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cello tips① 足は大事
私は不器用な人間で、こじれた性格はそのまま身体の歪みや変なクセにも表れがちで、チェロの演奏においてその変なクセや力みを自覚して直すのに苦労し続けている。それでも長年続けていれば、少しずつコツがつかめたり、できなかったことができるようになったりはする。というわけで、これまでの探求から得てきた気づきや、こういう本や言葉が参考になったとかいう話を、少しずつ書いていきたい。自分と同じようにチェロの習得に苦労してなかなかうまくいかない、という人に少しでもヒントとなるような助言になれば幸いです。
・デカくて大変という動かし難い事実
まず、チェロという楽器の特徴として、「デカい」という事実は無視することができない(私の大好きなコントラバスはもっとデカいので、それを自在に操るコントラバス奏者は本当にすごいと思う)。全長125cm、ネックから駒までの長さは約70cmの弦の上を指で押さえて、弦を弓でこすって鳴らすんだから大した作業である。演奏するのにカロリーを消費する、という点ではもうこれは諦めるしかない。運ぶのだって、通勤ラッシュや帰宅ラッシュの電車に乗り込もうとすると、車内の乗客の表情から(乗ってくる気?)という心の声が聞こえてくるし、飛行機は一席余分に予約しないといけないし、大した苦労である。
でも、私はチェロやコントラバス(あとチューバとか)の、デカくて重いからこそ発揮する低音の包容力を心の底から愛しているので、なんでも軽量・小型化を善とするの世に向かって「デカくて何が悪い」と叫び続けたい。
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・足は大事
さて、チェロは基本的には座って弾くので、座り方は決定的にパフォーマンスに影響する。まず大事なのは足の所在をハッキリ意識すること。野球選手の太ももがあんなにムチムチ太いのは、投球のときに下半身を安定させ、地面からくる推進力を足を通して腕に伝えているから。同じように、チェロを弾くときも、胴体や腕の自由な動きと推進力を得るのに、下半身の安定は不可欠だ。
なので、弾くときに違和感を感じてうまくいかない、という方は、まず意識を足のほうへ向けてみてはいかがだろう。膝の下にちゃんと踵がきているか、足裏はきちんと地面と接しているか、太もも(体のなかでも大きなパーツなので役割も大きい)は野球選手のように安定しているか、お尻でしっかり椅子を押せるか...etc
考えに集中すると首から上のほうに意識が集まってしまうので、息を吐きながら鳩尾のほうへ、鳩尾からヘソのほうへ、ヘソからお尻の穴のほうへ、そこから足→足首→足裏まで、重心を下げていって、そこで吐ききった状態でしばらく止まる。というトレーニングをやると良いでしょう🤗
下半身が安定して、さあ、上半身がニュートラルな状態で、イイ感じだ、となればokだ。
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上半身についてはまた次回。。。