けてくれ…」「大阪コミコン2日目は入場口の列とセレブエリア入り口の列が分けられて改善されてるよー!」「マッツやばい」「マッツと撮影できる人羨ましい…」「マッツ撮影当日券追加販売!」「マッツほんとにいた…」「マッツほんのり煙草のにおいした…」「はあ、マッツ……」
色んな情報と思いが交錯している。
その中で見つけた「マッツ11時からの撮影の列に並んだ〜!」という1時間前のツイート。
1時間前のツイート??!!え??!1時間前??!!11時からの待機列1時間前にもうできてんの??!!ていうか前回の東京の時は30分前には撮影の列に並んでたのに今入場すらできてないはもしかしてやばいのでは???
徐々に襲ってくる焦りと照りつける陽の光で熱くなる身体。
……ここまで並んだけど一旦列から出てスタッフに聞くのがいい気がする… つーか最初からそうすりゃよかったのに…なんで呑気に列に並んだんだろう…本当に読みが甘いよね…ばーかばーか…。
と自分を責め、人を掻き分け列から転がり出た。
ス、スタッフー!!!!
目についたスタッフたちはみな誰かの案内をしている。みんな聞きまくってる…ここでは情弱は死ぬんだ…。
案内を終えフリーになったスタッフのもとへ駆け寄る。
「すみません、11時からの撮影なんですけど…ここに並んでたらいいですか?」
「チケットは電子のQRコードとかですか?」
手に紙チケット持ってんだけどな。
「いや、チケットはあります!」
「え〜と、それならこの入場口までの列に並んでいただいたら〜そうですね〜ここからなら10分くらいで入場できると思います!」
20分ほど並んで半分しか進まなかったんだよね。
「あの、撮影エリアに入るのに優先の入り口とかないんですか…?」
「そうですね〜…このまま並んで入場していただいてから撮影エリアに向かっていたんだければ!」
「あ〜…わっ…かりました…ありがとうございます!」
こっちは入り口分けられてるという情報持ってんのよ。このスタッフはだめだ。
そう、これがコミコン。
スタッフ間で情報が共有されていないことがあり、聞く人によって全く当てにならないことが度々ある。(もちろん中には頼りになるスタッフもいる。)故に常連の参加者たちは運営をあまり信用しておらず、都度現場で変化する情報を流してくれる親切なTwitter民の言うことを信じているのだ。
スス、スタッフー!!!!!
近くにいた別のスタッフに声をかける。
「すみません、11時からの撮影なんですけど間に合わないかもしれなくて…。」
「あ、間に合わない感じですか?それなら再入場口へ行っていただいてその場にいるスタッフにその旨伝えていただいたら入場できるので…。」
「…!!ありがとうございます!!!!」
神スタッフだ!!ありがとう!!でもこれまた再入場口で揉めたりしないかな!!拭えぬ不安!!!
踵を返し、先ほどまでいた行列の横を早足で通り過ぎて再入場口へと向かった。
「すみません、撮影11時からで間に合わないかもってスタッフさんに聞いたら再入場口に行ってくださいって言われたんですけど…。」
「撮影ですね!入場チケット拝見します!ありがとうございます。あと荷物チェックさせていただきます〜…。はい、大丈夫です!入場のリストバンドつけさせていただきますね〜、どうぞ!」
あっさりと入場。あっさりと入場できちゃった。なんだったんさっきまでの時間。信用してないとかいう前にとっとと聞けばよかった。今回のスタッフはひと味違うかもしれない。
ありがとうスタッフの皆さん、日々お疲れ様です。
さて、入場してしまえばもうこっちのもんである。入ってすぐの広場にいるコスプレイヤーたちを横目に撮影の列がある場所へと向かう。
トイレはたぶん混雑してるだろうし、メイク直しは待機列でしよう。並ぶ時間は30分くらいあるだろうから落ち着いてからでいい。
全身にじんわりと汗をかきながら11時からの撮影の案内をしている列に並んだ。
10時30分過ぎ、撮影ブースがあるセレブエリアへ入る。
黒いボックスがいくつか並び、その上の天井から海外俳優の顔写真と名前が書かれた大きな垂れ幕がそれぞれ吊られている。
いちばん手前にあるマッツ・ミケルセンの垂れ幕。20mほど先にあるあの黒い撮影ボックスの中にはマッツがいるのだ。
ギェー。
急に現実味を帯びてきて心拍数が上がる。
マッツの待機列の人の数は圧倒的に多く、女性が9割を占めていた。
すげぇぜ…マッツ…。女性人気がすげぇぜ…。ここにいるのはみんなマッツの女なのか…。おそろしい、なんて男なの…。そしてみな手鏡やスマホの画面でメイク直しや身だしなみのチェックをしている。
わたしもしないと…!
