死ぬまでに見てみたかった景色 二三味珈琲舟小屋
二三味珈琲を知ったのは、遡り19年前。
ある記事に二三味珈琲が載っていた。
その記事で衝撃を受けたのは
「二三味葉子さんという方が東京でパティシエの勉強をされていたが、
あらたにコーヒー専門店でコーヒーの焙煎の勉強をし
東京でなく石川県能登半島の最北端の
祖父の舟小屋を改造し一人で珈琲焙煎店を始めた」
特に衝撃的だったのは、”舟小屋”という文字だった。
その時イメージしたのは、
海藻の匂いと海からあがってくる潮のかおり
小屋は木でできている小さな掘っ立て小屋で
潮風に晒されて外壁はところどころ木が剥がれいて・・・・
小屋の前には、もう使わない舟が一隻 波にただよっている
というようなノスタルジーな風景。
まさに、その雑誌の小屋の写真は
私の思い描いた映像とドンピシャだった。
すぐさま、二三味珈琲に電話して珈琲豆を注文した。
また、驚いたのは、翌日に豆が届いたということだ。
何度かそれから頼んだが、二三味珈琲のコーヒー豆は翌日に届く。
次に驚いたのは、コーヒー豆の味が
”やさしさにあふれていた”
そのころ、雑誌で取り上げられていた珈琲焙煎御三家・・と私は言っていて
オオヤミノルさんのオオヤコーヒー焙煎所
中川ワニさんの中川ワニ珈琲
どちらの珈琲も申し分のないほど丁寧でおいしい。
中川ワニさんには、実際にワニさんがすごい丁寧に淹れて下さった
コーヒーを飲ませていただいて絶品だった。
二三味葉子さんの二三味珈琲
この珈琲だけ他のどの珈琲とも違うものがあって
「やさしさにあふれている」味だった。
これは飲んでみないとわからない。
「心があたたまるほどやさしい」
いつか行ってみたい と思い、20年近くいけなかった。。。。
それが、突然行こうと思ったのは私の年が50歳になるからだった。
50歳なんていい数字なんだろ・・・折り返しというけど、
50歳から何かがはじまる、そんな気がしてならない
今から、ステキな50年。
二三味珈琲に行って
写真も撮ったけど
この記憶が褪せないうちにとどめておかないといけないと思って
NOTEにかいている。
能登半島の風景は 近場の渥美半島とあまりかわらない印象だった。
違うのは太平洋側と日本海側。
生えている草とか木も似ている。
でも日本海に近くなるほど岩が違ってきた。
伊良湖岬は、南国の穏やかイメージだけど
珠洲岬は、石川さゆりの演歌が流れてくる日本海
どこか懐かしいでも厳しく険しい・・
昨日は、波もなくとても穏やかな海だった。
舟小屋にむかう道は1本道で草に覆われた道を下って行った。
目の前に風化した大きな岩が見えてそこが行き止まり。
右には海、
左に小さな舟小屋。
小屋のすぐ裏は岩。
岩と海に囲まれていた。
小屋の近くにいくと
コーヒー豆の焙煎している香りが漂っていた。
引き戸を開けると中から女性がきてくれた。
この人が、たぶん二三味さんとおもったが
すぐ話し方でわかった。
二三味さんは、日本人として美しい人だとおもった。
お化粧もしてなかったけど、笑顔が自然だった。
アシスタントのような女性が2名いて、私の対応をしてくれた。
ここは、豆を売っていない。すべて通販。隣に新しくカフェができていて
そこで二三味のコーヒーを淹れてくれ飲める。月火休み。
猫が舟小屋の木のベンチで寝転がっていた
お客さんにはなつかないそう。
小屋をあんまりじろじろ見てはいけないと思ったけど
至る隅々まで手作り感が満載でかわいすぎて見てしまった。
小屋の大きさは6畳くらいで本当に小さかった。
そんな小屋の中をとてもうまい具合に机や焙煎機が配置されていた。
二三味さんは、焙煎機の隣で何かやってて
背を向けて右側の女性が煎りたてのコーヒー豆をピッキングしてる。
左側の女性が豆を量ってた。
壁には大きく2つ排気の穴があいていた。
焙煎機の平行線の両側に窓があり、
驚くのは、エアコンがなかった。
夏でもわりと風が通って暑くないですよ、と言っていた。
焙煎機はフジローヤルかなぁ
かわいいな、あの型が一番かわいい。私がほしいやつ。
豆の種類の紙を2枚くれた。
わたしはいろんなところで豆を買うけど
東京の堀口珈琲と同じくらい種類がかなり豊富。
能登先端という田舎で世界トップレベルの品質のコーヒー豆を
数多く焙煎していて全国に出荷しているんだ~
それだけで、もう圧巻。。。。
二三味珈琲がもっとすごいのは、
訪れた人にしかわからない。
目の間に広がる大パノラマの木ノ浦海岸の絶景。
これは、映画になるはずだと、納得。
誰にも真似できないことをやってた。
もっと驚くのは、二三味珈琲舟小屋の宣伝は、
何もしてないということだ。
HPもない、
ブログもない、
フェイスブック、
インスタグラム、
あるのは電話だけ。
それで当時年商1億円といわれていて。。。それにもとても興味があったんだけど行ってみて、お金の話なんてどうでもいいと思ってしまった。
やはり、この二三味珈琲は
すべて完璧に何もかもそろってる
まさに奇跡のコーヒー焙煎舟小屋。