『短歌はじめました。』穂村弘, 東直子, 沢田康彦
JUNE 30, 2018 Instagram掲載
ヤクルトの古田のメガネすごくヘン もっといいのを買えばいいのに 「っていう千葉すずの句の何がいいかとかを解説してるんだよ」と穂村弘 好きの鍼灸院の先生に紹介された本。読むしか…ないだろ…と絶版で定価の数倍になってたのを買う。前の持ち主はサバンナのうんこの歌が引っかかったらしい。 『暮しの手帖』の現編集長 沢田さんが主催していた短歌同人誌『猫又』で、会社員のほか、千葉すず、本上まなみ(その後沢田さんとと結婚)、吉野朔実、高橋幸宏などバラエティ豊かな会員が属している。その彼らの短歌を歌人 穂村弘と東直子が「野暮を承知で」評論する。
短歌には表現の軸なようなものがあって、それは「共感」と「教委」だという。
ー つい覗き選ぶ楽しさ時が過ぎ いらぬ物買う100円ショップ
という句はほぼ日記状態で「あるある」だが、共感のレベルが浅い。ここでは《いらぬ物》を何か特殊な具体名に置き換えただけで一気に変わる、というので「ハエタタキ」は?とか、ここはこの言葉のほうが、ひらがなのほうが…という評が入ったりする。
この本含め、新聞の短歌コーナーも私は読むのにとても時間がかる。31文字にとてつもない情報量と意図、技巧と想いが詰め込まれているからだろう。
囲碁の棋士って指数本で石をちょっと動かすだけだけど、頭をフル回転して膨大な戦略を繰り出し、その中から一手を打つような。
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