先ほどかいた汗はひく気配はないし全然落ち着いてもないけど、とりあえずメイク直しをしよう。マスクのせいか緊張のせいか、唇の色はすでにない気がする。
マスクを外し小さな手鏡でメイクがよれた部分を確認しようとしたところで、ふと気がつく。
列の進みが異常に速い。全然立ち止まれない。ズンズン進む。
え、待って待って、速い速い。このスピードじゃ撮影ボックスまであと10分もかからないかもしれない。え、待って、マッツ、待って。
噂には聞いていたマッツの撮影はベルトコンベア。
こんなに速いとは思ってないじゃん。比喩とかではなくまじでベルトコンベアじゃん。
待って、せめて顔面直させて!
友人にLINEをする。
「むりかも」
「心をしっかり!」
「列進むのめっちゃ速い」
「まじか!頑張って!」
「どどど」
「落ち着いて!無理やけど!」
「無理よな笑笑」
無理とかそういう次元の話?
10時46分、あれよあれよという間に列の最後の折り返しまで来てしまった。焦りながらもなんとか顔を整え、髪型や服装のチェックは撮影ボックス前にあるだろう姿鏡ですることにした。
「空いてるところに詰めて荷物を預けてくださ〜い!チケットと貴重品のみを手に持って進んでくださ〜い!」
撮影をする際、荷物はすべて手前のカゴに預ける。わたしを含む数名の前に待機している人たちがいたのでこの人たちの後ろに並びなおすんだろうな〜と思いつつ、スタッフに言われた通りチケットと貴重品を手に持ち、空いているカゴに荷物を預けた。
「チケット拝見しますね〜。」
そのままの流れで撮影ボックスの前に立ってるスタッフにチケットを見せる。
……ん?わたしたちの前にいた人たちの後ろに並ぶんじゃないの?あれ?姿鏡ないじゃん?前の東京の時はあったのに。あれれ?撮影ボックスもう目の前だけど??あらら?…このままじゃ入っちゃうね??あれあれ?……入っちゃった!!!
人間これだけスピーディに事が進むと緊張とかそういうのよりも驚きが勝つ。ぬるりと侵入してしまった撮影ボックスの中では、お馴染みのコミコンマークが入った薄い水色のバックスクリーンが照明の光を浴び、青白く光っていた。
その前に立ち次々と撮影してるマッツ・ミケルセン。
グワーーーーー!!!!!!!
マッツが!!!おる!!!!!!いつも画面越しに見るまんまのマッツがおる!!!!立体のマッツがおる!!!!!どこからどう見てもいつも見てるマッツがおる!!!!!動いとる!!!!!脚長ッ!!!顔小さッ!!!スタイル良ッ!!!!!意味がわからん!!!!!そして今日は紺のシャツなんだね!!!!ありがとう!!!!!!
と、生のマッツを認識して色々な感想を脳内に駆け巡らせながら彼の隣に立つまで恐らく15秒もなかったと思う。
気がついたらマッツに優しく肩を抱かれていた。そしてわたしの身長に合わせて屈んでくれて顔が真横にあった。
なにこれ???
マッツはもう前を見てる。わたしはマッツの横顔を見てる。マッツを見てないでカメラを見ないといけないんだった。
前を向くと目が痛いほどの白い光の中にカメラのレンズがあった、たぶん。けれど眩しくてカメラマンの姿など認識することはできず、ただたくさんの人間の影だけが見えた。その中、カメラの横に座ってニコニコしている身体の大きな外国人のおじさんの姿が目に入る。
あ……あのおじさんはマッツのマネージャーの…。あ……もうシャッター切られる…何するんだっけ…。え〜と………。
…………笑わな!!!!!
にへら
カシャ
マッツは「ありがと」と言い、軽くポンとわたしの肩を押すともう次の人を迎える準備をしていた。蚊の鳴くような声で「サンキュー」と言い(多分言った)撮影ボックスを出た。
体感3秒。
すごい時間だった。
10時49分。出来上がった写真を受け取り、友人にLINEをする。
「終わった」
「終わった!?はや!!」
「なんもいえんかった」
「ギャー写真見せて」
『写真』
「ちか!!!!」
「かお……」
「緊張が伝わるwww」
「ちょっと引き攣ってるよなwww」
「うんwww」
「一旦落ち着くわ」
「せやな整理しよう」
よろよろと歩き、空いている壁を見つけて寄りかかる。
あ〜〜〜、今頃震えてきた。
ていうかマッツ、まんまマッツだったな……。匂い、しなかったな…。無臭だった…。香水とかそういうのには無頓着そうだもんな…。普段はジャージだし…。顔の皮膚とか、いつも画面越しに見てるのまんまだったな……。目、茶色かったな……。肩に置かれた手、優しかったな……。無意識に腰に手を回したけど、ふわふわだったな………。かっこいいとかそういうレベルじゃなかったな………。
いや〜〜〜、マッツ、いたな…………。
手に持ってる写真をもう一度見る。
………まじで…???
