![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16943023/rectangle_large_type_2_f60018d3eddcb9b486b6be38f4aa74c1.jpeg?width=1200)
『姉・米原万里』井上ユリ
「ねぇ、ニキビの芯とって」と女友達が妹に頼んでいて驚いたことがある。私には弟がいるけれど、弟にそんなことを頼んだことはない。考えられない。姉妹ってそんな付き合い方をするのか!と衝撃を受けた。仲が良くても悪くても同性だと密度が濃いのかもしれない。
私の好きな米原万里について、妹のユリ(夫は井上ひさし)が振り返り補足する本。子供の頃、ロシア語がわからないままチェコの学校に放り込まれ、ロシア語の方が上手になるくらい慣れ親しんだ後日本に帰国。戻ると日本のやり方に馴染めない…と独特の境遇をサバイブしてきたから、なおさらマリユリ姉妹の絆は強い。
外見だけでもわかるようにキャラの濃い米原万里と楽しいことも辛いことも一緒に味わってきたユリさん。一見派手な姉や夫に目を奪われるけれど、彼女も料理の先生になるほど並外れた食いしん坊ですごく話が面白そう。彼女がイタリアで学んだこと、美味しいものの話なんかの話も読みたい。
82 『姉・米原万里』井上ユリ