森の向こう側には、きっと
狐は餌を求めて山を彷徨う
木の実を拾って巣穴の中へ
紅葉した葉をカサカサと踏みながら
川の水の冷たさを感じている
この道を歩いていくと
何処に着くのでしょう
狐はペロッと足先を舐めた
棘は抜けたが傷口は痛む
泣き腫らしたから見えること
喚き散らした夜を超えて
生きとし生けるもの
全てはこんな風に輝いている
忘れない忘れようもない
暗い闇を超えて
今とても落ち着いている
鬱蒼とした森を歩く
歩くことさえ出来たなら
答えはすぐに見つかるはず
泣き崩れた日々さえも愛しくて
自分自身を抱きしめた
こぼれ落ちるのは涙だけじゃなく
金木犀の花びらなんだと気付いた
橙色に煌めいて
はらはらと咲き舞い飛ぶ
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