わたしって、こんな顔だったっけ?引き攣ってるにしても、こんな顔だったっけ?好きな男と写真撮ると、こんな顔になるの???
恐るべし、マッツ・ミケルセン。
その後、セレブエリアを出て落ち着ける場所を探して写真を見てはにやけ、移動してベンチに座り写真を見てはにやけを繰り返し、11時30分頃友人と合流した。
「マッツと写真を撮ってサインをもらう」
今回のイベントでの確約された目的はこのふたつなのだが、わたしの中でもうひとつ大きな目的があった。
それはマッツに誕生日を祝ってもらうことである。そう、5月6日はわたしの誕生日。そのためにこの日のチケットを死に物狂いで獲得したのだ。
我ながら本当に厚かましい願いだと思う。大阪コミコンがGW期間のこの日程で決まったのもマッツの来日が決定したのも全部奇跡のような巡り合わせで、それだけで2023年はすごくいい年になる!と感じていた。
しかしわたしは欲張りなオタクなのでマッツに「Happy birthday」を言ってもらうのを目標にここ数ヶ月間を過ごしてきたのだ。そのためにはわたしが自分の口から本日が誕生日であることをマッツに伝えなければならなかった。
撮影時にはそんなことを口にする隙などなくあっという間に終わってしまったので、午後3時からのサイン時に伝える事ができなければ、今後マッツに誕生日を祝ってもらえることはない。
こんな機会もう二度とない。逃すわけにはいかない。絶対に祝ってもらう。
そんな思いを胸に秘めながら午後からはフードやグッズ販売、展示を楽しんだ。
もちろんマッツのステージも見た。ステージ上のマッツはこれまでの出演作品についての話をしながら、髪をかきあげたり水を飲んだり頬を掻いたり椅子に座り直したりしていて、その一挙一動がかっこよくて美しくて本当に意味がわからなかった。
毎秒かっこいいやん。なんなん。欠点はないのか。胸元のシャツのボタンがひとつ外れてるけど、それも情緒かき乱すやん。さすが北欧の至宝の呼び名を持ち、デンマーク女王からナイトの称号贈られただけあるな。
そうこうしてるうちに2時を回り、サインの時刻が近づいてきた。
2時50分頃、友人と別れサインの列に並んだ。場所は先ほどの撮影と同じで、列の進みはゆっくりだった。このスピードならマッツに辿り着くまでに30分くらいかかりそうだし心の準備をする時間もたっぷりありそう。少しホッとして、とりあえずマッツに会った人たちの情緒乱れたツイートでも見て落ち着こうと思い、Twitterを開いた。
列が2回ほど折れ曲がった頃、ずっとスマホを見ていたわたしは顔を上げてなんとなく撮影ボックスの方を見た。
座ってサインをしているマッツがいた。
ドワーーーーー!!!!!!
え、マッツ、ボックスから出てもうてるやん。マッツ、丸出しやん。丸出しマッツやん。
どうやらサインは撮影ボックスの前で行うというシステムらしい。サインは初参加なので知らなかった。しかもちょっとしたステージが置かれ、その上に椅子とテーブルがあってマッツはそこにいるので、人だかりから頭3つ分ほど飛び出しているマッツの姿が待機列から丸見えなのだ。どうりでさっきから前の人がソワソワしてるわけだ。
Twitterなんか見てる場合じゃなかった。残りの時間はマッツを目に焼き付けることに徹しよう。そしてどのタイミングで誕生日であるということを伝えるか、作戦を練ろう。
列が進んでマッツの姿がよく見える位置になるたび観察をした。
え〜マッツ、座ってても足が長いのなんのって。背中も広いね。あと後頭部の髪の毛はちょっと茶色いんだね。前の方は白いのに。そして毛先はピョンピョン跳ねてる。かわいい。………じゃなくて。
すぐに別のところに目がいってしまうのを抑えながらしばらく様子を見ていると、撮影の時と同様にわりと流れ作業だということがわかった。
サインを書いてもらいたいものをスタッフに渡すとそのままテーブルに並べてマッツの元へどんどん流していく。マッツはそれらにサインをして最後にファンの顔を見て「Thank you」と言いながら渡している。
…伝えるなら最後にサインを受け取る時?いやいや、最後に言うのでは遅い。わたしの声は聞き取りづらい上に上手く言えずに聞き返される可能性がある。なのでサインを書いてもらってる最中に伝えるのが確実な気がする。でも書いてもらってる時に話しかけるのは失礼かな…。でも言うタイミングはそこしかないよな……。しかも急に「今日誕生日ですねん!」って……。でも、でも……。
……言おう、言うしかない。言うって決めて今日ここにきたんだ。後ろにもたくさんの人が並んでいるし、あまり時間を使わないよう大きな声で簡潔に言おう。
作戦は決まった。あとはそれを実行するのみだ。
撮影とは違い時間に余裕があるのが逆に緊張する。そうしてる間にも列は進み、マッツとの距離はどんどん縮んでいく。
そしてついに列の最後の折り返しへと到着。そこにはA4サイズほどのマッツのポスターがたくさん並んでいた。サインをしてもらうものを持っていない人はここから1枚選んでそれにサインをもらえるらしい。え、普通に欲しいんですけどもらえないんですかねこれは。ル・シッフル(007/カジノ・ロワイヤル)のとか、欲しいんだけど。
わたしは先ほど撮ったマッツとのツーショットにサインをもらう為、写真をスタッフに預けた。それがまた別のスタッフの手に渡りマッツのいるテーブルの端っこへ置かれる。
もうすぐだ、もうすぐマッツにサインをもらえる。そして誕生日だと言うんだ!
