キャリア迷子から脱出したいデザイナーが見つけた「自由」とは

2020年3月に今の会社に転職し、早半年が経過しました。

これまでは受託でデザインを提供するWebデザイナーとしてキャリアを積んできましたが、今の会社では新規事業開発を行なう部署のインハウスUI/UXデザイナーとして、新たなキャリアを積むべく日々もがいています。

Webデザイナーと言いつつも、これまで携わってきた業務では、フライヤーやパンフレットや小冊子等の紙モノのデザインをはじめ、展示会ブースのパネルデザインやらTシャツ、ECサイトの商品撮影やメルマガ執筆、オウンドメディアの記事作成、テキスタイルデザインや家具のデザインなど、幅広い業務を経験してきました。

そんな私が、これまでに肩書きとして経験したことのない「UI/UXデザイナー」となったことで感じた葛藤と、その中でもがき苦しんだ結果気がついたことをまとめてみました。


デザイナーという枠内でのキャリアチェンジ

これまで長くWebデザイナーとして働いてきた中で、Webに対する知識(デザイン・コーディング等に加えてSEOやらのマーケティング寄り目線)は多少なりとも身についている自負があります。

しかし、UI/UXデザイナーとしてキャリア転換することは、実務経験の乏しさから入社当初から大きな不安を抱えていました。

アプリケーションの操作等、技術云々のところではなく、考え方のクセの部分がWebとは違うとでも言いましょうか。

サッカーで例えるなら、これまでSB(サイドバック/ディフェンダー)としてキャリアを積んできたのに、MF(ミッドフィルダー/ボランチ)にコンバートしたようなものです。
同じサッカーをしていても求められる職能・視点が違うので、すぐに順応できていない状態とでも言いましょうか。
(逆にわかりにくい??)


自分に変なプレッシャーをかけていた半年前

今振り返ると、なまじデザイナーとしてのキャリアが長い分、変に力が入っていたところがありました。

できると思われて雇用してもらったのに、実はできないことにガッカリされていないか?

UI/UXデザイナーとして知っていて当然なことを、自分が知らない・わからないことで業務に支障をきたしていないか?

そもそも、採用したことを後悔されていないか?? などなど…。

実務内で自分は貢献できていないのではないかという恐怖を勝手に感じてしまい、焦り、自分に凹む。。という悪循環に陥っていました。

それだけ不安で自信が持てなかったのです。


キャリアの迷宮と成長痛

過去を振り返ってみても、「デザイナーとして自分は何ができるのだろう?」「会社の業績にきちんと貢献できているんだろうか?」
そんな苦しい思いを勝手に抱えて、自分を追い詰めてしまうことがありました。(根が真面目なもので…と、自分で言っちゃう。)

一定以上の年齢・経験を積み上げたあとのキャリアチェンジなんて、やっぱり無謀だったのかな… 今の私が会社に貢献できることってなんなんだろう?
そんなことをうっすら考えながら、入社してからの3ヶ月くらいは、キャリアの迷宮に迷い込んだような暗い気持ちで過ごしていました。

でも、ネガティブな状態に陥りやすい時って、大抵新しい何かに向き合って、もがいている時なんですよね。

今回の私のように、転職したとき、新しいプロジェクトにアサインされたとき、これまで試したことのない新しいテイストのデザインに取り組んでいるとき、などなど。

チャレンジングなことに向き合っているときは、成し遂げたあとに得るものがあると頭ではわかっているけれども、その過程は本当に辛くて辛くて、逃げ出したくなるほど苦しいと感じるときもありました。

でも、その苦しさって成長痛のようなもので、その苦しみや痛みを乗り越えたときに、初めて「あ、自分成長してるやん!」って実感が持てるものだと思うのです。
これを経験しているかどうかで、苦しいトンネルを通過しているのときの心持ちが違うのかなと、今なら言える気がします。

スペシャリストではないことの自覚

前職でも、飛び抜けた「これぞ!」といった、自信を持てるようなスキルは持ち合わせていなかったことにコンプレックスを抱いていました。

そんなとき、一緒のチームで働いていたリーダーから「幅広い経験をしてきたからこそできることがある。kyomiyaさんは、スペシャリストじゃなくジェネラリストなんですよ!」と評してもらったことがあります。

私はこの言葉に、ものすごーーーーーく救われました。
(そのときのマネージャーからは、ジェネラリストって言うのは失礼なんじゃない?!なんて言われもしましたが笑)

今まで、ある一定の分野でスペシャリストを目指す「べき」、というような変な呪縛に無意識下でがんじがらめになっていたのかもしれないと思いました。
この「べき」という固定概念から解放されることで、私は自由に息をすることができるようになったのかなと思います。

もちろん、スペシャリストになれた方が良いと思いますし、憧れも強いのですが、ジェネラリストはジェネラリストで必要とされている場・活躍できる場があるんだ!ということに気づき、これまでの自分が積み重ねてきたキャリアにも自信が持てた、というのが大きいのかもしれません。

そして、数ヶ月前に見かけた以下のツイート。


まさに「これまでの私は、経験を横に積んできたんだ…!」と、目からぽろぽろ鱗が落ちまくる思いがしました。

これまでの経験を肯定してもらえた気がして、すごく心が軽くなった気がします。
スペシャリストじゃなくたって、ジェネラリストでもいいじゃない! と。


自由を手にしたキャリア迷子

自分はジェネラリストでいいんだと、自分を肯定できるようになってからは、物事を悲観的に受け止めることが減ったように思います。

キャリアチェンジは困難な道かもしれないけれど、自分の心がそちらに動いたのなら、またそこから新たに自分のスキルを積み上げていけばいい。
今までのスキルが全部無駄になるわけじゃないんだと、安心できました。

正直、5年後、10年後自分が何をしているのかは正直想像できないのですが、今はまだ、明確な行先が見定まらないキャリア迷子だからこそ、自由な視点で様々な情報をキャッチアップしています。

自分の興味関心に触れるウェビナーがあれば申し込んでみたり。
気になる展覧会に足を運んでみたり。
部署のひとがslackで気になる! とあげていたnoteを自分も見にいってみたり。
業務に役立ちそうだなと思うKindle本をかたっぱしからダウンロードしてみたり。(ただし積読率高め。。)

少し前には、「キャリア迷子の会」と称して、私と同様に今後のデザイナーとしてのキャリアについて悩みを持つ同僚たちとzoom飲みもしました!笑

どんな形であれ、いろんな人の声や話・考え方に耳を傾けることは、そこから新たな発見をしたり、自分の考えが整理されたりするので、とても有意義だなと感じています。

どんな物事が自分の人生や視座を変えるかはわからないので、様々な情報の海の中を泳ぎながら、自分が目指したい方向や、手にしたいスキルなどのカケラをひとつずつ掴み取れたらと思っています。
そのカケラたちが、パズルのピースのように集まってきたときに初めて、自分がなりたいものの形の輪郭が見えてくるのではないかなと。

迷子になることは悪いことじゃない。
キャリアという荷物を横に広げていくことも悪いことじゃない。

今はそのことを知っているので、UI/UXデザイナー1年生としてなんにでも興味関心を持ち、自由にあちこち迷子になってやろうと思います!


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