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ある行旅死亡人の物語を読んで
「ある行旅死亡人の物語」を読んだ。
娘がYouTubeで佐久間宣行さんが紹介していたのを見て購入した本。
娘から、面白いから読んだ方が良いと勧められたが、私は身元がわからない死亡人とかいう話は苦手で読めない。
だけど最初の数ページを読んだら、疑問だらけで引き込まれてしまい、一気読みしてしまった。
正直なところ、着地点は想像とは違って少しがっかりだったけれども、とても読み応えがあり、読後感は心が温かかった。
著者の武田さんと伊藤さんは平成生まれ。
ガッツがあってすごく愛のある人達で、行間には熱量が溢れ出ていたので、もっと年配の方が書いているのかと思った。
が、文中に、「平成生まれの私達~」というくだりがあってビックリした。
なんとなく、平成生まれの人ってもう少し蛋白でサラッとしていると思ったからだ。
あの熱量には、昭和生の私と同じような人が行動して書いているんだと疑う余地もなかった。
熱量と愛があるからこそ、取材に応じてくれた方も愛のある素敵な人たちばかりなんだろう。
いや、あの熱量と愛に関係者が引き寄せられたんじやないかとも思う。
もう、ノンフィクションとかルポを超えている。
行旅死亡人へのリスペクトも感じるし、何よりも生きることへの問いを投げかけられたような本。
行旅死亡人の人生を一緒に生きているような、はたまた、関係者の人生をも一緒に生きているような錯覚に陥って、さらには、著者達の人生にもお邪魔しているように、どんどん感情移入してくるのも面白い。
でも一番は、行旅死亡人は何を考えて生きてきて、人生を駆け抜けたんだろうと思うところ。
それに合わせて、自分も何を考えて生きているんだろうと、ふと思った。
そして、どうやって私はこの先の私の人生を駆け抜けていこうか?
大きな課題が残された。