時折、横にいるスタッフと話をしながら柔らかい表情で次々とサインをしていくマッツの横顔を見ていると自分の番が来た。
テーブルはわたしの肩ぐらいの位置にあるのでマッツがサインをしている姿を下から見上げる形になる。
グェ、この角度、伏目て、やば。
サインを書き始めたマッツをテーブルに両手をかけて見上げていたわたしは、今だ!と思い「Today is my birthday(今日誕生日なんです)」と言った。
サインを書いてる途中だったマッツは、目線を手元に落としたまま「オー!今日誕生日なの?」と言い、顔をあげわたしの顔を見て「お誕生日おめでとう!」と言いながら微笑んでサインをした写真を渡してくれた。
うれしすぎる。
今後技術が発達して今まで見た記憶を映像化できる方法ができたとしたら、1番にこの記憶を映像化したい。
「サンキュー…!」と言いながら写真を受け取る。そのあとマッツは何か言ってたけどちょっとだけ噛んで、横にいたスタッフと笑い合っていた。
何て言ったか全然わかんないけど、わかんないけどありがとう。満面の笑みでその場から離れた。
3時42分、本日の大きな目的を全て達成。
やった…やったよ…お母さん…、応援してくれた友人たち…。してもらいたかったこと、いや、それ以上のことをしてもらえたよ。こんなにも楽しくて幸せな誕生日、これまで生きてきた中で1番かも。なんだか全てのものが煌めいて見えるし、今後いいことしか起きない予感しかない。ウルトラポジティブハッピー人間になってしまった。
ほくほくしながら友人と合流。
よかったね〜!あとでサイン見せて!と自分のことのように喜んでくれる友人。love you、大好きだ。
その後しばらくしてミリー・ボビー・ブラウンのステージを見た。生のミリボビはとてつもなくかわいくてスマートだった。とても綺麗だ、婚約おめでとう。子役時代からを知っているのでもはや親戚のおばさんのような気持ちになる。ストレンジャー・シングス5も心から楽しみにしているよ。
残りのコミコンを楽しんで満足したわたしたちは、午後6時頃インテックス大阪を後にした。
夜はなんばでガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3を観た。そしてこれがまたとんでもなく出来のいい、愛に溢れた素晴らしい作品だった。
締めくくりまで完璧とは、なんて充実した日なのだろうか。1日で摂取していい幸福量を超えてる気がする。
この日からふわふわしている。そして写真を見ては顔を溶かしている。これを書いている今も写真を見ては顔を溶かしている。
推しの力って、好きなものの力って、すごい。生きる活力だ。たった1枚の写真でこんなにも元気になってしまうのだから。決して安くはないチケット代だけど、それを遥かに上回る価値がある。一生の思い出と宝物になる。
マッツはもちろんのこと、すべての推しよ、どうか健康で長生きをしてくれ。そしてまたいつかでいいので会うことができたら、それほど嬉しいことはない。
わたしたちはあなたたちの生み出すものが大好きで、幸せそうにしている姿を見るのが大好きだ。そうした姿をちょっぴり見せてくれるだけで、わたしたちは魔法にかかったかのようにパワーをもらい幸せになれるのだ。
マッツがステージ上で言った「変わらず、そのままのあなたでいてください。また来ます!」という温かく優しいメッセージを胸にいつかまた会えるその日まで、精一杯生きようと思う。